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環境への負荷を最小にする技術

新しいエネルギーを考える

新しいエネルギーを考える

 地球に降り注ぐ膨大な太陽エネルギーを光電池や風車で電気に.植物や微細藻類や光合成機能をもつ人工の葉でCO2を有用な燃料やバイオマスに変換して利用する技術を開発しています。 さらに,石炭をクリーンに利用したり,地熱を使って発電する技術開発を進めています。



太陽光エネルギー

光化学反応と光エネルギー有効利用の研究

 太陽光は地球の環境を整え,生命を育んでいるばかりでなく,化石燃料・水力・風力などとして私たちの生活に必要なエネルギーを与えています。地球に降り注ぐ太陽からの放射エネルギーは,出力100万kWの発電所1億8千万カ所分にも相当します。このエネルギーの直接・間接的な利用の拡大が今後のエネルギー/環境問題を解く鍵といえます。 太陽光エネルギーはそのままでも使えますが、いろいろな方法で利用しやすいかたちに変換する研究を行っています。変換によって得られるエネルギー(=物質)は貯蔵・輸送が容易であり,有力な変換方法と考えられます。 また,人工光合成により二酸化炭素(CO2)を処理すると,温暖化物質削減に貢献できます。当所では,そのための新しい触媒や光機能性材料の開発を行っています。

光化学反応と光エネルギー有効利用



バイオマスエネルギー

 バイオマス(ある一定量集積した生物由来の有機資源の総杯)は,光合成により再生可能な唯一の有機資源であり,再生時に大気中のCO2を吸収すること,莫大な賦損存量を有することから,環境調和型のエネルギー資源としてその有効利用が強く望まれています。 当所では,これらのバイオマスを液化,低温ガス化等によりエネルギーヘと変換する研究を行っています。

微細藻類から炭化水素の製造・回収

 微細藻類の一種,Botryococcus braunii は,CO2を固定しながら成長し,細胞内に炭化水素を蓄積します。この藻類の大量培養技術および,この藻類から炭化水素を直接回収するための液化法の研究を行っています。 B.braunii は下水処理水中でも増殖し,水中のNとPを吸収するので,排水浄化 −CO2固定− 石油系代替燃料の製造を同時に達成する環境調和型エネルギーシステムの構築を試みています。 また,上記の液化法は,下水汚泥や発酵残渣などの廃棄物にも有効であり,廃棄物から重油相当の燃料油が得られ,エネルギー回収型の廃棄物処理法として応用できます。

オイルを生産する微細藻類
バイオマス発電

 バイオマスが行う光合成は,極めて効率のよいクリーンな太陽エネルギー変換システムです。 光合成では初めに太陽エネルギーにより水が分解され,高エネルギーの電子が生じ,次にこの電子によりCO2が還元され,炭水化物が生産されます。 当所では,この光合成サイクル中に発生する電子を直接微細藻類から取り出し,電気エネルギーに変換する技術の開発を行っています。 また,光合成によって生産・蓄積された炭水化物などのエネルギー源を電気エネルギーに変換する技術も開発しています。

光合成微生物電池の模式図



石炭エネルギー

複雑多成分系の石炭を極めその利用を図る

= 基礎研究と利用技術の融合 =
石炭は現在でも世界のエネルギーの中核的役割を果たしていますが,その豊富な埋蔵量,供給安定性等から今後も重要な役割を担っていくものと期待されています。

 当所では,複維多成分系である石炭の構造や溶媒との相互作用を分子レベルで明らかにするとともに,その構造特性を生かした,地球環境時代にふさわしい革新的な石炭エネルギー利用技術の構築へ向けて新展開を図っています。 現在,主に石炭の化学的・物理的構造解析,石炭液化油の実用可能性評価,石炭完全脱灰炭(ハイパーコール)を利用した発電システムの検討,石炭やチヤーの化学構造から反応条件を最適化する水添ガス化法の基礎研究を行っています。

石炭の分子構造モデル
石炭の分子構造モデル
石炭と溶媒(メタノール)との相互作用モデル
石炭と溶媒(メタノール)
との相互作用モデル
石炭利用技術の新展開



地熱エネルギー

地下のクリーンな未利用エネルギー資源の開発

 地熱エネルギーは,発電によるCO2の発生量が極めて小さく,地球温暖化抑制に理想的なエネルギーです。我が国には,世界の約1割に当たる地熱資源が賦存するともいわれており,この国産エネルギー資源を有効に開発,利用することが,将来のエネルギー・環境問題の解決に大いに寄与するものと期待されています。
 そのため,これまで利用されていない地熱エネルギーの開発を目指して,天然貯留層が発達していない高温の岩盤を対象とした高温岩体や3,000mよりも深い地層に賦存する深部地熱資源の開発,超高温地層やマグマの開発を目的とした坑井内同軸熱交換器方式の研究を行っています。

深部地熱資源の開発
新しい地熱丼掘削技術

 地熱資源を開発するためには,坑井(地熱井)を掘削して地下から熱水や蒸気を取り出すことが不可欠です。地熱井の掘削コストは,地熱資源の総開発コストの50%以上を占めているため,坑井を能率的かつ経済的に掘削できる技術が求められています。
 このため,坑底や地表で得られるビット荷重,トルク,掘進率などの掘削情報を基に,坑底における岩石強度およびビットの摩耗状態をリアルタイムで推定できる技術について研究を行っています。 究極的には,この技術と他の技術を組み合わせることにより,掘削の自動化が可能になります。 また,効率よく地層を掘削できる多結晶ダイヤモンド(PDC)ビットの開発を行っています。

新しい地熱丼掘削技術



非在来型エネルギー

メタンハイドレートの開発

 我が国周辺の海底地層中に,メタンガスと水からなるメタンハイドレートが大量に賦存することが分かってきています。メタンハイドレートは,水分子がつくる寵型立体構造の中にメタンガス分子を取り込んだ氷状の固体物質で,低温高圧で安定であり,高温低圧にするとメタンガスと水とに分解します。
 メタンハイドレートから取り出されるメタンガスは21世紀の天然ガス資源として開発が期待されています。 相変化を伴うメタンハイドレートに特有な開発基盤を確立するために,分子レベルでの結晶生成・分解挙動,分解ガス・水の地層内流動特性解明,メタンハイドレート貯留層へのCO2固走法等の研究に着手しています。

メタンハイドレート開発のイメージ


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