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平成9年度研究計画

平成9年度

特別研究


【安全・保安技術】


高比重ガスの漏洩挙動と安全対策に関する研究
[担当部署]安全工学部・環境影響予測部・北海道センター・九州センター
[研究期間]平成7年度〜平成11年度
(全体計画)
 高比重漏洩ガスの漏洩源の近隣環境への拡散予測と、近隣環境への影響も考慮した合理的な安全対策を検討し、漏洩災害に対する安全性評価法の研究を行う。

(平成9年度の研究内容)
 漏洩災害時の液化ガスの気化速度特性を求め、漏洩災害想定を行い、大気中での拡散挙動を調べるために予備的な漏洩拡散実験を行なう。
その結果から汎用数値流体解析コードの適用性、広域拡散の扱いについて検討を行う。また、粉塵クラウドの挙動と微細水滴の関係を検討する。
 急速拡散システムのためのガス発生剤とその装置の構造について検討する。また、漏洩箇所修復装置を試作、試験する。
漏洩拡散予測成果のデータベースへの格納法とWWW上での表現法を検討する。漏洩事故の深刻さを表すクリティカリティの評価結果から、事故資料データベースを対象に物質毎の漏洩事故の危険度のランキング手法とWWW上での表現法を検討する。
地震時産業施設立地地盤変状挙動と安全性評価に関する研究
[担当部署]安全システム研究室
[研究期間]平成9年度〜平成12年度
地震時産業施設の安全基準作成のために必要なデ−タを得るために次の項目を検討する。
  1. 混相系の対振動挙動特性の把握地盤が振動下において固体状態から液体状態(完全液状化状態)への相変化が生じる過程を把握する。
  2. 混相系の流動特性の検討加圧式傾斜樋を利用したモデル実験により、混相系の流動特性(流速分布、相対速度、粘性等)を明らかにする。
  3. 地中構造物に及ぼす混相系の流体力についての検討加圧式傾斜樋を利用したモデル実験により、基礎杭及び地中導管に作用する流体力について検討を行う。
  4. 耐震設計基準作成のための基礎デ−タの検討液状化現象や側方流動現象を考慮した耐震設計基準を作成するにあたり、必要となる基礎デ−タについて検討する。

(平成9年度の研究内容)

  1. 加振装置を用いて、混相系の振動下での相変化挙動特性について、ガラスビーズ(単一粒径)及び砂を用いた実験を行う。
  2. 加圧式傾斜樋についての基本設計を行う。


【資源・エネルギー技術】


マイクロバブルを用いた分離技術の研究
[担当部署]素材資源部
[研究期間]平成6年度〜平成9年度
 本研究では、以下の項目について検討を行う。
(全体計画)
  1. 気泡の表面電位測定
  2. 気泡-固体間の相互作用力の測定
  3. 気泡-気泡間の相互作用力の測定
  4. 付着体の脱着力の検討
  5. サブミクロン粒子の相互分離

(平成9年度の研究内容)

  1. 付着体の脱着力の検討
     気泡に付着した粒子を気泡から脱着させる際に必要な力の検討と、その力を構成する因子の解析を行う。
  2. サブミクロン粒子の相互分離
     古紙パルプ中の印刷インクをマイクロバブルを用いて除去するプロセスを検討する。
有機資源による環境浄化用ハイブリッドカーボンの合成に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

(全体計画)
 炭素のミクロポアーを精密にコントロールした分子篩炭素や均一マクロ孔を有する多孔質炭素を設計、合成し、これらのハイブリッド化、機能の多次元化を確立する。また、このようにして合成したカーボンの環境浄化用としての評価を行う。

(平成9年度の研究内容)
 前年度に引き続き、各種金属塩や有機錯体を炭素前駆体ポリマーに混合し、これを焼成することによって炭素−金属複合体の調製を行う。
本年度は特に、アルカリ金属の導入について検討を行う。また、前年度までの検討の結果得られた、分子篩炭素と金属微粒子の複合体であるハイブリッドカーボンを用いて、その形状選択的な反応に関する基礎的な物性を把握し、分離材料あるいは環境浄化やエネルギー変換のための材料としての応用を目指す。
酸素燃焼火炎の熱放射シミュレーションに関する研究
[担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成8年度〜平成11年度

(全体計画)
 酸素燃焼火炎の基本的な構造や熱発生・放射伝熱特性を解明し、これらを数値シミュレートする手法を開発する。これにより、酸素燃焼のボイラや工業炉への実用化およびその最適設計が可能となる。すなわち、酸素燃焼火炎内の乱流混合および燃焼反応特性を明らかにし、広範囲な燃焼条件のもとで形成される酸素燃焼火炎の基本構造を数値シミュレートする手法を開発する。また、酸素燃焼火炎からの熱放射エネルギー特性を明らかにし、高温炉内放射伝熱の数値シミュレーション手法を開発する。

