平成12年度
2.環境負荷最小技術
2.1 温室効果気体排出抑制技術
- 水素回収型化学プロセスの開発
- [担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成11年度〜平成14年度
(全体計画)
従来,用いられてきた脱水素反応の効率の低さは,飽和炭化水素の持つ本質的な反応性の乏しさのみならず,反応の活性点や反応活性劣化のメカニズムが未だ明らかにされていないことに由来する。本研究では,主に表面科学的手法および錯体化学的手法を用いて,飽和炭化水素を金属表面および金属錯体により活性化する機構を原子・分子レベルで解明し,その知見に基づいて脱水素反応の高効率化を目指す。
(平成12年度の研究内容)
11 年度の結果に基づき,実触媒の中からよりミクロなレベルで検討するのに適切な触媒モデルを選定するとともに,いくつかの触媒モデルについて,反応活性点をよりミクロなレベルで検討する。特に,今年度は,実触媒との整合性を詳細に検討する。
- 低温ガス化による水性バイオマスからの水素製造循環システムに関する研究(石特)
- [担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
微細藻類等の水性バイオマスを含水状態のまま,金属触媒存在下,300-400℃で反応させて一段階で水素を製造する。また反応後の処理水にはリン,窒素が含まれるので,これを栄養源として微細藻類を培養し,次の水素の供給源とする。光,排ガス(CO2),廃水を循環するクローズドなシステムの中での微細藻類培養−水素製造プロセスの開発を試みる。研究課題は以下に示す通りである。
- -1)藻類の低温ガス化
-2)処理水による藻類培養
- 水素製造システムの検討
- プロセスのエネルギーバランス評価と経済性評価
- 平成12 年度はガス化処理水で増殖可能な藻類を用いて培養・エネルギーシステム化について検討を行う。そのために,藻類大量培養,回収・濃縮方法,長期連続培養を行い,フラスコ規模でのシステム構築の検討を行うとともに,藻類の低温ガス化反応の連続化,ガス化触媒の寿命の検討,微量成分(無機物)のガス化反応に及ぼす影響を検討する。
- 二酸化炭素を利用する炭化水素の脱水素反応プロセスの評価(石特)
- [担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
二酸化炭素を利用する炭化水素の脱水素反応プロセスについて,エネルギー消費量の検討,実用触媒開発のための基礎資料の取得,反応条件の最適化等を行うことにより,本プロセスの評価を行う。
(平成12年度計画)
本年度は,昨年度に引き続いて,実用触媒開発のための基礎資料を得る。さらに,有望な触媒を用いて,反応条件の最適化検討を開始する。
- 次世代CO2対策技術の研究
- [担当部署]環境影響予測部,地殻工学部,素材資源部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
火力発電所などから発生するCO2を海洋隔離できる技術を開発するために,1)CO2気泡の海水への溶解を飛躍的に促進させる要素技術,及び,2)CO2の分離に優れた無機質多孔性新材料,をそれぞれ開発し,3)大気から海洋へのCO2の吸収過程と分布等の観測と解析に基づいて環境受容性を評価する。
(平成12年度の研究内容)
- 重質油残さ,プラスチック等からH2 ,CO2 を回収するための反応機構と最適条件の探索。
- CO2 の高圧下での吸着特性。
- 気泡界面の非線形運動と液相乱流との相互作用解明,並びにCO2 ハイドレート結晶生成機構の分子論的考察。
- 亜寒帯域での生物過程に伴う二酸化炭素の溶解過程,沈降粒子による輸送過程,溶存有機物の生成過程についての観測と解析。
- バイオプロセスによるCO2削減技術
- [担当部署]温暖化物質循環制御部,エネルギー資源部,水圏環境保全部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
