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平成10年度研究計画

平成10年度

特別研究


【安全・保安技術】


高比重ガスの漏洩挙動と安全対策に関する研究
[担当部署]安全工学部・環境影響予測部・北海道センター・九州センター
[研究期間]平成7年度〜平成11年度

(全体計画)
 高比重漏洩ガスの漏洩源の近隣環境への拡散予測と、近隣環境への影響も考慮した合理的な安全対策を検討し、漏洩災害に対する安全性評価法の研究を行う。
(平成10年度の研究内容)
 漏洩拡散予測としては,LPガスホルダー,地中埋設管及びHC冷媒機器からの漏洩を想定し,実規模を考慮した野外および室内で再現実験し,検証を行う。
 安全対策として,粉じんクラウドの消散のため,荷電型水ジェットの開発ならびに実用化の検討を行う。また,急速拡散システムのためのガス発生剤の圧力発生プロファイル及び漏洩修復装置の実用化を検討する。安全対策評価のため,漏洩拡散危険性解析用データベースを対象に,漏洩危険度のランクの評価手法を確立する。

【環境・資源・エネルギー技術】


有機資源による環境浄化用ハイブリットカーボンの合成に関する研究
[担当部署] エネルギー資源部
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
(全体計画)
 炭素のミクロポアーを精密にコントロールした分子篩炭素や均一マクロ孔を有する多孔質炭素を設計,合成し,これらのハイブリッド化,機能の多次元化を確立する。
 またこのようにして合成したカーボンの環境浄化用としての評価を行う。
(平成10年度の研究内容)
 最終年度である本年度は,金属が分子篩炭素中に高分散したハイブリッドカーボンの形状選択的変換機能について,大きさや形状の明らかなハイドロカーボンをモデル化合物として反応を行い,その基礎的物性を系統的に把握し,分離材料あるいは環境浄化やエネルギー変換のための材料としての応用を目指す。
酸素燃焼火炎の熱放射シミュレーションに関する研究
[担当部署] 熱エネルギー利用技術部
[研究期間] 平成8年度〜平成11年度
(全体計画)
 酸素燃焼火炎の基本的な構造や熱発生・放射伝熱特性を解明し,これらを数値シミュレートする手法を開発する。これにより,酸素燃焼のボイラや工業炉への実用化およびその最適設計が可能となる。すなわち,酸素燃焼火炎内の乱流混合および燃焼反応特性を明らかにし,広範囲な燃焼条件のもとで形成される酸素燃焼火炎の基本構造を数値シミュレートする手法を開発する。また,酸素燃焼火炎からの熱放射エネルギー特性を明らかにし,高温炉内放射伝熱の数値シミュレーション手法を開発する。
(本年度の研究計画)
 粒径,数密度,屈折率などが既知の粒子群の放射・吸収特性を明らかにし,これらをもとに,火炎中で形成される soot 粒子群からの熱放射特性のモデル化を検討する。いくつかの燃料種および酸化剤の組み合わせで形成される層流火炎について,ガス放射と soot 粒子群放射が複合された特性を明らかにする。
ガス発生剤の性能評価と環境影響に関する研究
[担当部署] 安全工学部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
1.ガス発生剤の性能評価方法
  1. ガス発生能力の経時変化特性
  2. 化学構造の変化による寿命予測
2.環境中での分解挙動解明
  1. 環境中での分配・分解機構解明
  2. 移流・拡散予測
(平成10年度の研究内容)
1−(1) 熱分析装置によりガス発生剤の発熱量の経時変化を測定する。また,小型爆燃性試験装置を試作し,圧力発生挙動とエアバッグの性能との関連を解明する。
2−(1) 水や光によるモデル系での分解機構を明らかにし,環境中のガス発生剤および分解生成物の分析手法を検討する。
次世代CO2対策技術の研究
[担当部署]環境影響予測部,地殻工学部,安全工学部,素材資源部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
  1. CO2 気泡の海水への溶解を飛躍的に促進させるための要素技術を開発する。
  2. CO2 の分離回収特性に優れた無機質多孔性新材料を開発する。
  3. 海洋のCO2 吸収過程およびCO2 分布を計測する技術を開発し,上記技術の環境受容性定量評価技術を確立する。
(平成10年度の研究内容)
  1. 気泡界面の運動特性と溶解メカニズムとの関係を解明し,気泡溶解を促進させる方法を考察する。
  2. 多孔性形成過程を解明するとともに,形成された多孔体表面の化学吸着特性を考察する。
  3. CO2トレーサー計測装置ならびに画像データ解析法等を開発し,実海域で計測を実施する。
自然熱エネルギー利用システムの研究
[担当部署] 熱エネルギー利用技術部,安全工学部,地殻工学部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
  1. 潜熱長期蓄熱エレメントおよび蓄熱ユニットの特性解析,熱利用システムの制御方法等を検討し,太陽熱 等の利用に必要となる潜熱長期蓄熱システムの技術開発を行う。
  2. 地中に設置された蓄熱ユニット等と地盤との間の経年的な熱収支を検討し,長期にわたって蓄熱ユニット等を熱的に安定して運転するための技術開発を行う。
  3. 地中構造物に及ぼす混相系の流体力についての検討を行い,地震時蓄熱・熱輸送施設の安全基準作成のための基礎データの検討を行う。
(平成10年度の研究内容)
  1. 温・冷熱供給に適した潜熱蓄熱材を検討するとともに,蓄熱エレメントの動作特性を調べる実験装置を製作し,加熱・冷却時の内部圧力変動や融解・凝固過程≠茶Cべる。
  2. 降雨・降雪の影響を考慮したシミュレーションモデルの開発に着手するとともに,地盤の透水特性について検討を行う。
  3. 加圧式傾斜樋の製作を行う。また,混相系の流動特性について検討を行う。
バイオプロセスによるCO2削減技術の研究
[担当部署] 温暖化物質循環制御部,エネルギー資源部,水圏環境保全部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
 微細藻類が行っている光合成反応および呼吸反応の薬学的・遺伝子工学的な手法を用いた改良と,微細藻類−電子伝達剤−電極系の開発による電気エネルギー変換技術を検討する。
 生体内でメタンをメタノールに水酸化する電子伝達体−酵素添加体のバイオミメティックな複製と機能改良による一級炭素の選択的常温酸化反応を確立する。
 さらに,分子集合体を開発するための還元系と酸化系の複合化や,基質特異性と反応場との関係を検討する。リグニン分解酵素等の環境浄化を行う菌およびその酵素の生産,および能力向上のための宿主ベクター系の開発等の遺伝子工学的手法を確立する。
(平成10年度の研究内容)
本年度では以下の研究を行う。
  1. 新規電極系の設計とそれを用いた電池の特性評価
  2. 還元系−酸化系の組み合せと極性基間相互作用の検討
  3. 担子菌における発現ベクター系構築と酵素生産性評価
有害化学物質の発生抑制と排ガス浄化の研究
[担当部署] 水圏環境保全部,熱エネルギー利用技術部,安全工学部,大気圏環境保全部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
 外熱式流動層燃焼実験装置により,燃焼条件とダイオキシン類生成特性との関係を明らかにし,生成メカニズムを検討する。
 また,圧力損失の少ない長寿命のエレクトレットフィルターなどの排ガス処理技術を検討し,ダイオキシン類の排出抑制を図る。
 さらに,海洋などの中のダイオキシン類等を測定し,ダイオキシン類の環境中での挙動を解明する。
 今年度は,ダイオキシン類生成への廃棄物組成の影響を解明する実験を行い,生成物の詳細な分析を行う。
 また,エレクトレットフィルターを試作する。さらに,東京湾及び周辺海域でダイオキシン類等を測定し三次元分布図を作成する。
再生可能分別不用プラスチック開発の研究
[担当部署] エネルギー資源部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
 本研究では次の3つの課題を検討し,研究目的の達成を図る。
  1. 芳香環やメチレン鎖を基本構造とし,官能基の位置・種類が異なる高分子(オリゴマー・ポリマー)の合成手法を検討する。
  2. 分解反応を加速したり,分解生成物の再結合・高分子量化を防止する溶媒の選択等,高分子からその原料への再生条件を検討し,高分子の高効率分解再生反応を開発する。
  3. 複数の高分子を混合した場合の原料の再生・回収に適した分解反応を確立する。
(平成10年度の計画)
 フェノール類を原料とするオリゴマー,ポリマーの分解実験に基づき,その速度論モデルを確立し,このモデルを利用して各種反応条件での分解反応速度の比較を行い,最適分解再生反応条件を得る。
環境調和型廃棄物分離技術の研究
[担当部署] 素材資源部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
 以下の項目について検討する。
  1. 加速型カラム気流選別機開発と金属相互分離の検討
  2. パルス空気流動・振動選別機の開発とプラスチック相互分離の検討
  3. 表面修飾型マイクロバブル浮選機の開発と古紙の脱インク技術の検討
  4. 機能性凝集核の開発と古紙の脱インク固液分離技術の検討

