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平成11年度研究計画

平成11年度

3.環境影響評価/計測技術


3.1 CO2・温室効果気体


二酸化炭素高度分布測定とデータ解析による吸収源強度の推定
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度〜平成12年度
(研究計画の内容)
 岐阜県高山市にある既存の鉄塔を用いて,渦相関法により二酸化炭素収支,エネルギー収支,気象条件の通年観測を行う。また,観測地点周辺の気流や濃度変動を解析することにより,測定している二酸化炭素やエネルギー収支のデータに対する複雑地形の影響を抽出し,問題点を明らかにする。
森林生態系炭素循環の観測とそのモデル化
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度〜平成12年度
 北海道カラマツ林において微気象的観測手法による大気/森林生態系間の炭素交換量(フラックス)の観測と樹木の光合成・呼吸,土壌呼吸などの調査を北海道大学,岐阜大学と共同で総合的に行い,交換量と環境要因との関連を解析する。また,諸フラックス測定手法との比較実験や強化観測期間に行われる係留気球・模型飛行機等による広域観測の結果と比較し,フラックス測定結果の検証と一般化を図る。
 これらの現地調査結果に基づき,森林生態系炭素動態モデルを構築し,カラマツ森林生態系による吸収量の推定する。さらに,他の研究課題との共同で,炭素動態のモデルと人工衛星等によるリモ−トセンシングデ−タを結合してスケールアップし,東アジア地域における広域の炭素吸収量を評価する。
熱帯林による二酸化炭素吸収量の現地測定とその広域評価
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(研究計画の内容)
  1.  インドネシア共和国ボルネオ島東カリマンタン州サマリンダ市にあるムルワンマン大学熱帯林研究所と協力して,プセルフート試験林において二酸化炭素のフラックスを測定する。
  2.  インドネシア共和国気象地球科学庁と協力してスマトラ島ブキット・コタ・タバンにあるGAW測定局で二酸化炭素濃度の長期測定を開始する。
  3.  インドネシア諸島付近における二酸化炭素濃度の季節的変動を植生活動を考慮した移流拡散モデルを開始する。
NOy化学種の除去過程に関する研究
[担当部署]温暖化物質循環制御部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
 実験室研究により,NOy化学種の除去過程について,気相分解及び大気中粒子状物質や土壌界面での物質移動過程を明らかにする。
(平成11年度の研究内容)
 大型反応チャンバーによりNOyの気相熱分解性を調べるとともに,気相熱分解をコントロールしながらバルク状の固体試料との反応を調べる。また,不均一過程の数値解析手法の開発を委託する。さらに,不均一過程の反応確率などを測定するために,カラム法による反応装置を試作する。
全炭酸・アルカリ度の測定間誤差要因の解明
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度〜平成12年度
(全体計画)
 測定時の標準試料として利用し得る海水試料を表面水と深層水を基に調製する。これを国内外の研究機関に配布して測定し,機関間のデータの差を検討後,データの質を保証する方法を検討する。
(平成11年度の研究内容)
 昨年の航海で採取した深層水を基に相互検定用の海水試料を作成し,国内5機関,国外4機関に配布して第1回目の相互検定を実施する。
海洋性気団領域における地上観測
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
 小笠原父島に観測拠点を設け,オゾン濃度計,UV-B測定器,サンフォトメータ,aethalometer,およびParticle counterを用いて,地上オゾン濃度とオゾンの鉛直気柱量,さらにエアロゾルの光学的厚さと粒径分布,化学組成,混合状態との間の関係を調べる。これらの測器は,長期間の無人運転(3−4カ月程度)にも支障がないようにあらかじめ整備されたものを使用する。
 太平洋中心部のバックグラウンド濃度が得られる夏季とアジア大陸からの気団に支配される冬季では,観測されるデータに季節変化が現れる。そこで,地上のオゾン濃度,およびエアロゾル粒子中の硫酸塩と元素状炭素濃度のデータ,B領域紫外線強度,そしてエアロゾルの光学的厚さとを人為的汚染による変化のパラメータとして利用し,それぞれを相互に関係づける。
(全体計画)
 小笠原における観測により,オゾン,NOyなどについて大陸起源汚染物質の影響を明らかにする。観測結果をもとに,国立環境研究所などと連携して,東アジア・北大西洋地域の対流圏大気環境の現状を把握する。
(平成11年度の研究内容)
 小笠原父島での通年観測のための体制を確立する。森林生態系を含む局地気候モデルによる局地気候変動の評価に関する研究
全球海洋炭素フラックスのモデル化に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
(全体計画)
 全球海洋大循環モデルを開発し,それと生態系モデルを組み合わせて駆動することで全球海洋炭素循環の再現を行い,海洋の炭素フラックスを見積もる。
(平成11年度の研究内容)
 大循環モデル自体は動作確認できたので,気候値によって駆動される定常状態の再現及び混合層モデルの取り込みによる季節変動の計算を行う。
森林生態系を含む局地気候モデルによる局地気候変動の評価に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
(研究計画の内容)
 資環研メンスケールモデルに水文過程,森林生態系モデル,都市モデルを組み込む。森林生態系モデルについては,その蒸散作用や光合成速度について気象条件や二酸化炭素濃度に対する応答を実測に基づきパラメタライズする。グローバル気候モデルの結果を分析し,局地気候モデルに組み込む外的条件についてのシナリオを設定する。本年度は昨年度までに作成したモデルを用いて長時間積分を行い,森林生態系の気候変動応答を調べる。また,モデルパラメータの精度を上げるために引き続き高山における測定を継続する。
低温暖化代替物のGWP評価モデル及び大気中除去過程評価方法開発
[担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部,環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
 温暖化の低減のために,代替冷媒等として期待される新規な代替化合物開発に必要な基礎的研究として,新候補化合物の合成法の開発,温暖化効果の新規評価法の開発,熱的な特性の解明,安全性の評価法の開発を行い,新世代代替物の開発に必要な知見を得る。
(平成11年度の研究内容)
(実験室研究)低温暖化代替物について,相対速度法によりOHとの反応速度定数の温度依存性を求める。気固不均一反応の反応確率の測定方法を開発する。また,土壌など固体粒子に吸着した低温暖化代替物の光分解性を定量化する方法を開発する。
(モデル開発研究)
 2次元数値計算モデルにおける紫外線多重散乱計算部の高精度化を行い,評価対象物質の成層圏における寿命計算を行う。その結果をもとに大気中寿命全体に占める成層圏での分解量の寄与率を見積もり,最終的なGWP値に与える影響について評価する。
化学トレーサーを用いた北太平洋亜寒帯循環の実態解明に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
(全体計画)
 化学トレーサーの分析機器を開発し,北太平洋亜寒帯域において新たに化学トレーサー観測を行い,その空間分布を把握するとともに,これまでに実施された観測線において再度化学トレーサー観測をする。
(平成11年度の研究内容)
 日本から北米大陸にかけての47N線上においてこれまで開発した機器等を用いて詳細な化学トレーサー等の観測を行い,北太平洋亜寒帯循環の時間変動の把握を試みる。
海洋表層二酸化炭素分圧と海洋パラメーターの定量化に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
(全体計画)
 本研究の目的である「北太平洋のCO2吸収モデルを確立し,最終的には全海洋CO2吸収モデルの開発を目指す」ために,現在の海洋表面水中の二酸化炭素分圧の分布を支配している物理・化学・生物過程を詳細に検討し,それらの過程を表すパラメーターと海水中二酸化炭素の関係を定量的に表現する関係式を見出す。
(平成11年度の研究内容)
 西部北太平洋で得られたデータを集積し,これまでに開発した二酸化炭素分圧を推定する方法の改良を行う。
二酸化炭素等の収支機構に関する観測研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成2年度〜平成12年度
(全体計画)
 東南アジア地域の代表的な熱帯季節林における二酸化炭素の収支機構を観測塔に設置したフラックス測定装置と小型航空機に搭載した濃度測定装置による時間的空間的変動から調べる。
(平成11年度の研究内容)
 最終年度であるので,従来の観測結果の整理解析と検証を行う。