微細藻類が行っている光合成反応および呼吸反応の薬学的・遺伝子工学的な手法を用いた改良と,微細藻類−電子伝達剤−電極系の開発による電気エネルギー変換技術を検討する。
生体内でメタンをメタノールに水酸化する電子伝達体−酵素添加体のバイオミメティックな複製と機能改良による一級炭素の選択的常温酸化反応を確立する。さらに,分子集合体を開発するための還元系と酸化系の複合化や,基質特異性と反応環境との反応性の関係を検討する。
リグニン分解酵素等の環境浄化を行う菌およびその酵素の生産,および能力向上のための宿主ベクター系の開発等の遺伝子工学的手法を確立する。
(平成12年度の研究内容)
・光合成の薬学的・遺伝子工学的手法による改良の検討
・内部抵抗低減のための電池システムの検討
・還元系と酸化系間の微小場における電子伝達の検討
・種々の基質の水酸化反応について検討
- NIRE-GLADシステムによる二酸化炭素の海洋処分技術
- [担当部署]地殻工学部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
本研究計画の全体像としては,GLAD の高効率運転のための基礎研究,炭酸ガスの処分効率の向上,及び深海生態系への負荷低減を念頭においている。具体的には,(1)GLAD から排出された炭酸ガスを含む海水の深海底での輸送・拡散に関する基礎研究,(2)(1)の研究結果を踏まえた上での処分後の炭酸ガスが深海生態系へ及ぼす効果とその負荷低減,の2 点が列挙できる。平成10 - 11年度では,主として上記(1)及び(2)の問題の解決を図る目的で,炭酸ガス水溶液の海洋中での挙動を解明することを目指し,直接数値計算と呼ばれる手法を元に開発された高精度流体運動解析コードを用いて基礎的研究を行ってきた。その結果,海洋中に排出された炭酸ガス水溶液の流動拡散速度は海洋中の温度分布に強い影響を受けること,とくに安定な(海底付近の流体の密度が海洋表面の密度よりも大きい場合)温度成層のある状態では炭酸ガス水溶液はGLAD
から排出されたのち急速に水平方向に拡散することも明らかとなった。
- 平成12 年度は,平成11 年度の研究をさらに前進させる目的で,安定な温度成層の存在下での炭酸ガス水溶液の流体力学的挙動のモデル化を行う。またGLAD では非常に長い距離の配管系が使用されるため,GLAD 内配管での流動抵抗の削減が低コスト運転のために必須の研究事項となる。よって抵抗削減のための手法の提案とその制御アルゴリズムの研究も予定している。現在のアイディアとしては水溶性の高いカプセル粒子の混入やGLAD 内部にマイクロアクチュエータ(壁面を細かく振動させるマイクロメートル単位の大きさの装置)や加熱機を用いる方法を考えている段階である。
- ガスリフト効果を利用した低純度二酸化炭素の高効率海洋固定技術の研究
- [担当部署]地殻工学部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
室内実験,気泡溶解促進技術の開発,未溶解気泡分離技術,高精度コンピューターシミュレーション技術の開発,200m立型水槽(既存)を用いた実験機の機能確認ならびにシステム・経済性評価を実施し,我が国独自の実用化技術を確立する。
(平成11年度の研究内容)
- 開発した高速気泡溶解技術を用いた場合の気泡溶解特性を明らかにする。
- 複雑曲がり管内における気泡分布を測定し,開発した未溶解ガスの分離の評価を行う。
- 現象のスケールアップを行うために,気泡乱流の大規模組織化構造を大口径管を用いた実験により解明する。
- GLAD 性能を予測するための数値解法を確立する。
- 実規模Turbo-GLAD システムのシステム総合評価を行い,前年度に引き続き実機の概念設計を行う。
2.2 有害化学物質対策技術
- 廃棄物焼却により生成するダイオキシン抑制技術の研究
- [担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成11年度〜平成14年度