(平成10年度の研究内容)

 平成10年度は,加速型カラム選別機における加速器の設置条件を検討するとともに,エアテーブルによる混合プラスチックからのPVC分離特性を把握する。また,オフィス古紙脱インクのための,表面修飾型マイクロバブル浮選機,および機能性凝集核の設計を行い,同時にオフィス古紙の解離技術について検討する。

【鉱山保安技術】


鉱山保安技術研究
[担当部署] 安全工学部,北海道センター,九州センター
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
(全体計画)
1.坑内火災煙対策技術(九州センター)
  1. 坑道形状・傾斜による火災煙の流動特性
  2. 坑内火災時の煙流動と消火方法
2.粉じん抑制対策技術(北海道センター)
  1. 浮遊粉じんの粒度分布
  2. 水滴特性と粉じん抑制効果
  3. 現場適用性と評価方法
(平成10年度研究内容)
1.坑内火災煙対策技術(九州センター)
  1. 傾斜坑道における煙及び熱気流の流動特性を検討する。
  2. 各種消火法の現場適用性を検討する。
2.粉じん抑制対策技術(北海道センター)
  1. 現場適用性と抑制効果の評価方法を検討する。

【中小企業対策技術】


廃プラスチックの再利用技術に関する研究
[担当部署] 素材資源部,エネルギー資源部
[研究期間] 平成10年度〜平成12年度
1.乾式選別技術開発
  廃ペットボトルを,ポリマーアロイ化により再資源化するための振動流動型選別装置を開発する。また, 廃家電品粉砕物等に存在する廃プラスチックを,路盤 材や建材等に再資源化するための気流選別機を開発する。
2.アロイ化等再資源化技術開発
  振動流動型選別装置により選別したプラスチック材料に可塑剤等を添加して,混合・加熱することによっ てアロイ化し,マテリアルリサイクルをするための技 術について検討する。
3.熱硬化性樹脂の化学分離および再資源化技術開発
 マテリアルリサイクルに適さない熱硬化性樹脂を,プラスチック類から精度よく化学分離する技術を開発 する。また液相分解法等の手法により環境汚染物質を除去すると同時に,プラスチック原材料またはモノマ ー等に変換する再資源化技術を開発する。

【原子力平和利用技術】


放射性廃棄物地層処分環境下での応力腐食割れ挙動とその抑止技術に関する研究
[担当部署] 安全工学部
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
1.放射性廃棄物処分環境下での応力腐食割れ研究
  岩石のダブルトーション試験・破壊靭性試験を各種環境条件下で実施し,岩石のき裂進展速度に及ぼす圧力,温度,水分の影響をAE計測と併せて調べ,応力腐食によるき裂進展速度と環境条件の関係を求め,応力腐食割れの限界条件とモデル化を行う。
2.処分空洞周辺の微視的き裂抑止技術
 塩基性薬剤,高分子界面活性剤等に浸漬させた岩石薄片試料のき裂性状変化の微視的観察と浸漬試料の強度試験を行う。走査型電顕中での試料のリアルタイム観測と薬剤によるき裂内充填とき裂進展実験を行い,薬剤の効果を微視的に調べる。
 平成10年度には以下の研究を実施する。
 温度,封圧,孔隙水圧等の条件を複合的に設定した条件下で岩石の破壊靱性試験を行い,地層処分環境下での岩石の応力腐食割れ特性を明らかにする。
 また,前年度に引き続き,走査型電子顕微鏡による直接観察と併せて岩石の破壊試験を行い,塩基性,高分子薬剤等のき裂進展抑制への効果を微視的に調べる。

【官民連帯共同研究】


エレクトロスタティックイオンクロマトグラフィーによる環境適応型分離精製技術の開発に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
 分離メカニズムの解明と新規固定相の開発においては,生体関連物質(アミノ酸,核酸など)の分離能を向上させることを重点とする。
 このため,分子親和性のあるポリペプチド型両性イオン分子を化学結合させた新規固定相を作成する。また,従来移動相として検討してきた純水に加えて,酸を用いてグラジエント溶出を行う。
 酸濃度を増加することにより,固定相が陰イオン交換樹脂,両性イオン交換樹脂,陽イオン交換樹脂の働きをするため,分離能の向上が期待できる。
 実試料による分離性能の評価においては,前年度までに開発した,オンライン濃縮装置と本イオンクロマトグラフを結合したシステムによる超純水分析,並びにオンライン脱塩装置と本イオンクロマトグラフを結合したシステムによる高塩水試料分析に適用し,その実用性を評価する。