(本年度の研究計画)
 いくつかの燃料/酸化剤の組み合わせで形成される層流火炎片の熱放射スペクトル特性を明らかにする。乱流噴流火炎バーナを製作し、熱放射エネルギーの基本的特性を調べる。soot 粒子群の測定と評価および熱放射特性の数値予測に向けたモデル化を検討する。


【海洋開発技術】



近海域における物質循環の解明と調査手法の開発に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成6年度〜平成10年度

(全体計画)
  1. 地質調査所と共同で、日本海北部海域における大気(船上)、表層及び深層海水、並びに深海底質(表層・柱状試料)を採集し、有機ハロゲン化合物を分析する。また、重金属類に関しては大気、表層及び深層海水の分析を行う。
  2. 物質循環を解明する手法として、希土類元素、鉛、有機ハロゲン化合物等を用いたフィンガープリント手法を開発する。
  3. 分析データからトレーサー物質の三次元的分布図を作成する。また、柱状試料の有機ハロゲン化合物濃度から、近年の海洋環境への物質フラックスの歴史的変遷や環境中での挙動を解明する。
(平成9年度の研究内容)
 海水中の超微量有害有機塩素化合物の分析に必要なシステムとして、現場ろ過器の改良や非汚染の抽出法を開発したが、さらに、特定化学種の選択的な分離能の向上を図り、システムの確立を目指す。また、武蔵堆海域や天売島周辺の日本海北部海域を対象に、地質調査所と共同で、大気(船上)、表層及び深層海水、並びに深海底質(表層底質・柱状試料)を採取し、有機ハロゲン化合物を分析し、分析システムを検証する。金属類に関しては、大気、表層並びに深層海水の分析を行う。これらの結果を基に物質循環を解明する手法として、希土類元素、有機ハロゲン化合物などを用いたフィンガープリント手法を検討する。


【バイオテクノロジー】



環境負荷低減のためのリグニン分解菌の育種及びその酵素の生産に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部,環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜 平成11年度

(全体計画)
 リグニン分解菌の生産酵素及び育種菌株による、排水処理と土壌浄化技術の開発のため、以下の研究を行う。
  1. リグニン分解酵素の分解活性の検討とその遺伝子のクローニング
  2. 麹菌の分泌ベクターの開発による異種蛋白質の分泌生産法の確立
  3. 担子菌を宿主とする宿主ベクター系の開発
  4. 環境負荷低減に対する全体評価

(本年度の研究計画)

  1. カワラタケが生産するMn−ペルオキシダーゼによる分解活性の検討及びその遺伝子のクローニング
  2. 担子菌の宿主ベクター系によるフェノールオキシダーゼの生産
  3. 薬剤耐性遺伝子をマーカーとする遺伝子導入系の検討


【バイオニクス】



生体分子集合体モデルによる低級炭化水素の常温転換反応に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成6年度〜平成9年度

 本研究では、生体分子集合体モデルの諸物性(極性、流動性、表面 構造)と活性酸素種の反応性の関係を解明し、活性点の高次化、安定 化を図ることにより、メタン〜C8の低級炭化水素の常温常圧転換反応を触媒する酵素モデル系の設計および合成を行うことを目的とする。

 本年度は、生体分子集合体モデルの流動性のミクロ空間内での物質 移動に及ぼす影響について検討する。さらに分子集合体モデルを用いた低級アルカンの転換反応に関し、選択性と反応性の改善を図る。


【新材料技術】



動的電場を用いた複合微粒子材料プロセスの評価と微細加工の研究
[担当部署]素材資源部
[研究期間]平成6年度〜平成9年度

本研究は,動的電場を利用した単一粒子懸垂法を用い微粒子の生成

 平成9年度は、

再生可能分別不用型プラスチック原料の製造技術に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

 本研究では特異的反応性をもつ複数の官能基を有する高分子モノマーを新らたに開発し、これを原料として、各種の機能を発現すると同時に温和な条件での開裂反応により再生可能な高分子モノマーの開発を目的とする。官能基間の反応性の違いを利用して重合反応を制御し、生成する高分子化合物の機能、物性を変化させ、各種の用途に対応できる高分子モノマーを設計、合成する。更に、得られた高分子化合物を再び元の高分子原料モノマーに再生することが可能な分子構造を組み込んだ高分子モノマーを設計、合成するとともに高分子からモノマーへの分解再生反応システムを確立する。

 本年度は前年度までの結果に基づき、分解に必要な官能基や金属錯体を含むポリマーを設計しその合成に必要な多官能基型モノマーの合成を行うとともに、高分子化合物の解重合反応を種々の条件下で検討し、分解生成物の製品分布を数学的統計的手法により解析する。
2次元結晶を利用した微空間創製と環境浄化機能の研究
[担当部署]素材資源部
[研究期間]平成8年度〜平成11年度