焼却炉から環境中に排出されるダイオキシンを抑制するために,温度制御による燃焼場近傍での生成抑制技術,電子線,マイクロ波照射による排ガス中ダイオキシンの分解技術,焼却灰中ダイオキシンの触媒分解技術の開発を行う。
本年度は,以下の研究を行う。
- 電子線照射等によるダイオキシン分解については,分解能力を高めるためにマイクロ波との複合照射等の複合処理について検討する。
- 焼却灰のダイオキシン触媒分解は,溶媒抽出および触媒分解について検討する。反応前後の触媒物性や触媒表面の状態を調べることによって,触媒の作用機構を解明して触媒活性を向上させるとともに,溶媒抽出について種々の条件で検討し,抽出効率の向上を目指す。
- 燃焼後期での生成抑制については,分解を促進しダイオキシン生成を抑制する条件を明らかにするために小型燃焼装置の製作,試運転を行う。
- 有害化学物質の発生抑制と排ガス浄化の研究
- [担当部署]水圏環境保全部,安全工学部,熱エネルギー利用技術部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
(全体計画)
外熱式流動層燃焼実験装置により,燃焼条件とダイオキシン類生成特性との関係を明らかにし,生成メカニズムを検討する。また,圧力損失の少ない長寿命のエレクトレットフィルターを用いるなどの排ガス処理技術を検討し,ダイオキシン類の排出抑制を図る。さらに,ダイオキシン分解菌の分解活性と分解能力発現のメカニズムなどを検討する。
(平成12 年度の研究内容)
ダイオキシン類生成挙動については,燃焼条件の影響及びダイオキシン類生成と前駆体の関係等を調べ,ダイオキシン類生成機構を推定する。さらに,量子化学計算等により塩素化炭化水素ラジカルの熱分解機構等について検討する。また,試作したエレクトレットフィルターの電気的特性,集じん特性,減容化特性等を調べる。加えて,ダイオキシン類分解菌の分解能力発現のための条件等を検討する。
- 産業廃棄物処分における化学物質安全管理技術に関する研究
- [担当部署]安全工学部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度
(全体計画)
- 監視型アクティブバリヤーの検討
電気化学反応等を利用して環境媒体中の有害化学物質を選択的に捕集・無害化する監視型アクティブバリヤーに関して研究を行う。
- 局部人工熱変成による遮蔽システムの検討
反応性化学物質を用いて局部的な人工熱変成帯を形成し,周辺環境との物理的な隔絶を可能にする遮蔽システムに関して研究を行う。
- 高精度モニタリング技術の検討
弾性波・比抵抗トモグラフィーを組み合わせて化学物質の漏洩位置を正確に標定する高精度モニタリング技術に関して研究を行う。
- 環境特性アセスメント技術の検討
地盤環境媒体における化学物質の移流・分散特性及び上記要素技術の効果を検証する環境特性アセスメント技術に関して研究を行う。
- (本年度の研究内容)
地盤環境モデル実験装置等を使用して,電極反応(捕集効果,分解性等)に関する電気化学的な実証実験や電極材料の最適化を行い,地盤環境中における化学物質の捕集及び漏洩検知のための基盤技術について検討する。また,反応性物質による土壌・岩盤等環境媒体の変質・固化の性状を確認し,化学物質を遮蔽するためのシステム技術の最適化を図る。さらに,ジオトモグラフィ技術の高度化及び地盤環境における化学物質安全管理手法について検討する。
- 新規化学物質を含む無機系産業排水の複合処理システムに関する研究
- [担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度
無機系産業廃水中で,多様な化学種として存在するSb,Mo及びリン,窒素について,高度処理技術を確立するため以下の研究を行う。
- 凝集−ゼオライト吸着法による処理技術の開発
凝集−ゼオライト吸着法では,新規ゼオライトによる吸着と凝集を組み合わせた処理法について,凝集・吸着機構の解明と最適吸着条件,溶離条件,共存物質の影響などを検討し,低濃度までの効率的処理技術を開発する。
- クロマトグラフ(IC法)による原料回収技術の開発