【公害防止技術】


浮遊粒子状物質の組成別濃度及び粒子個別特性の評価に基づく発生源制御に関する研究
[担当部署] 環境影響予測部
[研究期間] 平成6年度〜平成10年度
  1. 野外実験
    従来の諸研究の成果を踏まえて効率的な野外実験を実施し,高濃度条件を中心に,組成別にSPM挙動を把握する。現場の気象条件を同時に観測し,SPM挙動との関係を調べ,以下の点について検証・定式化する。
    1. 環境基準オーバーの主要原因である寒候期の高濃度時期に重要な光化学反応による粒子生成モデルを構築し,そのモデルのパラメータを確定する。
    2. 湿度による見かけのSPM濃度激増に対する補正手法の確定。
    3. 地域特性として砂塵・海塩など自然源粒子が高濃度発生に寄与している場合について,自然源の影響を評価する野外実験とデータ収集を行う。
  2. 野外実験に基づくSPM挙動の数式化,サブモデルの構築
  3. 文献調査・既存データの解析,補足実験
  4. 以上から得られる反応モデル・関係式と当所で開発した局地気象・拡散モデルを総合して,100km 範囲のSPM生成・拡散・濃度分布を計算できる数値モデルを構築し,組成別SPM濃度アセスメントシステムとしての利用に供する。
本年度は高精度SPM組成別拡散モデルを完成させるとともに,東京周辺のSPM原因物質の発生源をデータベースとして最終的に整備し,シミュレーションを行う。また補足的な野外実験を行う。
石炭燃焼装置における高度炉内脱硫・脱硝技術に関する研究
[担当部署] 熱エネルギー利用技術部
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
 回分式小型加圧反応装置においてはさらに広範囲の圧力,燃料,石灰石についてのデータを取得する。連続燃焼装置では低NOxと高脱硫率の両立する燃焼条件を明らかにするとともに,回分式小型加圧反応装置で得られたデータとの関係を明らかにし,連続燃焼条件での炉内脱硫・脱硝挙動を予測できるモデルの開発を行う。
 これらの知見から連続燃焼条件における最適炉内脱硫・脱硝条件を明らかにし,燃料,石灰石,圧力等を変化させ実証する。
 加圧流動層のフリーボードにおける粒子及びガス挙動を同時に可視化し,加圧流動層の流動特性における主要な因子を解明する。また,局所温度測定法の精度を高め,反応速度と流動特性との関係を明らかにする。
マイクロ波を利用した有害大気汚染物質の処理に関する研究
[担当部署] 大気圏環境保全部,熱エネルギー利用技術部,企画室長
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
(全体計画)
(1)マイクロ波制御吸着脱離手法の検討
 マイクロ波を照射しながら,吸着,脱離を制御する新規な分離・濃縮システムの開発を行うとともに,本方法に適した吸着剤の探索と最適化を行う。
(2)新励起システムによる分解手法の検討
 マイクロ波,プラズマ等の励起化学的手法と触媒化学的手法を組み合わせた新規の大気汚染物質の分解・処理技術の開発を進める。
(3)分離・分解システムの検討
 上記の2手法を総合的に検討し,有害大気汚染物質の排出抑制の新システムの構築を図る。
(本年度の研究内容)
 マイクロ波制御吸着脱離手法の検討では,昨年度に引き続き基本的な現象把握に務めるとともに,熱移動現象などの化学工学的なデータ取得を開始する。 また,本方法に適した吸着剤の探索を引き続き行う。
 新励起システムによる分解手法の検討では,低温プラズマリアクターによるVOCsの励起・分解条件の最適条件を探るため,希薄濃度ベンゼンを対象に各種操作因子の検討を行う。
コジェネ用内燃機関のNOx低減化に関する研究
[担当部署] 熱エネルギー利用技術部
[研究期間] 平成9年度〜平成12年度
 コジェネ用内燃機関であるガスタービン,ガスエンジンのNOx低減化を図るために以下の研究を行う。
  1. ガスタービンから排出されるNOxを低減するためにハイブリッド触媒燃焼について研究し,加圧条件下での触媒燃焼特性及び触媒後流での気相燃焼特性を明らかにする。
  2. 希薄燃焼ガスエンジンの排ガスから効率よくNOxを除去するために選択還元触媒を用いた排ガス処理触 媒システムを開発する。
 本年度は,ハイブリッド触媒燃焼については,加圧燃焼器を用いて8気圧程度までの触媒燃焼特性を把握する。また,後段の気相燃焼についても,前年度行ったコールド実験の結果を踏まえて常圧燃焼実験に進み,燃焼の最適化を行うとともに,数値解析を進める。
 排ガス処理触媒システムについては,引き続き還元剤を改質するための触媒の性能試験を行うとともに還元剤成分の違いがNOx除去性能に及ぼす影響を調べる。また改質触媒,NOx除去触媒の化学的性質について検討し,触媒性能の向上を図る。
低温作動型触媒を用いたディーゼル排出粒子状物質の低減に関する研究
[担当部署] 大気圏環境保全部
[研究期間] 平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
 ディーゼル排出粒子状物質低減のための低温作動型触媒および選択加熱型焼却システムの開発を目指し,以下の研究を行う。
  1. 低温作動型触媒の活性成分,担体の探索
  2. プロトタイプ触媒の基本性能の把握・改良
  3. 有害ガス成分の低減
  4. 選択加熱型DEP焼却システムの検討
  5. 試作DPFの実用性評価
(本年度の研究計画)
 最適な活性金属成分と担体の組み合わせを見出すことにより,炭素粒子着火温度300℃以下の性能を有する低温型作動触媒の原型を得る。このため,前年度に検討した活性金属成分と担体の中から,有望なものどうしの組み合わせを検討する。