3.2 オゾン層


成層圏の冷却化に伴う極成層圏雲の組成及び反応の変化に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
 極域での冷却化がPSCsの相及び組成にどのように影響するかを,模擬PSCsによる分光特性の測定により明らかにし,相・組成の変化の結果としての化学的なオゾン破壊効率の変化を把握するために,PSCs様表面での不均一反応の評価を行う。前者の研究を提案者において,後者の研究を委託先において実施する。
 模擬PSCsによる分光特性の測定においては,透過及び反射赤外スペクトル測定,衛星データと実験室データの相互比較及び,模擬PSCs生成条件に対するPSCsの相・組成変化の分光法による追跡を実施する。
 PSCs様表面での不均一反応の測定においては,表面のキャラクタリゼーション,氷等の上での不均一反応とその温度依存性及び,不均一反応による活性種濃度変化に係わる反応係数測定を実施する。
 以上の研究で得られた結果を元に,北極成層圏での冷却が進行した場合の不均一反応場及びエアロゾル観測データの評価を行う。
高級アルコキシラジカルとナイトレート生成に関する研究
[担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
 実験室研究により,NOy化学種の生成過程について,高級アルコキシラジカルの検出及びNOとの反応過程を明らかにする。これらの結果をもとに,国立環境研究所などと連携して,東アジア・北大西洋地域の対流圏大気環境の現状を把握する。
(平成11年度の研究内容)
 アルコキシラジカルのうち,C3H7OとC4H9Oの検出法を確立する。
光化学反応の実験室的研究
[担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成10年度〜平成11年度
(全体計画)
 第T期で整備した低温大型反応チャンバーを用いて,成層圏の温度及び圧力の反応条件における化学反応について,速度・生成物を明らかにする。また,第T期で得られたエーロゾルの生成条件などをもとにして,氷粒子などの関与する不均一化学反応の反応確率を求める。
(平成11年度の研究内容)
 低温大型チャンバーを用いて,成層圏の温度及び圧力の反応条件における化学反応について,速度・生成物を明らかにする。反応確率の測定については,パルス法による実験を行う。エーロゾルの生成・消失の実験では,超音波浮遊状態での実験方法を確立し,DSCの測定結果と比較する。これらの実験方法を用いて報告されている化学反応の速度などを検証し,観測・モデルのグループと協力して測定データを盛り込んだ成層圏化学反応スキームをまとめる。