クロマトグラフ法では,Sb,Moの選択的分離・溶離条件を開発するとともに,大量処理が可能な処理フロー及び選択的処理・回収技術を開発する。
- 最適複合処理システムの開発
凝集−ゼオライト吸着法とクロマトグラフ法について実廃水に対応した効率的組み合わせを検討し,Sb,Mo,リン,窒素の最適複合処理システム確立の指針を得る。
- 本年度は,前年度までに得られた知見を基に凝集−ゼオライト吸着法,クロマトグラフ法による連続的な高度処理法を確立する。
このため,それぞれの処理法について最適処理及び回収条件を実廃水を用いて明らかにし,処理・回収システム化を検討する。また,試作した連続処理実験装置を用いて実廃水に対する処理特性を明らかにする。
- 高速嫌気性消化法を利用した食品工場からの廃棄物処理技術に関する研究
- [担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
本研究では,熱化学的流動化技術と高速嫌気性消化技術について研究を行う。
- 生ゴミ等の食品廃棄物について,嫌気性消化処理に最適な熱化学的流動化条件を検討する。反応条件としては,200℃以下のより低い反応温度,20気圧程度の圧力での流動化を試みる。同時に,固体燃料製造過程である流動化物の脱水効率が高くなる流動化条件を検討する。
- 種々の食品廃棄物について,流動化後脱水しその液相のみについて消化速度の速いグラニュラー嫌気性消化法(UASB法)の適用を検討する。流動化物の液相について,メタンが効率よく得られる微生物相,発酵法,発酵条件を検討し,高速で高効率処理法を研究・開発する。
- 本年度は,流動化した食品廃棄物の液相について,最適化した条件で嫌気性消化して流動化−嫌気性消化処理システムトータルのデータを得,得られたデータをもとにシステムのエネルギーバランス等の評価を行う。また,食品廃棄物の流動化物液相に適応した嫌気性消化微生物を分離・同定・保存するとともに,原料および流動化物の液相・固相の分析結果をまとめパラメーター化し,今後の流動化−嫌気性消化法の研究・開発に役立てる。これらの研究により,食品廃棄物をエネルギーを浪費しないでかつ焼却によらないクリーンな処理技術の確立を目指す。
- 環境浄化機能を有する組み替え植物の創出とそれによる有害化学物質分解に関する基礎的研究
- [担当部署]水圏環境保全部,環境影響予測部
[研究期間]平成12 年度〜平成15 年度
(全体計画)
タバコに木材腐朽菌由来の有機塩素化合物分解酵素遺伝子を導入し,CMV35S プロモーター制御下に発現させる。また,組み換え植物で分解酵素の根における特異的発現を図るため,根で特異的に発現している遺伝子を特定し,その制御機構を解析する。これらの組み換え植物によるPCB やダイオキシンなどの内分泌撹乱物質の分解を評価する。
(平成12 年度の研究内容)
- タバコに有機塩素化合物分解酵素遺伝子を導入し,その発現を検討する。
- 形質転換植物による有機塩素化合物分解を検討する。
- 根で特異的に発現する遺伝子のクローニング。
- 有害化学物質の発生・曝露機構及び環境負荷低減に関する研究
- [担当部署]首席研究官,水圏環境保全部,安全工学部
[研究期間]平成12 年度〜平成15 年度
(全体計画)
有害化学物質の多成分センサーを開発するため,これらの化学物質を選択的に吸着する選択的吸着剤を開発し,水晶振動子表面に被覆することによりセンサーを作製する。さらに一連の水晶振動子センサーを集積化することにより,多成分を同時に測定可能なセンサーを開発する。また,有機スズ等の環境ホルモンを多成分同時に測定するための分析前処理法を開発する。排出源監視手法については,高沸点化学物質を対象として,上記の手法及び環境濃度や曝露調査等の各種データをもとに,事業所近傍並びにその周辺の広域環境を含めた曝露評価手法の開発を行う。これらの検討を通じて,事業所周辺の排出源監視手法の確立に寄与する。
(本年度の研究計画)