 特に,反復使用における性能維持を実現するため,活性金属成分の担体上での易動度や活性金属成分と担体の固相反応性などを指標として,活性金属成分の再検討,新規担体の合成など,複合化に当たって必要とされる改良を行う。
 新励起システムによる分解手法の検討では,励起手法及び複合させる触媒法の検討に着手する。
媒体循環燃焼法を用いた芳香族化合物や窒素化合物を含む燃料からの有害物質排出抑制に関する研究
[担当部署] 熱エネルギー利用技術部,素材資源部
[研究期間] 平成10年度〜平成13年度
 下水道汚泥やバイオマス系廃棄物,あるいはこれらの液化油を燃料として利用し,これら廃棄物の無公害焼却処理と高効率エネルギー回収を同時に達成することを目的として媒体循環燃焼法に関して以下の研究を行う。
  1. 媒体循環燃焼における窒素化合物・芳香族系化合物の反応特性の解明
  2. 窒素酸化物の生成抑制機構の解明
  3. 媒体循環燃焼における最適操作条件の探索
  4. 最適な媒体粒子の設計・評価
 本年度は回分式固定層反応器や半連続式反応器を用い,窒素化合物や芳香族系化合物を還元剤として媒体金属酸化物を還元し,これらによる反応特性を検討する。
 特に,未燃の芳香族系化合物,すす,一酸化炭素などの生成条件を検討して,システム的な解析の基礎とする。
 またコールドモデルにより粒子循環特性を検討し,最適な連続反応装置の構成を検討し,さらに,媒体粒子の設計・評価に関しては,担体と媒体金属との機械的複合化により,耐摩耗性や反応特性の評価を行い,粒子設計基準について検討する。
ベンゼン排出量低減に関する総合研究
[担当部署] 大気圏環境保全部,エネルギー資源部,環境影響予測部,首席研究官
[研究期間] 平成10年度〜平成14年度
 下記の研究を有機的に連携して行い,総合研究を実施する。
1.固定発生源対策:
 溶媒などベンゼンを使用する工場等から排出されるベンゼンのプラズマや光/光触媒などを用いて分解処理するシステムの開発を行う。
2.移動発生源対策:
 ガソリン自動車排出ガス中のベンゼンを選択的に除去でき,アイドリング時など排出ガス温度が低いときにも作動するコンパクトなベンゼン 除去装置(触媒等)を開発する。
3.低ベンゼンガソリンの製造技術開発:
 ベンゼンを選択的に分離できる膜を合成し,基材中のベンゼンを経済的に分離するプロセスを開発するとともに,これに伴い発生するベンゼンをオクタン価が高いイソ型の脂肪族炭化水素に変換する触媒技術を開発する。
4.低ベンゼンガソリンの排出ガス特性評価:
 低ベンゼンガソリンの組成が排出ガス特性に及ぼす影響を評価し,環境影響を最小にするガソリン組成の選択と開発を行う。
5.大気中ベンゼン濃度予測モデルの開発と対策有効性評価:
 各種発生源での排出係数,排出量データ,大気中濃度とその分布に関するデータを収集し,これらと気象データ等を入力データとし,大気中ベンゼン濃度 を予測できるモデルを開発する。
本年度は,
1.のプラズマ分解法では,ベンゼン分解の初期濃度依存性と異なる条件下で得られる生成物の詳細な分析を行うとともに,光分解法では反応系を構築して光触媒を探索する。
2.では,三元触媒について,2種類の触媒金属の組合せを変えて,除去選択性と暖気性能を測定して,基本的なスクリーニングを行う。
3.では,ガソリン中のベンゼンを選択的に分離できる膜の設計,調製を行うとともに,ベンゼンからオクタン価の高い基材を作る超強酸について安定な固相化の方法を検討し,基本的活性を測定する。
4.では,自動車排ガス中の芳香族炭化水素の分析法を検討し,最近規制適合車を使用して排ガス特性を測定する。
5.では,鹿島における製鉄所から排出されるベンゼン環境濃度を測定するとともに,NOxを対象にした既存の広域拡散モデルをベンゼン対応に書き換える。
製錬廃水中セレンの高度除去処理技術に関する研究
[担当部署] 素材資源部,水圏環境保全部
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
(全体計画)
 濃厚なセレンイオンを含む廃水の処理法として,強力で選択性のある還元剤の探索や有効な酸化−還元反応場の選択等の検討を行い,新規な化学的還元法を開発する。
 また,希薄な廃水の処理法として,電解析出還元反応と光化学的還元法とを併用する光電気化学的還元法を新規に開発するための検討を行う。 その後,これらの2つの方法を効果的に併用することによって,最適利用システムを開発する。
(平成10年度研究計画)
 これまでに本研究において,化学的還元法として開発した,Fe(II)イオンを主たる還元剤とする新規還元技術,さらに,光電気化学的還元法として開発した,酸化チタン触媒や酸化チタン電極を利用する新規還元技術等を総合的に利用し,適切なセレン高度除去プロセスを考案する。
  1.  総合処理装置を製作し,処理プロセスにおける種々の反応因子の影響を総合的にかつ詳細に検討することにより,適切な処理条件・運転条件,還元剤回収法を明らかにする。
  2.  還元によって生成した金属Se回収法を確立する。
  3.  これらの結果をもとに,製錬所におけるセレン廃水処理システムを構築する立場から,総合的な評価を行い,適切な総合セレン高度除去プロセスを考案する。
難分解性有害着色排水からのトリハロメタン前駆物質の高度除去に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部,素材資源部
[研究期間] 平成7年度〜平成11年度