(全体計画)
 Si、Al、Mg、Ca等を主成分とする天然2次元結晶類似の層状化合物をソフト化学的手法で作製する。目的とする高耐熱性で高吸着容量の多孔性材料の微空間を2次元空間に無機物の柱を挿入することにより創り出し、その大きさを比較的自由に制御するための方法を検討する。また柱表面および表面修飾した細孔の酸・塩基性、疎水性等の化学的性質を明らかにする。また、排ガスや燃料中に含まれる有害分子の吸着分離あるいは無害化除去に適合した大きさと化学的性質を有する細孔を持った新規環境負荷低減素材の開発を目指す。

(本年度の計画)
 層状ケイ酸塩アイラアイトの酸処理で得られる層状化合物、および層状リン酸塩をホストとして、その層間に直鎖アルキルアミンと金属アルコキシドを種々の条件でインターカレーションし、生成する多孔体の構造並びに表面特性を検討する。さらに、より耐熱性および多孔性に優れた細孔を創出するため、微空間の生成過程に関して詳細な検討を行う。


【鉱山保安技術】



鉱山保安技術研究
[担当部署]安全工学部,北海道センター,九州センター
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

(全体計画)

1.坑内火災煙対策技術(九州センター)

  1. 坑道形状・傾斜による火災煙の流動特性
  2. 坑内火災時の煙流動と消火方法

2.粉じん抑制対策技術(北海道センター)

  1. 浮遊粉じんの粒度分布
  2. 水滴特性と粉じん抑制効果
  3. 現場適用性と評価方法

(平成9年度研究内容)

1.坑内火災煙対策技術(九州センター)

  1. 傾斜坑道における煙の流動特性の検討を行う。
  2. 各種消火法の現場条件との整合性の検討を行う。

2.粉じん抑制対策技術(北海道センター)

  1. 水滴径及び通気の粉じん抑制効果への影響を検討する。
  2. 粉じん抑制法の現場適用性の検討を行う。


【官民連帯共同研究】



エレクトロスタティックイオンクロマトグラフィーによる環境適応型分離精製技術の開発に関する研究
[担当部署] 水圏環境保全部
[研究期間]平成7年度〜 平成10年度
  1. 分離メカニズムの解明
    疎水性部分の分子構造と分離特性の関係を明らかにすると伴に、この部分に分子認識能を持たせることにより、静電相互作用、疎水性相互作用、分子認識能等の分離モードを有するマルチファンクショナルカラムの作成を検討する。計算化学手法を適用できる範囲をより複雑な構造の固定相分子に広げると伴に、対象とする溶質分子を無機イオンからアミノ酸などの有機化合物に広げる。静電的相互作用に加えて疎水性相互作用を計算できるようにする。
  2. 新規担体の開発
    化学結合の反応条件と固定化量及び分離特性との関係を調べ、最適固定化条件を明らかにする。より固定化量の多い新しい化学結合法を検討する。化学結合型カラムの酸、アルカリ、有機溶媒に対する耐久性を明らかにしてカラム固定相の耐久性を向上させる。カラムのクリーンアップ法を確立するため、カラム洗浄液と溶出量の関係を調べる。
  3. 実試料による分離性能の評価
    超純水のオンライン濃縮装置を、汚染が起こらぬように改良する。イオン交換膜によるオンライン脱塩法を高塩濃度試料に適用し、実用性を評価する。環境基準の要監視項目に指定されたオキソアニオン類(MoO2−,SbOなど)を含む無機薬品工業等の廃水処理への応用を図る。


【原子力平和利用技術】



放射性廃棄物地層処分環境下での応力腐食割れ挙動とその抑止技術に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
  1. 放射性廃棄物処分環境下での応力腐食割れ研究
     岩石のダブルトーション試験・破壊靭性試験を各種環境条件下で実施し、岩石のき裂進展速度に及ぼす圧力、温度、水分の影響をAE計測と併せて調べ、応力腐食によるき裂進展速度と環境条件の関係を求め、応力腐食割れの限界条件とモデル化を行う。
  2. 処分空洞周辺の微視的き裂抑止技術
     塩基性薬剤、高分子界面活性剤等に浸漬させた岩石薄片試料のき裂性状変化の微視的観察と浸漬試料の強度試験を行う。走査型電顕中での試料のリアルタイム観測と薬剤によるき裂内充填とき裂進展実験を行い、薬剤の効果を微視的に調べる。 平成9年度には以下の研究を実施する。
 走査型電子顕微鏡(SEM)に載荷装置を付加して、破壊試験と同時にリアルタイムでき裂観測が可能となるようにSEMを改造し、塩基性薬剤、高分子界面活性剤のき裂進展への効果を鉱物結晶粒子のレベルから調べる。


【公害防止技術】



光触媒による大気汚染物質の除去技術の開発に関する研究
[担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成5年度〜平成9年度

(全体計画)
 環境濃度の窒素酸化物等大気汚染物質を直接、捕捉・除去する光触媒について、組成(活性成分、担体等)、吸着特性、調製法、除去機構などの基礎物性を検討し、効率向上を図る。得られた高性能光触媒を用いて、被毒性、機械的強度、耐久性、固定法などの応用物性を検討する。更に、太陽光利用及び人工光併用の実用的な大気汚染物質浄化システムを設計・開発し、実環境において汚染物質除去性能を明らかにすることにより、発生源対策を補完する新たな環境保護対策を提案する。