鋳型重合法を用いて有機塩素化合物に対する選択的吸着膜を合成するため,多数の反応条件で合成が可能なコンビナトリアル合成法を確立する。また,プラスチック中の有機スズを分析するための前処理法を開発する。排出源監視手法としては,PCB 類等の化学物質に関する排出や環境挙動に関する各種データを整理・分析し,排出源構造の分析を行う。さらに,大気,水域や土壌等の多媒体間における化学物質の移動や環境中の分解等を考慮し,排出源の広域的な監視を可能にする曝露評価手法のプロトタイプについて検討する。
2.3 大気汚染対策技術
- 海外炭燃焼装置における高度炉内脱硫・脱硝技術に関する研究
- [担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
- 東欧圏の代表的な劣質炭である褐炭の基本的な燃焼特性を調査し,流動層燃焼装置で利用する場合の問題点を明らかにし,バイオマス(木屑,稲わら等)との混焼特性を明らかにする。また,越境汚染に関連するエストニア産オイルシェールの燃焼特性も調査する。
- 既設の流動層燃焼装置により上記燃料の連続燃焼試験を行い,燃焼率,大気汚染物質の排出特性等を調査し,流動層燃焼により劣質炭やオイルシェールを専焼する場合及び石炭とバイオマスの混焼の場合の問題点を明らかにする。
- 平成12 年度については,劣質燃料としてエストニアのオイルシェール,バイオマスとしてRDF 等による実験を行う。また,褐炭とバイオマスの混焼系での燃焼挙動を明らかにして,窒素酸化物生成量,脱硫率等を測定し,良質炭を設計基準炭とした日本型の流動層燃焼装置で上記劣質炭を使用する際の問題点を明らかにすると共に,その解決法を検討する。
- 媒体循環燃焼法を用いた芳香族化合物や窒素化合物を含む燃料からの有害物質排出抑制に関する研究
- [担当部署]熱エネルギー利用技術部,素材資源部
[研究期間]平成10年度〜平成13年度
下水道汚泥やバイオマス系廃棄物,あるいはこれらの液化油を燃料として利用し,これら廃棄物の無公害焼却処理と高効率エネルギー回収を同時に達成することを目的として媒体循環燃焼法に関して以下の研究を行う。
- 媒体循環燃焼における窒素化合物・芳香族系化合物の反応特性の解明
- 窒素酸化物の生成抑制機構の解明
- 媒体循環燃焼における最適操作条件の探索
- 最適な媒体粒子の設計・評価
- 平成11 年度に設置した小型連続式固定層・流動層反応器を用いて,引き続き廃棄物の最適な燃焼方式を検討するとともに,窒素酸化物,未燃の芳香族系化合物,すす,一酸化炭素といった有害物質の排出を抑制するための最適なシステム構成や操作条件を明らかにしていく。また,高温高圧水による前処理過程,溶融塩との組み合わせを行った場合の熱バランスなどついて検討を行う。
媒体粒子の設計・評価については液相法による複合化によりかなり安定な複合化が可能になったことから,他の複合化法との総合的な比較を行う。
- ベンゼン排出量低減に関する総合研究
- [担当部署]大気圏環境保全部,エネルギー資源部,環境影響予測部,首席研究官
[研究期間]平成10年度〜平成14年度
各種発生源から排出されるベンゼンを低減する対策技術,ガソリン中のベンゼンを分離・変換する技術,ベンゼン排出を最小にするガソリン組成の検討,並びにこれら技術の適用による環境への影響を評価するため,(1)固定発生源対策,(2)移動発生源対策,(3)低ベンゼンガソリンの製造技術開発,(4)低ベンゼンガソリンの排出ガス特性評価,並びに(5)大気中ベンゼン濃度予測モデルの開発と対策有効性評価という研究を総合的に実施する。
本年度は,(1)のプラズマ分解法では,低温プラズマ中で生成する活性酸素種の種類と濃度がベンゼンの分解特性に与える影響,光分解法では,照射光の波長などの実験条件がベンゼン分解率に与える影響を検討する。(2)では,自動車排ガス用三元触媒の低温活性に及ぼす触媒組成の影響を調べる。(3)の分離膜の研究では,ベンゼン分離膜を改良して分離性及び透過性を向上させ,固体超強酸触媒の研究では,遷移金属の複合触媒を調製してベンゼンの水素化異性化能を検討する。(4)では,燃料中の炭化水素組成と排ガス中のベンゼン排出量との関係を把握する。(5)では,フィールドでデータ取得を行いながら,風胴実験により工場周辺の拡散パラメータを推定する一方,発生源のモデル化を行い,1