 公共水域に直接排出されることが多い比較的低濃度レベルの難分解性有害着色排水を対象とし,有害性要因物質を究明し,オゾン酸化による高度分解技術,新規高効率吸着剤による高度分離技術によるトリハロメタン前駆物質の高度除去について検討する。
 さらに,生物処理との複合化,新規高効率吸着剤の再生条件の検討を行い,これらの技術のシステム化による複合処理技術を確立する。
 本年度は,難分解性有害着色排水中のトリハロメタン前駆物質として市販水溶性染料,無機塩類,界面活性剤,PVAから構成されるモデル排水を取り上げ,オゾン酸化と生物処理との複合化について検討するとともに,新規高効率吸着剤の再生条件の検討を行う。
 これらの結果から,組合せ方法など複合化のための要素技術を確立する。
新規化学物質を含む無機系産業排水の複合処理システムに関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部
[研究期間] 平成9年度〜平成12年度
 無機系産業廃水中で多様な化学種として存在するSb,Mo及びリン,窒素について,高度処理技術を確立するため以下の研究を行う。
1.凝集−ゼオライト吸着法による処理技術の開発
 凝集−ゼオライト吸着法では,新規ゼオライトによる吸着と凝集を組み合わせた処理法について,凝集・吸着機構の解明と最適吸着条件,溶離条件,共存物質の影響などを検討し,低濃度までの効率的処理技術を開発する
2.クロマトグラフ法(IC法)による原料回収技術の開発
 クロマトグラフ法では,Sb,Moの選択的分離・溶離条件を開発するとともに,大量処理が可能な処理フロー及び選択的処理・回収技術を開発する。
3.最適複合処理システムの開発
 凝集−ゼオライト吸着法とクロマトグラフ法について,実廃水に対応した効率的組み合わせを検討し,Sb,Mo,リン,窒素の最適複合処理システム確立の指針を得る。
 本年度は,凝集−ゼオライト吸着法では,吸着処理実験を実時間で把握できるように高感度検出器との結合を検討し,吸着処理実験装置からの連続的なサンプリングと分析をオンラインで行えるシステムを構築する。
 本システムを用いて実験室規模での各対象元素の吸着処理特性を明らかにする。クロマトグラフ法では,静電的イオンクロマトグラフ法について,Sb,Moの分離溶出挙動を明らかにするとともに,回収処理のための大容量カラムの検討を行う。
海域攪乱が内湾生物環境に与える影響評価技術に関する研究
[担当部署] 環境影響予測部
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
 水深の浅い内湾では,陸域から流入した,あるいは湾内部において生産された有機物の大部分は海底に沈降・堆積し,多様な代謝機能を持つ底生生物群集により活発に分解・無機化されている。 その過程で生成された窒素・燐等の栄養塩の一部は再び水中に回帰し,内部生産に使われる。  海域攪乱は海底境界層の環境構造を大きく変化させ,海底境界層における物質循環過程及び底生生物の活性に対して大きな影響を与え,さらに内部生産にも大きな影響を与えている。  本研究は,海域攪乱による海底境界層の環境構造の変動が,物質循環過程及び底生生物の活性に与える影響を解明することを目的とする。  海底境界層の環境構造と物質循環過程及び底生生物の活性は相互に密接に関連しており,海域攪乱の影響を評価するためには,3者を同時に解析しなければならない。  本研究では,現地調査と共に,現地調査から得られる情報に基づいて海底境界層モデル実験装置を構築し,海域攪乱が海底境界層に与える影響を実験的に解析する。
  1. 海底境界層の環境構造(流向・流速,水温,塩分,懸濁物及びクロロフィル濃度)を,現場の海底に直接 機器を設置して測定を行う方法について検討を行い,海域及び季節による変動についての基礎的な情報を得る。
  2. 海域攪乱が海底境界層における物質代謝過程及び底生生物の活性に与える影響について,実験的に解析を行うために用いる海底境界層モデル実験装置の動作試験と改良を行う。
微生物による有害化学物質汚染環境の高度浄化に関する研究
[担当部署] 首席研究官,水圏環境保全部,
[研究期間] 平成7年度〜平成11年度
 環境条件が分解経路・活性に与える影響を明らかにするため,異なる浄化現場や汚染環境での,種々の有機塩素系化合物の分解経路の速度を測定する。
 また膜分離,固定化担体等の方法によるバイオリアクターを用いて低濃度化合物に対する高い分解活性を持つ微生物の高密度培養系を調製し,そこでの種々の有機塩素化合物に対する分解経路と速度を,先の汚染環境での結果と比較検討し,低濃度における分解微生物と分解・変換反応の特徴を明らかにする。
 さらに遺伝子の種類と量の解析から,分解生物群の活性と分解能力を評価する方法を検討し,浄化現場の制御・モニター法を確立する。
 以上の検討を基礎として,ベンチスケールのモデル浄化系での高度処理の実証を行う。
 今年度は,環境条件が有機塩素化合物を分解する微生物の分解活性に与える影響について検討し,現場での浄化のための最適条件を明らかにする。
 また代謝物の化学種を特定した分解対象化学物質ごとの分解条件設定の目安を提案し,後段の好気処理による分解条件の設定に資する。
 好気処理としては有害高度塩素化フェノールの還元的脱塩素反応後にも残存にする複数のモノ,ジ−クロロフェノール化合物類の同時処理のプロセスについて検討する。
 微生物活性については遺伝子プローブや生理活性測定などのモニター法により行い,モデル浄化系の制御を検討する。
難燃性高分子有機材料の分解処理技術の開発に関する研究
[担当部署] 大気圏環境保全部,エネルギー資源部
[研究期間] 平成7年度〜平成11年度
(全体計画)
 難燃性高分子有機材料の分解処理を目指して,
1.水素化分解触媒の開発