(今年度の計画)
 作製した光触媒を実際の大気浄化に役立てるための保持方法・耐久性等光触媒応用物性を引き続き検討するとともに、各種の分光法・表面分析法を用いて光触媒による汚染物質の分解機構を明らかにする。
また、光触媒の実験室的な性能評価方法を確立し、屋外性能試験の結果と併せ、本光触媒の性能と適用範囲を明らかにする。更に、太陽光/人工光を用いたいくつかの大気環境浄化システムを設計・検討することにより、本システムの有効性を実証する。
 以上の知見をもとに、汚染物質受容サイトでの太陽光利用による省エネルギー・省力的な大気環境浄化法(パッシブ浄化法)を含む環境対策の新しい概念を提案する。
燃料改質による粒子状物質の排出抑制技術に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成6年度〜平成9年度

 アロマ成分の低減を目的として燃料油中のアロマ成分をナフテンやパラフィン類に変換する芳香環(核)水素化触媒、およびアロマ成分の選択的除去技術の開発を行う。具体的には、物質工学工業技術研究所で、(1)芳香族の反応特性評価、(2)選択的核水素化触媒の開発を行い、当所で、(3)吸着分離技術の開発:燃料油中のアロマ成分を分離除去するた めの吸着剤の探索及び再生技術の開発。(4)環境影響評価:エンジン試験による低アロマ燃料油の排ガス特性(粒子状物質及びNOx)の評価を行う。

平成9年度は
(3)では、開発した吸着剤の最適操作条件の探索を水素化処理後の軽油を用いて行うと共に、脱着・再生技術の予備検討に着手する。
(4)では、原料燃料油、水素化処理油及び吸着処理油のエンジン試験を行い、低芳香族燃料油の粒子状物質及びNOx発生量を評価する。
浮遊粒子状物質の組成別濃度及び粒子個別特性の評価に基づく発生源制御に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成6年度〜平成10年度
  1. 野外実験
     従来の諸研究の成果を踏まえて効率的な野外実験を実施し、高濃度条件を中心に、組成別にSPM挙動を把握する。現場の気象条件を同時に観測し、SPM挙動との関係を調べ、以下の点について検証・定式化する。
    (1)環境基準オーバーの主要原因である寒候期の高濃度時期に重要な光化学反応による粒子生成モデルを構築し、そのモデルのパラメータを確定する。(2)湿度による見かけのSPM濃度激増に対する補正手法の確定。(3)地域特性として砂塵・海塩など自然源粒子が高濃度発生に寄与している場合について、自然源の影響を評価する野外実験とデータ収集を行う。
  2. 野外実験に基づくSPM挙動の数式化、サブモデルの構築
  3. 文献調査・既存データの解析、補足実験
  4. 以上から得られる反応モデル・関係式と当所で開発した局地気象・拡散モデルを総合して、100 km範囲のSPM生成・拡散・濃度分布を計算できる数値モデルを構築し、組成別SPM濃度アセスメントシステムとしての利用に供する。本年度は高濃度発生期の野外実験で蓄積した光化学・二次粒子生成データの解析に加え、沿道及び広域の実態把握を進め粒子組成を検証する。並行して二次粒子生成反応・拡散モデルを完成させる。
石炭燃焼装置における高度炉内脱硫・脱硝技術に関する研究
[担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

 加圧流動層燃焼装置から発生するSOx・NOx・N2O等について、生成特性及び生成機構の解明を行い、これをもとに、加圧流動層燃焼装置における大気汚染物質の発生量を最小化する燃焼条件を明らかにする。これらの研究成果を踏まえ、エネルギー効率、環境性、経済性を考慮した最適燃焼システムを開発する。
 本年度は、連続加圧燃焼装置により連続燃焼実験を行い、燃焼挙動の観察、脱硫特性、窒素酸化物の生成特性を調べる。また、加圧流動層のフリーボードにおける粒子及びガス挙動を同時に可視化し、加圧流動層の流動特性における主要な因子を解明する。
マイクロ波を利用した有害大気汚染物質の処理に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部,熱エネルギー利用技術部,企画室長
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
(全体計画)
  1. マイクロ波制御吸着脱離手法の検討
    マイクロ波を照射しながら、吸着、脱離を制御する新規な分離・濃縮システムの開発を行うとともに、本方法に適した吸着剤の探索と最適化を行う。
  2. 新励起システムによる分解手法の検討
    マイクロ波、プラズマ等の励起化学的手法と触媒化学的手法を組み合わせた新規の大気汚染物質の分解・処理技術の開発を行う。
  3. 分離・分解システムの検討
    上記の2手法を総合的に検討し、有害大気汚染物質の排出抑制の新システムの構築を図る。
(本年度の研究内容)
 マイクロ波制御吸着脱離手法の検討では、昨年度に引き続きマイクロ波照射下での湿分とVOCの吸着脱離現象の把握に努める。特に本年度は2成分系の検討を行う。また、本方法に適した吸着剤の探索を引き続き行う。
 新励起システムによる分解手法の検討では、励起手法及び複合させる触媒法の検討に着手する。
コジェネ用内燃機関のNOx低減化に関する研究
[担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度
 コジェネ用内燃機関であるガスタービン、ガスエンジンのNOx低減化を図るために以下の研究を行う。
  1. ガスタービンから排出されるNOxを低減するためにハイブリッド触媒燃焼について 研究し、加圧条件下での触媒燃焼特性及び触媒後流での気相燃焼特性を明らかにする。
  2. 希薄燃焼ガスエンジンの排ガスから効率よくNOxを除去するた めに選択還元触媒を用いた排ガス処理触媒システムを開発する。
 本年度は、ハイブリッド触媒燃焼については、触媒燃焼器におけるメタンの燃焼特性を 確認するとともに、加圧下での燃焼触媒の特性を把握する。また、触媒燃焼後流での二 次燃焼について、基礎的な燃焼特性を明らかにするための実験を行う。排ガス処理触媒 システムについては、NOxの還元に有効な安全かつ安価な還元剤成分を明らかにする とともに、還元剤を改質するための触媒について検討する。
低温作動型触媒を用いたディーゼル排出粒子状物質の低減に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成13年度