ヶ月積分値と測定値との関係を調べる。
- 光クリーン技術を用いた省エネルギー環境浄化システムの開発
- [担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成10年度〜平成12年度
(全体計画)
低濃度の窒素酸化物等大気汚染物質を除去するために,光触媒及び固定化材料の物理的・化学的特性を再検討し,汚染物質浄化能力を飛躍的に高めた光触媒材料を開発する。得られた光触媒材料を用いる低濃度汚染物質の除去装置を設計・試作し,浄化能力・エネルギー利用効率等を評価するとともに,必要な改良を施し,地下駐車場や自動車道トンネル換気装置などで使用できる実用的な省エネルギー型空気浄化装置を開発する。
(本年度の計画)
光触媒材料については実大気による試験結果を踏まえて,更に汚染物質の除去能力が高く耐久性のあるものとする。窒素酸化物除去容量は本研究開始前より1 桁高い能力を目標とする。前年度試作した浄化装置については,引き続きのトンネル換気所における実ガス試験を行い,浄化材料の配置等に関する改良や付加設備の検討等により,窒素酸化物の平均除去率が80 %以上の装置を完成させる。また,実規模(1,500,000 Nm/h )の浄化装置の基本設計を行い,必要なエネルギー,効果等を明らかにする。
- コジェネ用内燃機関のNOx低減化に関する研究
- [担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度
コジェネ用内燃機関であるガスタービン,ガスエンジンのNOx低減化を図るために以下の研究を行う。
- ガスタービンから排出されるNOxを低減するためにハイブリッド触媒燃焼について研究し,加圧条件下での触媒燃焼特性及び触媒後流での気相燃焼特性を明らかにする。
- 希薄燃焼ガスエンジンの排ガスから効率よくNOxを除去するために選択還元触媒を用いた排ガス処理触媒システムを開発する。
- 本年度は,ガスタービン用低NOx 燃焼器については,気相部分での混合状態最適化の結果を取り入れて,加圧燃焼装置2 次燃焼部分の改造を行い,加圧状態での燃焼特性の解析を行う。数値解析,実験の結果を総合して,低NOx で最適燃焼特性の得られる燃焼器構造を明らかにする。ガスエンジン用排煙処理触媒については,引き続き触媒の作用機構を検討して触媒の活性や選択性を向上させるための手法を明らかにする。さらに,還元剤改質触媒とNOx 選択還元触媒の複合化並びに最適化を図ることによって,安全,安価な還元剤を用いて効率的にNOxを除去できる触媒システムを開発する。
- 低温作動型触媒を用いたディーゼル排出粒子状物質の低減に関する研究
- [担当部署]大気圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度
(全体計画)
ディーゼル排出粒子状物質低減のための低温作動型触媒および選択加熱型焼却システムの開発を目指し,以下の研究を行う。
- 低温作動型触媒の活性成分,担体の探索
- プロトタイプ触媒の基本性能の把握・改良
- 有害ガス成分の低減
- 選択加熱型DEP焼却システムの検討
- 試作DPFの実用性評価
- (本年度の研究計画)
DEP 選択加熱方式について,炭化水素添加時期の制御などのシステム化とその最適化を行うことにより,排気温度300℃でのフィルター再生を図る。また,低温作動型触媒および選択加熱システムについて,CO ,炭化水素除去性能を調べる。触媒燃焼法などの採用によりこれらの成分が増加することのないよう,触媒成分の改良を行う。
さらに,不燃成分の堆積によるフィルター性能,触媒性能への影響を調べることにより,触媒付DPF の耐久性向上を図る。このため,触媒の実用パティキュレートフィルターへの担持に関して,フィルター材料表面の多孔質化など,新規材料加工プロセスを含めた検討を行うことにより,最も効果的な担持形態を得る。