3.3 その他大気環境


大気汚染シミュレ−ションモデルの開発
[担当部署]環境影響予測部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成11年度
 本年度は関東地域を対象として行ってきた粉じん等の組成別環境濃度予測・評価手法の総括を行い,その手法の汎用化を図る。
 また,有害大気汚染物質予測手法の開発のため,昨年度までに各通産局と協力して,首都圏他において行った有害大気汚染物質の調査結果に基づき,発生源周辺・建造物周辺の拡散モデルの構築を進める。
 さらに,広域・非汚染地域での大気汚染物質,有害大気汚染物質の調査を昨年度に引き続き行い,基礎的デ−タを収集する。
東アジアにおける酸性雨に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
(1) 日本
・降雨強度解析について,人工衛星搭載マイクロ波センサと可視・赤外サンサデータを複合させ,時間分解能の高い降雨分布データの作成を行う。
・衛星データの地表面状態(植生)解析から乾性沈着速度を評価する
・上記の結果を導入した酸性物質の長距離輸送の計算を行う。
(2) 相手国

(中国環境科学院大気環境研究所)
(中国科学院大気物理研究所)
(韓国科学技術研究院)
本年度の研究計画
エアロゾルの生成と変質メカニズムに関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成2年度〜平成11年度
(全体計画)
 大気環境中に存在するエアロゾル中の主要成分の一つである硝酸塩の生成機構を明らかにすることを目的とし,前駆物質となる硝酸の大気中における生成反応,アンモニアなどの塩基性物質との反応によるエアロゾルの粒子化機構などについて実験研究を行う。窒素酸化物から光化学反応を経た硝酸の生成反応,アンモニアなどの塩基性物質との反応によるエアロゾル粒子生成・成長過程,及び既存エアロゾルへの付着や反応による変質過程などを,環境中の反応条件を考慮して詳細に検討する。
 さらに,二酸化硫黄からの硫酸エアロゾル生成についても,同様の研究を行う。
(平成11年度の研究内容)
 様々な実験条件で二酸化硫黄の気相酸化及び粒子化に関する実験を行い,二酸化硫黄及びOHラジカル濃度と粒子生成速度の関係を明らかにするとともに,大気環境への適用について検討する。

