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環境影響評価・エコテクノロジー評価

私たちの周囲(環境)への影響を考える

化学物質の環境放出源と曝露経路と研究課題

化学物質の環境放出源と曝露経路と研究課題



化学物質の環境安全性評価・管理技術

 化学物質によるヒトと環境への有害な影響の防止と化学物質の有効な利用のためには,化学物質の環境挙動と曝露の評価に基づくリスク管理が不可欠です。 資環研においては,事業所などにおける発生源対策技術の研究開発と共に,化学物質の環境中運命評価技術開発として,大気中での光分解性及び環境徹生物への影響と生分解性についての研究を行い,室内試験法の開発・高度化と室内試験結果の環境への外挿について検討をしています。 また,広域での曝露とリスクの評価手法高度化のため,大気及び沿岸海域での化学物質輸送拡散過程モデルの高度化の検討や,化学物質の排出構造分析手法及び個人曝露量評価手法の検討を行っています。 さらに,これらの手法をベースにした環境リスク管理のフレームワークについて検討を進めています。

曝露・リスク評価



冬の高濃度大気汚染のモデル化

 空気中に漂う直径10μmより小さい粒子は浮遊粒子状物質(SPM)と呼ばれ,その汚染状況は一向に改善の傾向がみられず,窒素酸化物(NOx)汚染とともに都市域での大気環境問題の中で最大の未解決課題となっています。 SPMおよびNO2の濃度が各測定局で環境基準値を軒並み超えるのは,特定の気象状況の出現する11〜12月の初冬季に集中しています。
 そこで,これらの汚染に対して有効な対策を立てるためには,このような短時間・高濃度汚染の状況を再現できる数値モデルを開発し,シミュレーションを行って発生源のどこを削減すれば効果的であるのかを調べることが求められます。

 当所ではこのような冬季のSPMの各組成およびNO2汚染状況をリージョナル・スケール(200×200km程度)で詳細に再現する輸送・反応・沈着モデルの開発を行つています。 これにより,塩化アンモニウム(NH4Cl),硝酸アンモニウム(NH4NO3)などSPMの化学組成別のアセスメントを行うことが可能となりつつあります。

冬の高濃度大気汚染のモデル化



全球化学輸送モデル

−逆問題による二酸化炭素の発生源解析を目指して−
 大気中二酸化炭素の濃度は産業革命以来急激に上昇しているので,この上昇が化石燃料の燃焼によってもたらされていることには疑問の余地はないものの,今後の予測濃度は陸上生態系や海洋の吸収機構などの知織が不足しているために,暫定的な値にとどまっています。
 全球化学輸送モデル(CTM)では,陸上や海上と大気間の発生源・吸収源の強度から大気濃度を求めることができます。 この関係を逆に使えば,大気中濃度から発生源・吸収源分布を推定するという「逆問題」を解くことができます。

 図はこうして求めた発生源・吸収源分布から大気下層濃度を計算した例で,北半球の冬の一瞬を示しています。 このような解析を行えば,陸上生態系や海洋の吸収機構が定量的に評価できるようになり将来予測に役立ます。

地表付近の二酸化炭素濃度の計算例。

地表付近の二酸化炭素濃度の計算例。
北極上級から見た分布。(単位 ppm)



LCA

 ライフサイクルアセスメント(LCA)は,工業製品の製造・使用・廃棄にかかわる全ての工程での資源の消費量や環境への排出物量を計算し,環境への影響を評価する方法です。 環境にやさしい製品の製造を手助けします。
 環境への影響を評価する指標として,地球温暖化を始めオゾン層の破壊,酸性化,湖沼の富栄義化などがあります。 各指標間に重み付けをし,一つの統合化指標とする研究を行っています。

LCAソフトの起動画面

 LCAを実施するには資源の採掘からリサイクルを含めた製品の廃棄に至るまでの数多くの工程での資源・エネルギーの消費と環境への排出に関する信頼できるデータが必要となります。 当所では,日本のパブリック・データベースの構築に向けて,産業界と協力して努力しています。 また当所では,これらの膨大なデータを処理するLCA計算ソフトウェアの開発を行い,LCAの啓蒙と普及のために提供しています。