 耐熱性熱可塑性樹脂と溶媒との分子間水素移動促進触媒の設計指針を得る。

2.有害生成物抑制技術の検討

 窒素,りん,ハロゲン等のヘテロ元素を含む高分子材料からの有害化学物質の生成を抑制する反応条件を明 らかにする。

3.生成油の性状評価
 難燃性高分子有機材料の水素化分解で得られる生成油の性状評価を行い,マテリアル/ケミカル・リサイ クルの方途を検索する。
 1.〜3. の研究を総括し,難燃性高分子有機材料の分解処理のプロセス化における要素技術を確立する。
(本年度の研究計画)
 混合廃プラスチック系の水素化分解反応について検討する。単成分系並びに二成分系のプラスチック試料の分解反応特性を詳細に比較検討し,望ましい混合系のスクリーニングを行う。次に触媒存在下における混合廃プラスチックの水素化分解実験を行い,クリーンな生成油が得られる反応条件を明らかにする。
高速嫌気性消化法を利用した食品工場からの廃棄物処理技術に関する研究
[担当部署] 温暖化物質循環制御部
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
 食品工場から排出される廃棄物を流動化し,得られた流動化物の液相のUASB法における最適化を検討する。
 水質管理指標として重要なCOD,BODおよびSS等の項目を測定する。
 様々な消化条件においてBODやCOD等を測定することにより,消化条件の最適化ならびに消化装置の性能評価を行い,翌年度の改良型消化装置設計のための知見を得る。
 また,UASB法において高濃度の液相を処理する際に問題となるSS濃度をモニターし,より高濃度の液相を処理するための条件を検討する。
 さらに,得られたメタンや固体燃料のエネルギーを利用することにより,環境調和型のエネルギー自立型・低コスト処理法を実現する。
産業廃棄物処分における化学物質安全管理技術に関する研究
[担当部署] 安全工学部
[研究期間] 平成9年度〜平成12年度
(全体計画)
1.監視型アクティブバリヤーの検討
 電気化学反応等を利用して環境媒体中の有害化学物質を選択的に捕集・無害化する監視型アクティブバリヤーに関して研究を行う。
2.局部人工熱変成による遮蔽システムの検討反応性化
 学物質を用いて局部的な人工熱変成帯を形成し,周辺 環境との物理的な隔絶を可能にする遮蔽システムに関して研究を行う。
3.高精度モニタリング技術の検討
 弾性波・比抵抗トモグラフィーを組み合わせて化学物質の漏洩位置を正確に標定する高精度モニタリング 技術に関して研究を行う。
4.環境特性アセスメント技術の検討
 地盤環境媒体における化学物質の移流・分散特性及び上記要素技術の効果を検証する環境特性アセスメント技術に関して研究を行う。
(本年度の研究内容)
 監視型アクティブバリヤーに使用する電極形状や電位制御方式に関する基礎的実験,局部熱変成過程における土壌中での熱伝導性や土粒子の結合機構に関する実験的検討,高精度弾性波・比抵抗トモグラフィーの組み合わせによる地盤中の水みちと金属イオンの検知に関する基礎的実験,及び地盤環境における有害化学物質の吸着・脱離過程に関して模擬実験を行う。
工場等における揮発性有機塩素化合物の連続監視技術に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部,安全工学部
[研究期間] 平成7年度〜平成10年度
 揮発性有機塩素化合物の連続監視方法として,化学発光センサ及び 水晶振動子センサを開発する。このため選択的な化学発光系の探索や 試薬の固定化法,水晶振動子の表面改質・誘導体化による機能性薄膜 の作成を行う。
 また,開発した連続監視方法を,半導体工場やクリー ニング事業所等の大気排出口や排水処理装置,監視井戸に設置して,その実用性を検証する。
 本年度は,前年度に試作したセンシングシステムの改良を行い,現場実験を行って実用性を実証する。このため,複数のセンサを用いたマルチセンシングシステムにより,複数の有機塩素化合物を選択的に検出する方法の適用を図る。
 又,改良したセンシングシステムの模擬環境下での連続運転・長期安定性に関するテストを行った後,半導体工場,クリーニング事業所,監視井戸等の現場における実用性テストを行う。
汚染土壌における有害物質の計測・評価手法の高度化に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部
[研究期間] 平成7年度〜平成11年度
(地質調査所)
1.試料の組成解明の研究
 汚染土壌中の有害元素存在形態定量法を 研究し,主・微量成分の化学成分を解明する。
2.試料の安定性評価手法の研究
 試料の吸ガス,酸化変質などの影響評価と変質抑制法を研究する。
3.溶出手法の高度化の研究
 汚染土壌の物理的,化学的前処理法及び固体試料の調製法を研究する。
(資源環境技術総合研究所,中国工業技術研究所)
1.溶出特性解明の研究
 種々の環境条件における有害物質の溶出挙動を解明する。
2.最適溶出手法の研究
 ICP発光分析法,ICP質量分析法,ガスクロマトグラフ質量分析法などによる多成分・高精度分析法を開 発する。
3.溶出手法の高度化の研究
 溶出挙動の解明及び最適分析手法の開 発を基に,汚染土壌中の有害物質の最適,高精度の溶出法を確立・る。
 本年度当所では,各種汚染土壌について種々の溶出条件におけるホ ウ素,有害有機化合物の溶出挙動を各存在形態別に解明する。
 また,主として有害化学物質を対象とした脱塩前処理−液体クロマトグラフ質量分析システム及び有害元素用の濃縮分離−ICP発光分析システム等を構築する。
 ニッケルを含む汚染土壌の物理的・化学的前処理法,試料の調製法,溶出挙動及び最適分析法の検討結果を基にニッケルの最適,高精度溶出手法を明らかにする。
パルプ産業におけるダイオキシン等有機塩素化合物の生成機構の解明ならびに生成防止技術,除去・無害化技術の開発に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部,環境影響予測部
[研究期間] 平成6年度〜平成10年度
 これまで,処理されずに環境に放出されていたパルプ排水中の有機塩素化合物が除去できる,新たな処理法を開発するため以下の研究を行う。
  1. フェノール酸化酵素やリグニン分解酵素で酸化したときの反応生成物の構造を明らかにするとともに,反応性の検討から最適酵素を明らかにする。反応生成物の高分子凝集剤による凝集性,および凝集機構を明らかにし酵素と高分子凝集剤の最適併用法を明らかにする。
  2. 有機塩素化合物の嫌気性微生物群による分解性・分解経路を明含む凝集沈殿物に対し,凝集剤を栄養分として,有機塩素化合物を分解・無害化できる嫌気性微生物処理の最適条件を明らかにする。
  3. 酵素と凝集剤による凝集処理と,嫌気性生物処理によるパルプ排水中の有機塩素化合物に対する最適処理システムを確立する。
(平成10年度の研究計画)
 開発した生分解性高分子凝集剤と酵素反応生成物の凝集性や凝集機構を検討するとともに,さらに強力な凝集剤の開発する。
 凝集沈殿物を嫌気的に無害化分解するための最適な酵素と凝集剤の組み合わせ,及びその分解条を明らかにする。これらの結果を基に,酵素と新規高分子凝集剤によるパルプ排水の最適処理法を確立する。

【重要技術の競争的研究開発】


ライフサイクルアセスメント実施手法の研究
[担当部署] エネルギー資源部
[研究期間] 平成9年度〜平成13年度
1.インベントリデータの構築
  1.  既存のLCA研究事例および統計データ等を整理・分析し,現状でLCAに利用可能なデータを整備する。
  2.  製品の廃棄段階における環境負荷データを整備し,ケーススタディの実施により,リサイクルによる環境負荷低減の定量化を行う。また,リサイクル過程のソフトウェアへの導入を行う。
  3.  我が国に輸入される素材・原材料の,海外生産プロセスにおける環境負荷データを収集し,海外で誘発される環境負荷の影響度の分析を行う。
2.インパクト評価の研究
 環境容量に基づいたインパクトの統合化手法を開発する。
(本年度の計画)
  1. インベントリデータの整備・収集,新規ケーススタディの実施,リサイクル過程のソフトウェアへの導入を行う。
  2. 我が国のインパクトアセスメント統合化手法の開発特に,局所性環境カテゴリのアセスメント手法の検討 を行う。
低温暖化代替物のGWP評価モデルおよび大気中除去過程評価方法の開
[担当部署] 大気圏環境保全部,環境影響予測部,温暖 化物質循環制御部
[研究期間] 平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
 温暖化の低減のために,代替冷媒等として期待される新規な代替化合物開発に必要な基礎的研究として,新候補化合物の合成法の開発,温暖化効果の新規評価法の開発,熱的な特性の解明,安全性の評価法の開発を行い,新世代代替物の開発に知見を得る。
(平成10年度の研究内容)
(実験室研究)
 低温暖化代替物について,相対速度法によるOHとの反応速度定数並びに気固不均一反応の反応確率の測定方法を開発する。また,大気中分解生成物の高感度測定方法を開発する。
(モデル開発研究)
 高速放射計算部,光化学反応部の開発を行い,大気中OH濃度分布と紫外線環境を固定した条件で物質の全球濃度分布と大気中寿命を計算する。その結果を踏まえ,物質のGWP値を試算する。
ガスリフト効果を利用した低純度二酸化炭素の高効率海洋固定技術の研究
[担当部署] 地殻工学部,安全工学部
[研究期間] 平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
 室内実験,気泡溶解促進技術の開発,高精度コンピューターシミュレーション技術の開発,200m立型水槽(既存)を用いた実験機の機能確認ならびにシステム経済性評価を実施し,独自実用化技術を確立する。
(平成10年度の研究内容)
  1. CO2 気泡の溶解メカニズムを実験により解明するとともに,より高速な溶解を実現する乱流制御法を開 発する。
  2. 上記結果をより広範囲な条件に適応させるための数値解法を確立する。
  3. 未溶解ガスの分離メカニズムを実験により解明する。
  4. 気泡核生成メカニズムの検討を行う。
  5. 実規模Turbo-GLADシステムのシステム解析を行い,実機の概念設計を行う。