(全体計画)
 ディーゼル排出粒子状物質低減のための低温作動型触媒および選択加熱型焼却システムの開発を目指し、以下の研究を行う。
  1. 低温作動型触媒の活性成分、担体の探索
  2. プロトタイプ触媒の基本性能の把握・改良
  3. 有害ガス成分の低減
  4. 選択加熱型DEP焼却システムの検討
  5. 試作DPFの実用性評価
(本年度の研究計画)
 炭素粒子の焼却を促進する触媒の活性金属成分を探索する。このため、金属成分を代表的な担体に担持した触媒試料を多数調製し、模擬DEPとしてのカーボンブラックあるいは実際のDEPと混合の上、熱分析測定を行う。これにより、炭素粒子の着火温度、燃焼速度に及ぼす効果を測定し、最も効果の高い金属成分を明らかにする。
また、活性金属成分が炭素粒子に到達して作用できるようにするため、活性成分を可逆的に吸収および脱着できる触媒の担体を探索する。
製錬廃水中セレンの高度除去処理技術に関する研究
[担当部署]素材資源部,水圏環境保全部
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

(全体計画)
 濃厚なセレンイオンを含む廃水の処理法として,強力で選択性のある還元剤の探索や有効な酸化−還元反応場の選択等の検討を行うことによって,新規な化学的還元法を開発する。また,希薄な廃水の処理法として,電解析出還元反応と光化学的還元法とを併用する光電気化学的還元法を新規に開発するための検討を行う。その後,これらの2つの方法を効果的に併用することによって,最適利用システムを開発する。

(平成8年度研究計画)
 化学的還元法においては、Fe(U)等の極めて有効な還元剤に対して、単独、あるいは、複合使用、触媒との併用等について、複雑モデル廃水・実廃水処理での最適条件を見いだす。光電気化学的還元法においては、TiOと有機還元剤共存系等の極めて有効な光電気化学的還元系の、複雑モデル廃水・実廃水に対する最適処理条件を見いだす。次いで、それぞれの還元方法の最適反応条件及び処理結果をもとに、処理対象廃水のSe濃度・共存イオン等の因子と各還元法との関係を比較・評価するとともに、連続プロセスの検討を行う。また、非常に微細な形状で生成する還元金属Seの凝集処理等、有効な除去法を開発する。
難分解性有害着色排水からのトリハロメタン前駆物質の高度除去に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部,素材資源部
[研究期間]平成7年度〜平成11年度

 公共水域に直接排出されることが多い比較的低濃度レベルの難分解性有害着色排水を対象とし、有害性要因物質を究明し、オゾン酸化による高度分解技術、新規高効率吸着剤による高度分離技術によるトリハロメタン前駆物質の高度除去技術について検討する。さらに、生物処理との複合化、新規高効率吸着剤の再生条件の検討を行い、これらの技術のシステム化による複合処理技術を確立する。

 本年度は、難分解性有害着色排水中のトリハロメタン前駆物質として市販の水溶性染料および界面活性剤から成るモデル排水を取り上げ、それらのオゾン酸化を行い、着色度、有害性(トリハロメタンおよび有機塩素化合物生成能)ならびに生物分解性の変化を把握するとともに、新規高効率吸着剤による有害性の除去について検討する。これらの結果から、前駆物質の構造と上記諸特性との相関性について検討するとともに、染料以外の各種成分の有害性への寄与を把握し、オゾン酸化および吸着における有害性の低減化過程を明らかにする。
新規化学物質を含む無機系産業排水の複合処理システムに関する研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度