3.4 その他海洋環境


産業起源内分泌攪乱物質の環境複合毒性検出システムの開発と動態予測モデルの作成に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部,環境影響予測部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成11年度〜平成15年度
 本研究では,「化学物質の環境複合毒性」に関する国内研究の立ち後れを解決するために,大きく分けて二つの研究を行う。その一つは,「環境複合毒性検出システムの開発」である。これは複雑な混合物であるEDsについて高精度分離測定,精製・純化,毒性評価を行うために,最先端の分析装置を利用した総合的な手法開発を目的とする「環境中EDsの精製・純化法の開発」と,精製したEDsの毒作用評価を目的とした「生化学的EDs毒性検出試験法の開発」を有機的に融合させることで実現する予定である。
 もう一つは「EDs動態予測モデル」の開発であり,東京湾周辺地域をモデルフィールドとして様々な環境試料中のダイオキシン類,コプラナPCB等,既知EDsを分析し,未知EDsに対する寄与率を推定,このデータを炭素・窒素・放射性核種等を使用した生物地球化学モデルにフィードバックする事で,EDsが陸域から外洋へ拡散する過程の環境動態モデルを作成し,最終的にはEDsの危険性評価も考慮した,都市沿岸域における定量的な「EDs動態予測モデル」の開発を行う。
 平成11年度は,第三世代二次元ガスクロマトグラフを用いた数種の内分泌攪乱物質の高精度精製・測定,東京湾周辺地域の環境試料分析,それによる沿岸生態系モデルの改良,大気汚染の給源推定,精製した環境試料抽出物質の生化学的毒性評価法の開発の五つの研究について基礎的検討を行う。
水質汚染予測手法開発
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成11年度
水質汚濁予測手法の開発
  1. 海底近傍での物質循環モデルの開発
     平成10年度に異なった底質対応できるよう改良した一次元モデルを東京湾を対象海域として実験を行う。
  2. 化学物質の運命予測モデルの開発
     内分泌攪乱物質として指摘されている人工化学物質の沿岸域での挙動を予測するモデルの開発を行う。今年度は,人工化学物質の吸着態である有機懸濁態の東京湾における空間分布が高精度で予測できるよう,これまでの生態系モデルの改良を行う。
沿岸生態系における外部負荷及び内部生産有機物の循環過程に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
 本研究の目的である「沿岸生態系における有機物循環過程の解明」のために,
  1. 海水中の粒子状及び溶存有機物の分離濃縮手法の開発
  2. 有機物のキャラクタリゼーション
  3. 堆積物中での有機物初期続成過程の解明を行う
 これらの3項目を中心に沿岸海洋環境の汚染状況の解明と修復技術の構築を目指すとともに,沿岸域の潜在的可能性について検討する。
(平成11年度の研究内容)
 海水中から分離濃縮された粒子状及び溶存態の有機物について各種生化学的手法及び分析化学的手法によるキャラクタリゼーションを行ない,構成有機化合物の同定と定量を行なう。
東アジア海域における有害化学物質の起源と蓄積に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成10年度〜平成11年度
 東アジア海域の底質試料やマッセル試料中の有機スズ化合物,有機ハロゲン化合物を分析する。これらのデータに基づいて,各海域に放出された有害化学物質の行方と起源を有害化学物質の種類と濃度,異性体パターンなどから推定する。また,現場ろ過により溶存態と懸濁態を分別して定量することにより,有害化学物質の海水から底質への除去過程と蓄積過程を明らかにする。
 平成11年度は,日本海域の有機スズ化合物を分析する。また,日本海で採取したマッセル,イカ試料中の有機スズ化合物及び有機ハロゲン化合物を分析することにより日本海での汚染実態を把握する。これまでの東アジア海域各地の測定結果を基に各海域に放出された有機スズ化合物や有機ハロゲン化合物の挙動と起源を各化合物の濃度,存在比などから推定する。
海域攪乱が内湾生物環境に与える影響評価技術に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
 水深の浅い内湾では,陸域から流入した,あるいは湾内部において生産された有機物の大部分は海底に沈降・堆積し,多様な代謝機能を持つ底生生物群集により活発に分解・無機化されている。その過程で生成された窒素・燐等の栄養塩の一部は再び水中に回帰し,内部生産に使われる。海域攪乱は海底境界層の環境構造を大きく変化させ,海底境界層における物質循環過程及び底生生物の活性に対して大きな影響を与え,さらに内部生産にも大きな影響を与えている。本研究は,海域攪乱による海底境界層の環境構造の変動が,物質循環過程及び底生生物の活性に与える影響を解明することを目的とする。本研究では,現地調査から得られる情報に基づいて海底境界層モデル実験装置を構築し,海域攪乱が海底境界層に与える影響を実験的に解析する。
  1. 海底境界層の環境構造の変動過程を把握し,海域攪乱が環境構造に与える影響を明らかにする。
  2. 海底境界層モデル実験装置を用いて,海域攪乱が海底境界層の環境構造,物質代謝過程及び底生生物の活性に与える影響について実験的解析を行う。
  3. 海底境界層における物質代謝過程及び底生生物の活性の,海域及び季節による変動を明らかにする。