- マイクロ波を利用した有害大気汚染物質の処理に関する研究
- [担当部署]大気圏環境保全部,熱エネルギー利用技術部,環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
(全体計画)
- マイクロ波制御吸着脱離手法の検討
マイクロ波を照射しながら,吸着,脱離を制御する新規な分離・濃縮システムの開発を行うとともに,本方法に適した吸着剤の探索と最適化を行う。
- 新励起システムによる分解手法の検討
マイクロ波,プラズマ等の励起化学的手法と触媒化学的手法を組み合わせた新規の大気汚染物質の分解・処理技術の開発を進める。
- 分離・分解システムの検討
上記の2手法を総合的に検討し,有害大気汚染物質の排出抑制の新システムの構築を図る。
- (本年度の研究内容)
マイクロ波による吸着脱離制御の検討では,(1)吸着過程へのマイクロ波照射と (2)脱離過程へのマイクロ波照射について,適切な吸着剤の選定も含めて最終評価を行い,システム化を図る。新励起システムによる分解手法については,触媒機能並びに吸着機能を付与した低温プラズマリアクタによる希薄濃度VOCs の分解を行う。同時に,有害微量副生成物の定性・定量を行うとともに,これらの物質を生成させない条件を明らかにする。最終的に,これら分離・濃縮技術と分解技術を組み合わせた総合システムのプロトタイプを提示する。
- 環境調和型燃焼技術の研究(一般)
- [担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成5年度〜平成12年度
- 低質燃料の燃焼・環境負荷軽減化技術
低質ガス燃料を熱循環燃焼技術により燃焼させる技術を確立するとともに,燃焼過程において生成される環境汚染物質を特に高温下で,抑制または除去するための基礎研究を行う。また,メタノール及びその分解過程中のガス(メタノール+CO+H2)を効率的に利用するための燃焼技術の開発及び燃焼過程において生成される環境汚染物質の相互間の反応を解明し,環境負荷を軽減するための研究を行う。
- 逆熱サイフォン・ヒートパイプとその利用技術
外部より動力を加えずに熱を上部から下部に伝えることのできる新しい原理,構造に基づく熱輸送装置及びその利用技術に関する研究を行う。
- 本年度は,逆熱サイフォン・ヒートパイプから蓄熱槽への熱の注入と,蓄熱槽から外部熱利用機器への熱の抽出動作とが,温度成層の安定性に及ぼす影響を明らかにする実験を行い,蓄熱槽内に温度差を保持しながら熱交換を行う方法について検討を行う。
- 動的磁気特性を利用した排ガス処理技術の開発に関する研究
- [担当部署]素材資源部,大気圏環境保全部,熱エネル,ギー利用技術部
[研究期間]平成12 年度〜平成15 年度
(全体計画)
- 磁性多孔体の創製
大きな保磁力,残留磁化等,必要とされる動的磁気特性を有する磁性多孔体の合成手法を確立するとともに,(2)での検討結果をフィードバックしつつ,排ガス処理性能の優れた磁性多孔体として高性能化と最適化を行う。
- 磁性多孔体を利用した排ガス処理システムの検討上記で創製された磁性多孔体の特異な性質を利用した排ガス処理システムについて工学的に検討し,簡易型排ガス処理装置のプロトタイプの構築を図る。
- (本年度の研究内容)
磁性多孔体の創製では,保磁力,残留磁化が大きく,かつ脱着温度等に対応した任意のキュリー温度をもつ磁性微粒子合成手法を開発し,次いで,磁性微粒子を核とした多孔体の合成に関して,微粒子前処理条件の検討,並びに種々の可能な合成法の検討に着手する。また,前駆体の金属錯体形成反応等を利用した磁性活性炭についても検討する。動的磁気特性の把握と応用については,まず,磁性体単味を対象に交流磁界の与え方,周波数の影響等を検討し,磁気ヒステリシス加熱方法の最適化をめざす。また,磁性多孔体を用いた新しい分離・分解技術の構築をめざした基礎的な検討を行う。
- 大気汚染シミュレーションモデルの開発
- [担当部署]環境影響予測部,大気圏環境保全部,首席研究官