 無機系産業廃水中で多様な化学種として存在するSb、Mo及びリン、窒素について、高度処理技術を確立するため以下の研究を行う。
  1. 凝集−ゼオライト吸着法による処理技術の開発
    凝集−ゼオライト吸着法では、新規ゼ オライトによる吸着と凝集を組み合わせた処理法について、凝集・吸着機構の解明と最適吸着条件、溶離条件、共存物質の影響などを検討し、低濃度までの効率的処理技術を開発する。
  2. クロマトグラフ法(IC法)による原料回収技術の開発
     クロマトグラフ法では、Sb、Moの選択的分離・溶離条件を開発するとともに、大量処理が可能な処理フロー及び選択的な処理・回収技術を開発する。
  3. 最適複合処理システムの開発
     凝集−ゼオライト吸着法とクロマトグラフ法について、実廃水に対応した効率的組み合わせを検討し、Sb、Mo、リン、窒素の最適複合処理システム確立の指針を得る。
 本年度は、凝集ゼオライト法については、最適凝集剤の探索とともに対象成分の化学種毎の吸着分離能を明らかにする。クロマトグラフ法においては、静電的イオンクロマトグラフ法について、充填材の両性イオン分子の選択を行う。また、対象成分のSb、Moの化学種毎の分離回収能を明らかにする。
沿岸生態系における内部生産物質の循環過程と環境影響評価技術に関する研究
[担当部署]環境影響予測部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成5年度〜平成9年度
  1. 東京湾の内部生産に係わる有機物の循環過程における低次生物および外来性有機物の寄与および湾口フロントにおける外来性有機物の物理的な輸送過程を明らかにし、数値計算モデルを評価する。
  2. 江奈の干潟に流入する陸起源の栄養塩の量的な寄与を評価する。
海域攪乱が内湾生物環境に与える影響評価技術に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度

 水深の浅い内湾では、陸域から流入した、あるいは湾内部において生産された有機物の大部分は海底に沈降・堆積し、多様な代謝機能を持つ底生生物群集により活発に分解・無機化されている。その過程で生成された窒素・燐等の栄養塩の一部は再び水中に回帰し、内部生産に使われる。海域攪乱は海底境界層の環境構造を大きく変化させ、海底境界層における物質循環過程及び底生生物の活性に対して大きな影響を与え、さらに内部生産にも大きな影響を与えている。本研究は、海域攪乱による海底境界層の環境構造の変動が、物質循環過程及び底生生物の活性に与える影響を解明することを目的とする。
 海底境界層の環境構造と物質循環過程及び底生生物の活性は相互に密接に関連しており、海域攪乱の影響を評価するためには、3者を同時に解析しなければならない。本研究では、現地調査と共に、現地調査から得られる情報に基づいて海底境界層モデル実験系を構築し、海域攪乱が海底境界層に与える影響を実験的に解析する。
  1. 東京湾湾奥部及び湾口において、非成層期(春)と成層期(夏)に現場調査を行い、海底境界層の環境構造のモニタリング手法を確立するとともに、環境構造の季節変化を把握する。
  2. 現場調査に基づいて設計した海底境界層モデル実験系の制作を行う。
  3. 海底境界層における物質代謝過程及び底生生物の活性の測定法について、引き続き検討を行う。
微生物による有害化学物質汚染環境の高度浄化に関する研究
[担当部署]首席研究官,水圏環境保全部
[研究期間]平成7年度〜平成11年度

 環境条件が分解経路・活性に与える影響を明らかにするため、異なる浄化現場や汚染環境での、種々の有機塩素系化合物の分解経路と速度を測定する。また膜分離リアクター等を用いて低濃度化合物に対する高い分解活性を持つ微生物の高密度培養系を調製し、そこでの種々の有機塩素化合物に対する分解経路と速度を、先の汚染環境での結果と比較検討し、低濃度における分解微生物と分解・変換反応の特徴を明らかにする。さらに遺伝子の種類と量の解析から、分解生物群の活性と分解能力を評価する方法を検討し、浄化現場の制御・モニター法を確立する。以上の検討を基礎として、ベンチスケールのモデル浄化系での高度処理の実証を行う。
 今年度は、有害塩素化合物の還元的脱塩素反応に対する化合物の化学構造の影響、環境条件が有害化学物質分解微生物群の分解能力に与える影響、およびその微生物群の生物活性全般を特徴づける方法について検討する。
難燃性高分子有機材料の分解処理技術の開発に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部,エネルギー資源部
[研究期間]平成7年度〜平成11年度

(全体計画)
 難燃性高分子有機材料の分解処理を目指して、1)〜3)の研究を実施する。
  1. 水素化分解触媒の開発:耐熱性熱可塑性樹脂と溶媒との分子間水素移動促進触媒の設計指針を得る。
  2. 有害生成物抑制技術の検討:窒素、りん、ハロゲン等のヘテロ元素を含む高分子材料からの有害化学物質の生成を抑制する反応条件を明らかにする。
  3. 生成油の性状評価:難燃性高分子有機材料の水素化分解で得られる生成油の性状評価を行い、マテリアル/ケミカル・リサイクルの方途を検索する。
 1.〜3.の研究を総括し、難燃性高分子有機材料の分解処理のプロセス化に対する要素技術を確立する。