3.5 リスク評価


不確実性の高い環境問題におけるリスク管理に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
 不確実性の高い環境問題として,内分泌攪乱化学物質による環境・健康影響を取り上げ,リスク評価及びリスク管理の基本的フレームワークに関して,以下の基礎的な研究を行う。
  1. 不確実性の高い環境問題のリスク評価
     内分泌攪乱化学物質の環境・健康影響に関して,リスク管理に役に立つための影響評価点(エンドポイント)を明確にしたうえで,対策の優先順位付けに役立つ枠組みをつくる。
  2. リスク認識とその変遷に関する時系列的解析
     無作為に抽出された500人程度にアンケートを毎年行うことにより,人々のリスク認識のパターンおよび,時系列的変化を分析する。
  3. リスク低減対策の社会経済的評価
     科学的なリスク評価の結果と,人々のリスク認識を組み合わせる形で,内分泌攪乱化学物質のリスクを表現し,対策費用と,削減リスクの量を比較することにより,リスク管理の基礎とする。
 本年度は,1. について,科学的知見に関する文献レビューを行い,リスク評価における到達点を明確にする。また,2. について,一年目として,専門知識のない一般人へ,内分泌攪乱化学物質など,不確実性と次世代影響に焦点をあてたアンケート調査を行い,専門家と一般人のリスク認識のギャップを明らかにする。
大気中分解性評価手法開発
[担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
 分解性の評価手法としては,相対速度法による光分解性やOHラジカル等との反応速度定数の測定手法を化学物質及びその分解生成物に適用する。一方,中間体の解析法としては,低温マトリックスアイソレーション法を検討し,大気環境中で生成する有機中間体に対するいくつかの検出器の応答性の確認と得られたデータの反応機構解明への適用を図る。
(平成11年度の研究内容)
 分解速度の評価手法の研究では,反応の速度定数の大きさと機構について代表となる化合物を選んで相対法によるOHラジカルとの反応速度定数の測定を行い,それぞれの場合の問題点を整理する。また,中間体の解析法の研究では,マトリックスアイソレーション法によるラジカル検出の高精度化の検討及び光分解で生成する生成物及び中間体の構造を決定するための理論計算による解析を行う。
水・土壌中分解性評価手法開発
[担当部署]首席研究官,水圏環境保全部,安全工学部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
 化学物質分解系における微生物群集の構造を調べ,各種化学物質が微生物群集全体及び化学物質分解などの特定の機能を持った集団それぞれの動態に及ぼす影響を解析し,安定に分解される化学物質の特徴を抽出し,評価法の確立に資する。
 本年度は,活性汚泥などを種々の異なる条件下で化学物質に馴化し,それぞれの馴化された群集を構成する微生物群集を対象としその全細菌群集構造および特定の細菌集団の成り立ちを,細菌学および分子生態学の手法で推定する。その比較から,馴養に使用した化学物質の影響を検討する。
詳細環境運命予測手法開発
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
 化学物質の環境影響評価モデルには,極めて概念的で簡易なものから詳細で具体的な濃度分布を算定するものまで,多様なレベルが想定され,また,既に各種のモデルが便宜的に作成され,目的に応じて使用されているため,まず既存モデルを分析し,その問題点について検討したうえで開発する評価モデルのフレームの構築を行う。
 大気中における輸送拡散,地面・水面への沈着,海中における輸送拡散や挙動解明のために,特に以下の課題について野外観測を含めてデータの蓄積を進め,要素モデル(地域大気環境モデル,海域環境モデル)への整備活用を図る。
  1. 複雑地形上の気流および上層自由大気との物質交換の把握
  2. 沿岸海域における懸濁物質の組成と輸送拡散及び挙動の把握
 これらの進捗に応じて評価モデルの総合化を行い,他の研究項目の成果として提出される化学物質の諸挙動特性を組み込み,詳細環境運命予測手法として完成させる。
 平成11年度は前年度に引き続き野外観測データの蓄積を進めるとともに,集積したデータを解析して要素モデルにおける短期的な気象・拡散場および沿岸海域における輸送拡散の取り扱いの確立を図る。
曝露予測手法開発
[担当部署]安全工学部,首席研究官
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
 化学物質の人への曝露量,曝露経路及び影響度を推定するための曝露予測手法の開発に資するため,化学物質の排出構造出構造分析手法に必要な基本モデルの構築,実環境における個人別曝露量の観測及びその分析・評価を行い,確度の高い計測・評価データに基づいた先進的な曝露評価モデルに関する研究を行う。