【産業公害防止対策に必要な経費】


大気汚染シミュレ−ションモデルの開発
[担当部署] 環境影響予測部,大気圏環境保全部
[研究期間] 平成10年度
 本年度は大牟田地区産業公害事前調査の一環としての環境濃度予測シミュレ−ション計算を行う。
 また,関東地域を対象として,粉じん等の組成別環境濃度のシミュレ−ション計算を行い濃度予測・評価手法の開発と高度化を図る。
 また,有害大気汚染物質予測手法の開発のため,昨年度までに各通産局と協力して,首都圏他において行った有害大気汚染物質の調査結果に基づき,発生源周辺・建造物周辺の拡散モデルの構築を進める。
 さらに,広域・非汚染地域での大気汚染物質,有害大気汚染物質の調査を昨年度に引き続き行い,基礎的デ−タを収集する。
水質汚染予測手法開発
[担当部署] 環境影響予測部
[研究期間] 平成10年度
水質汚濁予測手法の開発
1.海底近傍での物質循環モデルの開発
 平成9年度に開発した三河湾を実験対象海域とした一次元モデルを異なった底質に対応できるよう改良する。
2.化学物質の運命予測モデルの開発
 内分泌攪乱物質として指摘されている人工化学物質の沿岸域での挙動を予測するモデルの開発に着手する。
 これまでに開発してきた生態系モデルを人工化学物質に応用する上での問題点を明らかにし,モデルの改良を行う。

【国際特定共同研究】


ケミカルフラクチャリングによる岩盤破砕効率の向上に関する研究
[担当部署] 安全工学部,地殻工学部
[研究期間] 平成9年度〜平成11年度
[相手先研究機関] オーストラリア ニューサウスウェールズ大学
(全体計画)
 化学薬剤(ドデシルアンモニウムブロマイド,ポリエチレンオキサイド等)を添加した条件下で,岩石及び石炭のき裂成長に及ぼす効果を検討し,き裂進展を最も活性化させる条件を大気圧高温環境,高圧環境下で明らかにする。
 また,AE計測,ζ電位計測等によって溶液−鉱物系で発生する現象のメカニズムについても検討を行う。
 化学薬剤添加の条件下で岩石・石炭の切削実験,水圧破砕実験を行い,岩石破砕への効果を定量的に検討する。
 ケミカルフラクチャリングを炭層内ボーリング(in-seam drilling)に適用するための掘削試験を行う。
(平成10年度の研究内容)
1.国内研究
 前年度に引き続き,常温から高温下で化学薬剤を添加した条件で堆積性岩石(砂岩)と結晶質性岩石(花 崗岩)の破壊靭性試験(ダブルトーション試験)を実施し,き裂進展速度とアコースティックエミッションの計測から,岩石のき裂進展に及ぼす薬剤の効果を明らかにするとともに,水圧破砕時に発生する破壊モードへの薬剤の添加効果について実験的・解析的に検討する。
2.在外研究
 化学溶液環境中での岩石・石炭の切削試験を実施し,切削速度,切削抵抗に及ぼす薬剤の効果を明らかにする。また,切削応力条件下での薬剤の作用効果について実験的に検討する。
海洋環境中強毒性汚染物質の超高感度分析システムの開発
[担当部署] 水圏環境保全部
[研究期間] 平成9年度〜平成12年度
[相手先研究機関] キール大学海洋研究所
 キール大学海洋研究所と共同で開発している,現場ろ過/吸着型採水器(極低濃度の分析において大きな障害となる二次汚染が原理的に生じない装置)を日本近海,バルト海周辺に適用し,その結果をフィードバックすることで,よりパフォーマンスの高い装置を開発する。
 同時に外洋海水中の超微量有害有機物質の基礎データを集め,海洋環境中での動態把握を試みる。また,これらの試料中のダイオキシン類の高精度分析を可能にするために,ガスクロマトグラフ低温分取装置と多次元ガスクロマトグラフを用いた特定成分の分取・濃縮法を開発し,環境指標・リスクアセスメント上重要な強毒性成分の高感度測定方法を確立する。
 さらに,ダイオキシン類の海洋動態を理解する上で理想的なモデルフィールドとなる閉鎖系海域である日本海とバルト海を比較することで,それぞれの地域で汚染源・挙動を支配する要因の解明を試みる。
NIRE-GLADシステムによる二酸化炭素の海洋処分技術
[担当部署] 地殻工学部
[研究期間] 平成10年度〜平成12年度
[相手先研究機関] ナンセン環境・リモートセンシングセンター(ベルゲン大学)
 NIRE−GLADシステムを用いて効率よく炭酸ガスを処分するためには,GLAD内部での炭酸ガス気泡の界面挙動を流体力学的に解明し低純度炭酸ガス気泡の溶解を促進させることが重要となる。そこで,GLAD内部の流動機構をモデル装置を用いて解明する。
 特に気泡の界面運動と気泡の溶解特性の詳細な関連性について,高精度画像解析技術と数値シミュレーションを行うことによって解明する。また海洋処分後の炭酸ガスの輸送現象について,海洋大循環モデルと組み合わせてその輸送過程を解明する。この際に,地球の自転の効果や温度・密度成層の効果も含めてモデル化を行う。
 具体的には,高精度数値計算(3次元直接数値計算)を用いて数理モデルの構築を行い,相手先研究機関が所有する洋上観測データやリモートセンシングデータとのすりあわせを行ってモデリングを行う。
 さらには炭酸ガスが深海生物環境に及ぼす効果についても検討し,生物環境への影響を最小限にとどめつつ効率よく炭酸ガスを処分するためのトータルな技術,また海洋処分後の炭酸ガスの再気泡化を防止し,長期的な炭酸ガスの処分技術に対する提案を行う。
ライフサイクル環境影響評価統合化手法に関する共同研究
[担当部署] エネルギー資源部
[研究期間] 平成10年度〜平成12年度
[相手先研究機関] スイス連邦材質試験研究所(スイス),ライデン大学(オランダ)ストゥトガルト大学(ドイツ)
(全体概要)
 欧州の研究機関は,LCAに関する研究では先行しており,古くより世界各地のプロセスデータの収集,データベースの構築そして環境影響評価手法の確立に取り組んでいる。それに対してわが国は,LCAのケーススタディに必要なパブリックデータベースの構築は行われておらず,環境影響評価手法に関する研究もほとんど行われていない状況にある。
 本研究では相手側が蓄積したノウハウと,日本側が集積した日本国内のデータを用い,わが国におけるパブリックデータベースの構築を行うと共に,環境影響評価統合化手法の確立を行う。
(平成10年度の計画)
 資源環境技術総合研究所は,日本国内におけるパブリックデータの構築および環境影響評価手法の検討に利用できるデータ,情報を集積し,相手側と実用的な手法論の開発を行う。
 スイス連邦材質試験研究所は,日本におけるパブリックデータベースの構築手法を検討する。
 ライデン大学は,環境影響評価統合化手法の検討を行う。
 ストゥトガルト大学は,海外生産過程に関するデータの収集,わが国のデータベースへの海外生産過程の取り組み手法を検討する。