ヒューマンファクター

 社会における総合的な安全を向上・充実させるための研究(社会安全工学)の一環として,安全に係わるヒューマンファクターの研究を実施しています。
 近年注目されている地下空間の安全性について,地下から地上への上方退避の際の運動生理学的な検討及び生理・精神作用を検討し,併せて地下環境下における人間の情報の認知や行動特性の検討を行っています。 これらの研究結果を盛り込んだ総合的な退避に係わる安全性評価のためのシミュレーションも開発しています。 また,退避等における情報伝達の重要性を考慮した研究として音および音声に着目し,様々な環境的要因等と音情報伝達特性の関係を明らかにしています。 その中で,トンネル状空間内における音情報伝達特性に与える通気の影響,残響性の影響,空間の幾何学的形状の影響などを検討しています。

トンネル状空間内における音情報伝達特性

 研究の一例としては,通気のあるトンネル状空間内での音の伝搬特性が地表面上とは全く逆で,風下方向に音や音声情報が伝わりにくいことを明らかにし,この現象を数値計算により裏付けました。
 これらの研究をさらに発展させ,様々な環境下における人に係わるリスクの低減を視野に入れたヒューマンファクターの研究に取り組んでいきます。



地下計測技術

 高レベル放射性廃棄物地層処分や地下深部のエネルギー開発など,地下の工学的利用が深部に展開するにつれて,従来の計測法の適用が困難な地下深部の応力状態を正確に知る必要が高まってきています。 また,産業廃棄物処分場周辺の地盤環境を監視するための広域地盤監視システムの開発が望まれています。
 当所では,地下深部から採取される岩石サンプル(岩石コア)を用いて,その岩石コアに記憶されている地下の応力情報を抽出する技術について研究を行つています。 地下応力情報を取り出すために,室内で岩石に圧力を加え,その時に岩石内部で発生するアコースティックエミッション(AE)や岩石のひずみを測定し,その結果に基づいて地下応力を評価します。 図は,岩石コアを用いた地庄測定試験状況を示しています。 また,地盤環境を広域に監視するための技術として,地盤中を伝わる弾性波速度,電流の大きさが地盤の汚染状況によって変化することを利用した,弾性波トモグラフイー,比抵抗トモグラフイー技術について研究を行つています。

封圧下でのコアから地圧測定試験状況

封圧容器内の状況

封圧下でのコアから地圧測定試験状況
(封圧容器内の岩石コアに一定封圧下で圧縮軸荷重を作用し、AEとひずみを計測している)



エネルギー物質を利用する環境・安全対策技術

 火薬類に代表されるエネルギー物質は,瞬時に大量のエネルギーを発生する特性を利用して,爆薬・燃料・ガス発生剤として広く利用されてます。 このほか安全性の確保と環境問題への利用の可能性が広く期待されています。

爆発圧着法によるライフライン修復技術
爆発圧着法によるライフライン修復技術
(高感度カメラによってとらえた爆発圧着の瞬間)

 環境・安全対策に関する研究では,高精度起爆システムを開発し,地震等の衝撃荷重による材料の破壊現象を解明し,波動干渉法による発破振動・騒音・飛石の制御技術を確立することで低環境負荷解体技術の高度化を行っています。 また,地震等の大規模災害時の安全対策技術として,爆薬庄着法によるライフライン修復技術や救助用エアジャッキシステムの研究を行っています。 さらに,自動車に搭載されているアジ化ナトリウム系エアバッグガス発生剤の再利用技術および環境影響評価の研究を行っています。



エコテクノロジーと当所の役割
新しいエネルギーを考える
新しい資源・素材を考える
新しい対策技術や処理技術を考える
私たちの環境を診断する技術を考える
私たちの周囲(環境)への影響を考える

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