 本年度は,有害化学物質の固定発生源及び移動発生源における排出源構造の分析及びインベントリーの作成,環境汚染物質や有機化合物を対象とした個人別曝露量の観測方法及びその分析・評価手法について検討する。

3.6 計測技術


内分泌攪乱物質の高感度分析法の開発と環境中濃度の把握
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
 本研究では,高性能ガスクロマトグラフと質量分析計他の多様な検出方法を組み合わせて,PCB,ノニルフェノール等に最適な分析条件を検討し,環境試料を用いて検証,その結果をフィードバックすることで,より高性能な手法を開発する。
 また,数種の内分泌攪乱物質を用いて,第三世代2DGCシステムと四重極質量分析計,電子捕獲型検出器,炎イオン化検出器,TOF-MS(飛行時間型質量分析計)など,様々な検出器との整合性を検討する。
 同時に,10年度に開発した調査分析手法を極低濃度の外洋深海海水やその他環境試料に適用,検証を行う。また,その結果をフィードバック,環境試料中のきょう雑物質を完全に除去する条件を検討し,より高性能な手法を開発する
微量有機金属化合物の解明
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
 本研究ではまず,深層水中の金属を化学形態別に分析する方法を開発し,次に,化学形態の時間変動を調べることにより,変動要因との相関を明らかにする。
 平成11年度は,前年度開発した方法を用いて,深層水中の有機金属(スズ,ヒ素)化合物の化学形態と濃度の季節的な変動を調査する。また,深層水で培養された生物組織中の有機スズ化合物を測定し,安全性を評価する。このため,以下の研究を行う。
  1.  年間を通して隔週毎に深層水及び表層水中の有機金属化合物の測定を行い,データを蓄積する。
  2.  試料の採水に伴う汚染量を把握し,汚染量を最小化するため,採水手順に関する現地実験を行い,最適採水マニュアルを確立する。
  3.  生物組織中の有機スズを分析するための前処理法を開発する。また大容量試料注入法を用いることにより,極微量の有機スズ化合物を高感度に分析する方法を開発する。開発した方法の信頼性を標準試料を用いて評価する。更に,実際に深層水で培養された生物中の有機スズ化合物を分析する。
海洋環境中強毒性汚染物質の超高感度分析システムの開発
[担当部署]水圏環境保全部
[相手先研究機関]キール大学海洋研究所
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 キール大学海洋研究所と共同で開発している,現場ろ過/吸着型採水器(極低濃度の分析において大きな障害となる二次汚染が原理的に生じない装置)を日本近海,バルト海周辺に適用し,その結果をフィードバックすることで,よりパフォーマンスの高い装置を開発する。同時に外洋海水中の超微量有害有機物質の基礎データを集め,海洋環境中での動態把握を試みる。
 また,これらの試料中のダイオキシン類の高精度分析を可能にするために,ガスクロマトグラフ低温分取装置と多次元ガスクロマトグラフを用いた特定成分の分取・濃縮法を開発し,環境指標・リスクアセスメント上重要な強毒性成分の高感度測定方法を確立する。
 平成11年度は,海洋科学技術センター所属「みらい」,東京大学海洋研究所所属「白鳳丸」を用いて,太平洋外洋域における国際合同調査を行い,現在までに開発した超高感度分析システムの検証を行う予定である。
遺伝子情報を利用した迅速検出法の研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
(研究計画の内容)
 「カビ臭等を産生する藻類の迅速検出方法の開発」
  1. 津久井湖,相模湖等から試料を採取し,迅速顕微鏡検出法およびフローラ解析法により産生藻類のモニターを行う。
  2. これらの有効性を検討し,その利点と欠点を整理する。
  3. 現場で簡便に利用可能なカビ臭等を産生する藻類の迅速検出法を提案する。
マルチ計測技術開発
[担当部署]気圏環境保全部,水圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
 環境内の微量化学物質とその分解生成物の分布と挙動の幅広く且つ詳細なサーベイ技術の確立に資するため,ハイブリット分析システムを用いて環境内微量化学物質の多成分同時・連続計測技術,簡易計測技術,及び分解中間体の化学形態別・異性体別計測技術の開発を行う。
 本年度は,大気に関してはベンゼン等の有害性大気汚染物質について,環境中での化学的変化を含む変化過程を多面的に解析するため,前年度まで行ってきた多成分同時分析に加えて定点において高時間分解能の測定に関する実測的検討を行う。水質に関しては,有機スズ化合物や有機ハロゲン化合物などの環境ホルモン様物質の多元素同時化学形態別分析法を確立するため,これらの物質を環境中から迅速に抽出する方法を開発する。併せて前年度に開発した分析システム(GC-ICP-MS)とオンラインで結合することにより,多元素の化学形態別分析法を開発する