【国際産業技術研究事業】


集じん技術の評価と迅速測定法に関する研究
[担当部署] 大気圏環境保全部
[研究期間] 平成8年度〜平成11年度
[相手研究機関] 中国 煤炭科学研究総院 杭州環境保護研究所
(全体計画)
 石炭燃焼に伴って生成するばいじん対策として重要な集じん装置の性能及び煙突からのばいじんの排出実態を迅速に評価するため,ろ過秤量法に基づく煩雑な現公定法(JIS Z 8808)の簡易化を図る。
 また,β線吸収法による比較的短時間の試料採取でばいじんの質量濃度を測定できる手法,排ガス希釈法と光検出法などを組合せることにより直ちに相対濃度が測定できる手法について検討する。
 これらの装置の開発に際しては,中国に適した固定発生源での環境対策に資する計測技術を,一方我が国においては今後普及が見込まれる高温集じん技術に適した評価法を考慮して検討する。
(平成10年度の研究内容)
1.国内研究
  1. 光検出式迅速測定装置による現場実験
  2. β線吸収式迅速測定器の設計・試作及び基礎的特性試験
  3. 集じん技術に関する最新情報の収集
2.在外研究
  1. 中国に適した集じん技術の評価手法の検討
  2. 光検出式迅速測定装置による実用化現場実験
  3. 設計したβ線吸収式迅速測定装置の検討
パルプ排水中の有害有機塩素化合物の除去に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部,環境影響予測部
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
[相手研究機関] コンセプション大学(チリ),華東理工大学(中国),ペンシルバニア州立大学(アメリカ)
1.国内研究
 各国のパルプ排水を分析し,含有する有機塩素化合物の濃度や組成を明らかにする。次に,種々のフェノ ール酸化酵素やリグニン分解酵素による有機塩素化合 物の反応性及び反応生成物の構造と反応機構を明らかにする。次に,種々の凝集剤で酵素反応生成物を処理し最適凝集剤を明らかにする。
2.在外研究
 各国のパルプ排水処理の現状を調査するとともに,排水を採取し,簡単な分析を行い,日本での分析の前処理を行う。また,実排水の酵素と凝集剤による処理性を明らかにする。日米科学技術協定に基づく共同研究で,酵素による有害化学物質の処理の研究を行っているペンシルバニア州立大学と共同で処理性の評価を行う。
(平成10年度の研究計画)
(1) 日本側
 パルプ排水の分析を行うとともに,フェノール酸化酵素と有機塩素化合物の反応生成物の解析から酵素反応機構を明らかにする。また,反応生成物の凝集処理を行う。
(2) 相手国
  チリ及び中国のパルプ排水による汚染の現状を調査するとともに,排水の成分分析及び凝集処理を行う。ペンシルバニア州立大学とは酵素処理について情報交換する。
東アジアにおける酸性雨に関する研究
[担当部署] 環境影響予測部
[研究期間] 平成8年度〜平成12年度
[相手研究機関] 中国環境技術研究院大気環境研究所,中国科学院大気物理研究所,韓国科学技術研究院
(1) 日本
(2) 相手国
(中国環境科学院大気環境研究所)
(中国科学院大気物理研究所)
(韓国科学技術研究院)
本年度の研究計画
  東欧における資源リサイクル技術に関する研究
[担当部署] 素材資源部
[研究期間] 平成9年度〜平成11年度
[相手研究機関] ポーランド科学アカデミー環境技術研究所,チェコ科学アカデミー化学プロセス基礎研究所,ハンガリーパンノン農業科学大学化学・プロセス工学研究所
(全体計画)
 研究の対象は固体の産業廃棄物で,対象物の物性評価,有価物の回収に必要な前処理技術,物理的および化学的分離技術の検討を行い,各種の組み合わせにより対象に応じた最適プロセスの設計を行う。
(平成10年度研究計画)
1.国内研究
 引き続きそれぞれの国情に基づく廃棄物の性状に応じた分離技術のスに加えて,水熱処理プロセスの適用も検討する。また,固体分離プロセスに係わる粒子の3次元計測法について研究する。
2.在外研究
 ポーランドの廃棄物については,フライアッシュからの建設材料の開発の可能性を検討する。チェコの廃 棄物については電子機器廃棄物のリサイクルについて調査する。ハンガリーでは精錬所の廃さいについて調査を行う。また,同時にその物性評価手法の確立と粉体・単体分離などの前処理技術の方法を探る。
南米に賦存する重質炭化水素資源の分解技術に関する研究
[担当部署] エネルギー資源部
[研究期間] 平成9年度〜平成11年度
[相手研究機関] ブラジルペトロブラス研究開発センター
(全体計画)
1.国内研究
 ブラジル産マリム減圧残渣の水素化分解におけるコ−クやドライスラッジの生成と残渣油の化学構造特性の関係を調べ,コ−クやスラッジの生成を抑えた水素化分解技術の確立に必要な基礎的データを提供する。
2.在外研究
 国内研究での成果をもとにペトロブラスのベンチプラントを使用し,マリム減圧残渣の連続水素化分解実 験を実施し,工業的データを得る。
(平成10年度研究計画)
1.国内研究
 オ−トクレ−ブによるマリム減圧残渣の水素化分解実験を行い残渣油の組成・構造特性と反応特性の関係を把握する。
2.在外研究
 ベンチプラントによるマリム減圧残渣の水素化分解において,運転条件と分解生成油の性状の関係を明ら かにする。





はじめに
特別研究
指定研究
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