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2000 年代という新たなミレニアムを迎え,我々人間の活動に起因する環境問題が,なお深刻になっている。これら環境問題は,NOX ,ダイオキシン,内分泌攪乱物質等,我々の身近における問題から大気中の二酸化炭素増加による地球温暖化の問題まで空間的・時間的に種々のスケールの問題が発生している。一方で,これら環境問題はエネルギー・資源消費とも密接に関連しており,エネルギー・資源と環境の問題の多くは表裏一体のものといえる。従って,21 世紀における我々社会の持続的発展のためには,循環型経済社会システムの構築,地球環境保全に配慮したエネルギー・資源の安全供給と効率的な消費に向けた技術開発の果たすべき役割は大きい。
資源環境技術総合研究所は21 世紀における「地球環境の創造」と「持続的発展」を図るため,資源・エネルギーの循環・再生,環境との共生を基本原理とする「エコロジー」の概念と科学技術の「テクノロジー」が融和した新しい技術理念として「エコテクノロジー」を提唱している。この「エコテクノロジー」の創造のためには,環境への負荷を最小としつつエネルギー・資源を最大限効率的に活用することが重要であり,一方で技術開発による環境負荷物質の排出を把握し,その環境中での挙動を解明し,将来に対する影響を予測・評価することが必要である。このため,当所では
の3分野に関する広範な研究を進めている。1.のMERU 技術に関しては,メタンハイドレート,地熱,石炭,バイオマス等の資源の開発や効率的利用,循環型社会を目指した廃棄物の高効率再資源化,高効率燃焼技術等についての研究を行っている。2.のMEI 技術に関しては,光や触媒を利用したCO2 ,NOx ,有害化学等の環境負荷物質の低減・処理,燃焼に伴うダイオキシン類の発生メカニズムの把握,CO2 の化学的有効利用や海洋への固定等,環境負荷物質の測定や挙動解明等の研究を進めている。更に,3.のTIA 技術に関しては,我々の周辺に広く存在する化学物質の環境安全評価・管理,CO2 ,NOx ,SPM 等の環境負荷物質による環境影響評価や工業製品の製造・使用・廃棄による環境影響を評価するLCA の開発等の研究を行っている。
上述した広範な研究は工業技術院,通商産業,環境庁,科学技術庁の各種予算制度の基に行われている。ここ数年見られる特別研究費の大きな伸びは,産業等人類の活動に起因する地球環境問題の対策技術の研究を推進するために各省連携グリーンテクノロジー枠が平成9年度から新設されたためである。また,工業技術院内の研究に競争的要素を取り入れるものとして,各研究所からの提案を外部有識者による評価により採択する「競争的研究開発費」も平成9 年度から新設されている。
平成11 年度で指定研究4 テーマ,特別研究15 テーマ,環境庁関連で6 テーマ,科学技術庁関連で10 テーマ,経常研究で31 テーマが終了し,平成12 年度は,前年度までの継続テーマも含め指定研究17 テーマ,特別研究55 テーマ,環境庁関連で18 テーマ,科学技術庁関連で20 テーマ,経常研究で90 テーマの研究を実施する。新たな世紀を迎える研究課題として,「有害化学物質の発生・曝露機構及び環境負荷低減に関する研究」がミレニアム特別研究枠として平成11 年度に引き続き実施される。
資源環境技術総合研究所は,80 年の歴史を閉じ,平成13 年4 月から他の工業技術院14 研究所とともに新たに産業技術総合研究所として生まれ変わることになっている。現在,産業技術力の強化のために,「国家産業技術戦略」の策定が進んでいる。通産省産業技術審議会においても「分野別産業技術戦略」が審議され,今後の技術開発の重点課題が検討されている。資源環境技術総合研究所で実施している,環境を考慮した我が国の産業の健全な発展に資する研究が,産業技術総合研究所の研究として大きく発展することが期待されている。
| 平成12年度 |
| 平成11年度 |
| 平成10年度 |
| 平成 9年度 |
| National Institute for Resources and Environment |
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