3.7 LCA/エネルギーモデル


国・地域別エネルギー需要モデルの構築と評価に関する研究(電特)
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
  1.  我が国の長期エネルギー需要見通しを推定するモデルの開発を行う。
  2.  アジア開発途上国やロシアなど,共同実施対象国の長期エネルギー需要見通しを推定する,モデルの開発を行う。
  3.  電子技術総合研究所が開発したGOALモデルを用い,我が国のエネルギー需給システムを推定するとともに,共同実施等のためのシナリオ作成を行う。
(平成11年度の研究内容)
  1.  我が国の長期エネルギー需要見通しを推定するモデルの基本設計を開始し,入力データを決定する。
  2.  共同実施対象国のエネルギーと経済のトレンド゙分析を行い長期エネルギー需要モデルの基本構造を検討する。
  3.  新エネルギーおよびエネルギー技術に関するデータの収集を行う。
  4.  GOALモデルとリンケージ゙するためのインターフェースを検討する。
LCA手法による固体高分子型燃料電池発電技術の評価(電特)
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
(全体計画)
  1. 統計データ等からのCO2排出量データベースの作成手法の開発
     通産統計など公的機関の公表統計からライフサイクルアセスメント用のデータを作成する。産業連関表分析による産業別CO2排出量データと比較する。
     さらに,プロセス分析によりライフサイクルアセスメント用データを構築する。
  2. エネルギー技術評価のためのライフサイクルアセスメント簡略化手法の開発各種エネルギー技術のCO2排出量のライフサイクルアセスメントケースタディを実施し,エネルギー技術のCO2排出量評価が可能な簡略化を抽出する。また,必要とされるデータの精度を分析する。
  3. エネルギー技術のCO2排出量算定の標準的評価モデルを開発し,燃料電池発電技術の評価を実施する。
(平成11年度の研究内容)
  1. CO2に特化したソフトウエアの開発
  2. ニューサンシャイン計画での開発技術のLCAの実施の支援
  3. 既存のケーススタディにおける基礎データとの比較
ライフサイクルアセスメントの実施手法の研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
  1. インベントリデータの構築
    (1) 既存のLCA研究事例および統計データ等を整理・分析し,現状でLCAに利用可能なデータを整備する。
    (2)製品の廃棄段階における環境負荷データを整備し,ケーススタディの実施により,リサイクルによる環境負荷低減の定量化を行う。また,リサイクル過程のソフトウェアへの導入を行う。
    (3)我が国に輸入される素材・原材料の,海外生産プロセスにおける環境負荷データを収集し,海外で誘発される環境負荷の影響度の分析を行う。
  2. インパクト評価の研究
     我が国に適応可能なインパクトアセスメント統合化手法を開発する。
(平成11年度の研究内容)
  1. インベントリデータの整備・収集,新規ケーススタディの実施
  2. 局地性インパクトカテゴリの特定化係数の見直し,統合化手法の検討
未来型小規模エネルギー供給技術に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 都市の多様な特性と需給のバランスを考慮したシステム化念頭におき,燃料の採掘,技術的モジュールの製造などを考慮し,技術の導入によるCO2排出削減効果をライフサイクル的に評価する。
  1.  燃料電池とその周辺技術である熱電変換機器などの利用の温暖化抑制効果を評価する。
  2.  太陽光発電,太陽熱利用ケミカルヒートポンプなど小規模分散型の自然エネルギー供給技術の都市内での将来的利用可能性を定量的に評価する。
 平成11年度は,次の項目を実施する。
  1.  都市内小規模エネルギーの利用の検討
    ・モデル都市の未利用エネルギー利用可能量の検討
都市の熱エネルギーバランスの評価モデル開発
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
(研究計画の内容)
 エネルギー消費の結果であり指標ともなる人工熱を中心として,都市の熱収支構造を観測的に解明し,都市構造に関する諸パラメータとエネルギー消費・熱収支を関係づけるシステムモデルを構築する。具体的には,
  1. 多様な土地利用や建造物が複雑に分布する市街地における熱収支の諸要素を野外観測によって実測し,実態の解析を行う。
  2. それらの解析結果に従って重要なパラメータを抽出し,都市を包括する熱・エネルギー・気象・大気汚染システムのモデルに結び付ける。このため,建築・市街地構造の熱収支モデルおよび局地気象モデルを整備するとともに,これらの仲立ちをする都市キャノピーモデルによってシステム化を図る。平成11年度は,前年度までの各熱収支観測に継続して都心域中高層ビルでの熱環境データ収集と,並行してビルの冷暖房エネルギー消費データの収集を行い,気象と関連付けてエネルギー消費実態を解析する。これらのデータを踏まえて,市街地構造を考慮したメソスケール局地気象モデルの諸パラメータ整備を図る。このモデルを用いて,現状の都市の熱・エネルギー構造とそれに対する代替プランの特性解析を例示し,評価システムへの活用に供する。
環境影響評価指標の統合化に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 総合的評価指標を構築する手順は, 1. 各種素材・プロセスの排出物および資源消費量の推定, 2. 地球温暖化やオゾン層の破壊など対象とする環境カテゴリーの決定, 3. それぞれのカテゴリーに影響を及ぼす物質の重み付け, 4. 対象とする地域全体とのカテゴリー内での比較, 5. カテゴリー間の重み付けとなる。
  1. では,今までの研究で開発したデータベースの拡充,およびリサイクルの取り扱いを主とする排出物や資源消費量の計量手法の研究を行う。
  2. では,エネルギー消費量と資源の枯の評価における自然エネルギーの取り扱いについて検討する。
  3. では,各カテゴリーに影響を及ぼす物質の寄与度が問題となる。特に人間の健康影響については排出物量と環境濃度,および実際の被害との関係を記述することが必要である。
  4. では,対象とする地域全体での各種の排出物量の推定が問題となる。人口比例による推定などの簡略化が必要とされる。
  5. カテゴリー間の重み付けを行う手法として,被害の金銭化,専門家による判断,目標値と現状の差を基準とする方法などが提案されている。欧米の研究の状況を調査し,手法を開発する。
 平成11年度は,使用目的に応じた統合化指標の提案と実用化の検討を行う。