(本年度の研究計画)
 りん酸系や有機臭素系の難燃剤を含有する樹脂の水素化分解におけるりんや臭素の反応挙動を明らかにして、生成油中のヘテロ原子の含有率を抑制する触媒を開発し、反応条件の最適化を行う。
高速嫌気性消化法を利用した食品工場からの廃棄物処理技術に関する研究
[担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度

 食品工場から排出される廃棄物を流動化し、さらに嫌気性消化に最適な条件を検討する。回分培養による実験から、流動化物の液相が嫌気性消化に効率的であることが明らかになったため、流動化物の液相を消化槽に連続的に供給し、グラニュラー法(UASB法)により高速処理する技術を検討する。メタンを効率よく得るための最適な消化温度、液相濃度、液相の供給速度等を検討し消化速度の向上を目指す。
 さらに消化後の生成ガス・処理水等の分析を行う。これらの研究により、高速嫌気性法の確立を目指す。さらに、得られたメタンや固体燃料のエネルギーを利用することにより、環境調和型のエネルギー自立型・低コスト処理法を実現する。
産業廃棄物処分における化学物質安全管理技術に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度

(全体計画)
  1. 監視型アクティブバリヤーの検討
    電気化学反応等を利用して環境媒体中の有害化学物質を選択的に捕集 ・無害化する監視型アクティブバリアーに関して研究を行う。
  2. 局部人工熱変成による遮蔽システムの検討
    反応性化学物質を用いて局部的な人工 熱変成帯を形成し、周辺環境 との物理的な隔絶を可能にする遮蔽システムに関して研究を行う。
  3. 高精度モニタリング技術の検討
    弾性波・比抵抗トモグラフィーを組み合わせて化学物質の漏洩位置 を正確に標定する高精度モニタリング技術に関して研究を行う。
  4. 環境特性アセスメント技術の検討
    地盤環境媒体における化学物質の移流・分散特性 及び上記要素技術の効果を検証する環境特性アセスメント技術に関して研究を行う。
(本年度の研究内容)
 地盤環境中の有害化学物質を捕集・無害化するための最適な電極の電圧や形状、高温高圧反応により周辺環境との物理的な隔絶を可能にする反応性物質の選定、弾性波を用いた高精度モニタリング技術の基本コンセプト、及び地盤環境中の有害化学物質の移流・分散特性の評価 ・解析手法について検討する。
工場等における揮発性有機塩素化合物の連続監視技術に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部,安全工学部
[研究期間]平成7年度〜平成10年度

 揮発性有機塩素化合物の連続監視方法として、化学発光センサ及び水晶振動子センサを開発する。このため選択的な化学発光系の探索や試薬の固定化法、水晶振動子の表面改質・誘導体化による機能性薄膜の作成を行う。また、開発した連続監視方法を、半導体工場やクリーニング事業所等の大気排出口や排水処理装置、監視井戸に設置して、その実用性を検証する。

 本年度は、プロトタイプのセンシングシステムを作製し、現場に適用して問題点を明らかにして、その改良を行うことを目標とする。このため、本年度の上半期において、化学発光センサに関しては、従来の光電子増倍管に代えて半導体型光学素子(フォトダイオード)を用いて小型化を進めるとともに、固体吸着剤や光触媒による干渉成分の除去技術を開発する。水晶振動子センサに関しては、前年度より始めたLB膜法による機能性薄膜の作成法を確立するとともに、測定周波数を最適化することにより感度の向上を図る。本年度下半期において、これまでの成果を基にプロトタイプのセンシングシステムを試作し、現場に適用して問題点を明らかにして、その改良を行う。
汚染土壌における有害物質の計測・評価手法の高度化に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成7年度〜平成11年度

(地質調査所)
  1. 試料の組成解明の研究汚染土壌中の有害元素の存在形態別定量法を研究し、主・微 量成分の化学組成を解明する。
  2. 試料の安定性評価手法の研究試料の吸ガス、酸化変質などの影響評価と変質抑制法 を研究する。
  3. 溶出手法の高度化の研究汚染土壌の物理的、化学的前処理法及び固体試料の調製法 を研究する。
(資源環境技術総合研究所、中国工業技術研究所)
  1. 溶出特性解明の研究種々の環境条件における有害物質の溶出挙動を解明する。
  2. 最適溶出手法の研究ICP発光分析法、ICP質量分析法、ガスクロマト グラフ質量分析法な どによる多成分・高精度分析手法を開発する。
  3. 溶出手法の高度化の研究溶出挙動の解明及び最適分析手法の開発を基に、汚染土壌 中の有害物質の最適、高精度の溶出法を確立する。
本年度当所では、汚染土壌における種々の溶出条件におけるニッケルの溶出挙動を解 明する。また、各成分の溶出特性を明らかにし、ICP発光分析法、ICP質量分析法、原 子吸光法、ガスクロマトグラフ質量分析法 等を検討し、溶出成分の多成分、高精度分析法を検 討する。
パルプ産業におけるダイオキシン等有機塩素化合物の生成機構の解明ならびに生成防止技術、除去・無害化技術の開発に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部,環境影響予測
[研究期間]平成6年度〜平成10年度