[研究期間]平成12 年度
本年度は有害大気汚染物質予測手法の開発のため,各通産局と協力して首都圏他で行ってきた有害大気汚染物質の調査結果に基づき,発生源周辺・建造物周辺の拡散モデルの一般化を行う。また,広域・非汚染地域と思われる地域での大気汚染質,有害大気汚染物質の調査を引き続き行う。浮遊粒子状物質については,有機炭素系粒子に関する解析とモデル化をさらに進める。
2.4 水質汚濁防止技術
- 排水中等の有害半金属及び窒素の処理技術に関する研究
- [担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
新規二官能性吸着材の開発・改良を行い窒素に対する吸着特性と共存物の影響,カラムによる連続処理特性と使用済み吸着材の再生方法を明らかにするとともに,膜分離法によるホウ素の処理特性を明らかにして効果的な処理システムについて検討する。
本年度はスチレン/ジビニルベンゼン系母材にホスホン酸ジプロピル基とブチルアミノ基等を有する吸着材を試作して硝酸イオン吸着特性について検討する。また,分離膜による処理条件とホウ素の処理特性について検討する。
- 機能性凝集剤によるフッ素および重金属排水の処理に関する研究
- [担当部署]水圏環境保全部,素材資源部
[研究期間]平成11年度〜平成13年度
(全体計画)
- 機能性凝集剤によるフッ素および重金属処理開発した凝集剤でフッ素および重金属を含むモデル排水を処理し,除去機構を明らかにするとともに,処理性および最適処理条件を明らかにする。
- 機能性凝集剤の高機能化
重金属捕集効果を高めるため,機能性凝集剤の主要成分である天然多糖類の化学修飾を検討するとともに,新たな補集剤の開発に努める。
- 各種実排水の処理
実用化のため,できるだけ多くのメッキ工場や重金属排水を排出する製造業の排水を処理し,処理性および最適処理条件を明らかにする。
- (本年度の研究内容)
開発した機能性凝集剤で種々の重金属含有実排水を処理し,実排水処理における問題点を明らかにし,機能性凝集剤の高機能化のための資料を得る。また,既存の重金属捕集剤に代わる安全な捕集剤の開発を進める。さらに,フッ素を一緒に含む重金属排水も処理できるようにするため,併用する最適なカルシウム塩,その濃度,および併用法について検討する。
- 表面処理工程廃液の減量化技術開発のための研究
- [担当部署]素材資源部,水圏環境保全部
[研究期間]平成11年度〜平成14年度
(全体計画)
資源環境技術総合研究所と北海道工業技術研究所との共同で,表面処理工程廃液からの金属成分,錯形成剤等を再利用するクローズドシステムを構築するため,(1)金属再生技術,(2)錯形成剤抽出技術,(3)金属分離技術,(4)微生物・酵素利用不要残留物分解技術,(5)これらの技術の総合化,等の新規開発についての研究を行う。資源環境技術総合研究所では,主として(1)〜(3), (2)についての研究を行う。
(平成12年度の研究内容)
- 金属再生技術:電極反応系による錯化剤や不要成分の還元処理について,最適反応条件の探索を行う。
- 抽出技術:中性抽出剤や塩基性抽出剤による錯化剤の抽出および回収について,最適条件を明らかにする。
- 金属分離技術:キレート抽出剤を用いた溶媒抽出法によるニッケルの分離回収について,最適条件を明らかにする。
- 水質汚染予測手法開発
- [担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成12 年度
- 海底近傍での物質循環モデルの開発
酸素を主要パラメータとして有機物の分解・無機化を表現できる数理モデルを開発する。
- 化学物質の運命予測モデルの開発
内分泌攪乱物質として指摘されている人工化学物質の沿岸域での挙動を予測するモデルの開発を行う。平成11年度に引き続き,人工化学物質の吸着態である有機懸濁態の東京湾における空間分布が高精度で予測できるよう,これまでの生態系モデルの改良を行う。
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