3.8 安全・保安技術


坑内粉じん計測・抑制技術
[担当部署]安全工学部,北海道石炭鉱山技術試験センター,九州石炭鉱山技術試験センター
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
  1. 粉じん計測・評価技術(九州センター)
     坑内における粉じん濃度の計測システムとその評価方法に関して下記の検討を行う。
     (1) 粉じん発生特性と計測濃度値の評価
     (2) 粉じん計測システムの開発
  2. 粉じん抑制技術の高度化(北海道センター)
     粉じんの抑制技術として防じんネット方式を取り上げ,その抑制効果と現場適用性などについて下記の検討を行う。
     (1) 防じんネット設置条件と通気状態
     (2) 現場設置方法と抑制効果の評価
(平成11年度の研究内容)
  1. 粉じん計測・評価技術(九州センター)
     小型の試験坑道や粉じん発生装置の試作を行い,粉じん発生量と粉じん濃度値の計測データを収集・解析を進める。
  2. 粉じん抑制技術の高度化(北海道センター)
     防じんネットの種類,設置有効面積の大きさ及び通気状態などが粉じん抑制効果に及ぼす影響を検討する。また,防じんネットの現場への適用性と設置方法を検討し,現場実験を行う。
構造材料の動的破壊力学特性に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
 地下構造材料の動的応力に伴う力学特性に関連して以下の項目の研究を行う。
  1. 動的破壊力学特性の解明
     動的応力下における構造材料の応力集中とクラックの発生・成長の関係から動的破壊靭性の評価法を確立し,動的破壊靭性と静的破壊靭性との関係を解明する。
  2. 動的透水性の解明
     構造材料のクラック発生・成長に関連する透水性の変化を解明する
  3. 動的応力伝播特性の解明
     クラックを有する構造材料における地震,発破などの動的応力の伝播特性を加速度計測や光学的手法による可視化によって解明する。
 平成11年度は,動的応力の履歴を受けた岩盤構造材料の強度劣化を実験的に解明するため,動的応力履歴後の岩石のマイクロクラック発生評価と破壊靭性実験を行い,総合的な劣化作用の評価を行う。また,岩石内のクラックが動的応力による降伏すべりを生じた際のダイレーション(膨潤作用)と透水性変化の挙動を実験的に明らかにする。
 さらに,動的応力が岩盤構造材料を伝播する際の応力波分布の解析的評価法を検討する。
ガス発生剤の性能評価と環境影響に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
  1. ガス発生剤の性能評価方法
     (1) ガス発生能力の経時変化特性
     (2) 化学構造の変化による寿命予測
  2. 環境中での分解挙動解明
     (1) 環境中での分配・分解機構解明
     (2) 移流・拡散予測
(平成11年度の研究内容)
1-(1) 実際に経時したガス発生剤試料を用いて熱分析試験による有効成分量の測定及び小型爆燃性試験による圧力発生を調べる。
1-(2) 暴走反応測定装置によりガス発生剤の加速劣化の評価を試み,寿命の予測方法を検討する。
2-(1) 大気環境でのガス発生剤の分配・分解特性を明らかにするため,光強度及び温度条件の影響に関してモデル実験を行う。
2-(2) ガス発生剤原料や分解生成する化学物質を対象として,仮想的環境における移流・拡散挙動予測シミュレーションを行う。
ケミカルフラクチャリングによる岩盤破砕効率の向上に関する研究
[担当部署]安全工学部,地殻工学部
[相手先研究機関]オーストラリア ニューサウスウェールズ大学
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
(全体計画)
 化学薬剤(ドデシルアンモニウムブロマイド,ポリエチレンオキザイド等)を添加した条件下で,岩石及び石炭のき裂成長に及ぼす効果を検討し,き裂進展を最も活性化させる条件を大気圧高温環境,高圧環境下で明らかにする。また,AE計測,ζ電位計測等によって溶液−鉱物系で発生する現象のメカニズムについても検討を行う。化学薬剤添加の条件下で岩石・石炭の切削実験,水圧破砕実験を行い,岩石破砕への効果を定量的に検討する。ケミカルフラクチャリングを炭層内ボーリング(in-seam drilling)に適用するための掘削試験を行う。
(平成11年度の研究内容)
  1. 国内研究:化学薬剤の作用効果への破壊モードの影響について,破壊靭性試験を行って,き裂進展抵抗,破壊靱性値等から明らかにするとともに,水圧破砕時に発生する破壊モードへの薬剤の添加効果について実験的・解析的に検討する。
  2. 在外研究:化学溶液による岩石の掘削試験を実施し,掘削効率に及ぼす薬剤の効果を明らかにする。
放射性廃棄物地層処分環境下での応力腐食割れ挙動とその抑止技術に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
  1. 放射性廃棄物処分環境下での応力腐食割れ研究岩石のダブルトーション試験・破壊靭性試験を各種環境条件下で実施し,岩石のき裂進展速度に及ぼす圧力,温度,水分の影響をAE計測と併せて調べ,応力腐食によるき裂進展速度と環境条件の関係を求め,応力腐食割れの限界条件とモデル化を行う。
  2. 処分空洞周辺の微視的き裂抑止技術
     塩基性薬剤,高分子界面活性剤等に浸漬させた岩石薄片試料のき裂性状変化の微視的観察と浸漬試料の強度試験を行う。走査型電顕中での試料のリアルタイム観測と薬剤によるき裂内充填とき裂進展実験を行い,薬剤の効果を微視的に調べる。
 平成11年度には以下の研究を実施する。
 前年度に引き続き,温度,封圧等の条件を複合的に設定した条件下で岩石のダブルトーション試験を行い,地層処分環境下での岩石の応力腐食割れ特性を明らかにするとともに,実験による解明結果に基づいて岩石応力腐食割れの基本モデルを構築し,数値シミュレーションによってモデルの検証を行う。
高比重ガスの漏洩挙動と安全対策に関する研究
[担当部署]安全工学部,環境影響予測部,北海道石炭鉱山技術試験センター,九州石炭鉱山技術試験センター
[研究期間]平成7年度〜平成11年度
(全体計画)
 高比重漏洩ガスの漏洩源の近隣環境への拡散予測と影響も考慮した合理的な安全対策を検討し,漏洩災害に対する安全性評価法の研究を行う。
(平成11年度の研究内容)
 前年度までに実施した野外LPガスホルダ,室内HC冷媒機器,地中埋設LP管からの漏洩挙動実験を基に濃度予測,着火危険性を考慮し,漏洩リスク評価手法の検討を行う。また,粉じんクラウドの挙動から適切な計測法を提言する。
 安全対策として,急速拡散システムのためのガス発生装置の実用化の検討および漏洩修復装置の実用化の評価を行う。
 高比重ガスの漏洩拡散の安全性評価のため,前年度までに実施した漏洩・拡散事故の危険度評価ランキングを安全対策手法に反映させる手法を検討する。





はじめに
資源エネルギー最大利用技術
環境負荷最小技術
環境影響評価/計測技術
経常研究

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平成11年度
平成10年度
平成 9年度

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