  これまで、処理されずに環境に放出されていたパルプ排水中の有機塩素化合物が除去できる、新たな処理法を開発するため以下の研究を行う。
  1. フェノール酸化酵素やリグニン分解酵素で酸化したときの反応生成物の構造を明ら かにするとともに、反応性の検討から最適酵素を明らかにする。反応生成物の高分子 凝集剤による凝集性および凝集機構を明らかにし、酵素と高分子凝集剤の最適併用法 を明らかにする。
  2. 有機塩素化合物の嫌気性微生物群による分解性・分解経路を明らかにするとともに、 栄養条件等の最適化を行う。有機塩素化合物を含む凝集沈殿物に対し、凝集剤を栄養 分として、有機塩素化合物を分解・無害化できる嫌気性微生物処理の最適条件を明ら かにする。
  3. 酵素と凝集剤による凝集処理と、嫌気性生物処理によるパルプ排水中の有機塩素化 合物に対する最適処理システムを確立する。
(平成9年度の研究計画)
 フェノール酸化酵素やリグニン分解酵素による多塩素置換クロロフェノール類とクロログアヤコール類の処理を検討する。さらに、アミノ基を有する新規な凝集剤の開発を行い、その生分解性と凝集性能を評価する。  新規に合成した高分子凝集剤による凝集沈殿物の嫌気的分解を検討する。構造と分解の関連を検討するとともに、実用化のための運転条件、速度係数を求める。


【産業公害防止対策に必要な経費】



大気汚染シミュレ−ションモデルの開発
[担当部署]環境影響予測部,大気圏環境保全部
[研究期間]平成9年度

 本年度はSOx、NOx高濃度時の濃度予測モデルの高度化を図ると共に、複雑地形下での局地的な短時間濃度シミュレ−ション数値モデルを開発する。
 関東地域を対象として、粉じん等の組成別環境濃度のシミュレ−ション計算を行い濃度予測・評価手法の開発と高度化を図る。
 また、有害大気汚染物質予測手法の開発のため、昨年に引き続き、各通産局と協力して、首都圏他において有害大気汚染物質の調査を行うとともに、拡散モデルによる濃度試計算を行う。
 さらに、非汚染地域での浮遊粒子状物質、有害大気汚染物質の調査を行い基礎的デ−タを収集する。
水質汚染予測手法開発
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度
  1. 水質汚染予測シミュレーション
     昨年に引き続き、数値実験は大分湾について実施する。特に、季節変化に着目したモデルを開発する。
  2. 観測データの解析手法に関する研究
     大分湾及び三河湾の産業公害総合事前調査で得られたデータから地先海域の生態系と流動等の特徴を的確に抽出できる解析手法の研究を行う。


【国際特定共同研究】



環境保全用バイオマスプランテーションで育成されたユーカリの総合利用に関する研究
[担当部署]温暖化物質循環制御部
[研究期間]平成7年度〜平成9年度
[相手先機関]CSIRO・森林総合研究所,オーストラリアMFP(オーストラリア)

(全体計画)
 オーストラリアの環境保全用プランテーションで育成された樹木について、オーストラリア側は、樹木の特性評価を行い、樹皮等から新素材の開発を行う。日本側は、熱水抽出等による有用ケミカルズ成分分画の分離・抽出を試みる。また未利用部分について、液化、ガス化による燃料製造を試み、樹木の総合利用を図る。

(平成9年度の研究内容)
 国内研究:(1)急速加圧熱水抽出処理装置を用いて木材を原料とし、熱水処理を試みる。特に樹皮部については、アルカリ塩等を添加し、より高収率でタンニン分画を得ることを試みる。(2)ユーカリのガス化を行う。
 国外研究:得られたケミカルズの性状調査研究を行う。また環境保全用多種混在型プランテーションの実態調査を行う。
ライフサイクルアセスメント(LCA)の研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成9年度
[相手先機関]スイス連邦材質試験・調査研究所

 日本側、相手機関側双方とも、自ら開発したソフトウェアを用いLCAデータベースを構築する。両国のデータベースの相互比較を行うため、日本側の研究官が相手機関を訪問し議論を行う。その際に、排出物として考慮すべき項目等のデータの統一性、データ整理方法の統一化を図り、国際的に交換可能なデータベースの在り方を検討する。
 また、各国研究機関での環境影響評価手法の比較を行い、LCAで取り扱う影響の決定、その相互比較の手法について検討する。
電磁波の機器・生体影響に関する研究
[担当部署]安全工学部
[研究期間]平成9年度
[相手先機関]カロリンスカ研究所(スウェーデン)

 事務所・家庭等における各種電気機器の電磁波発生特性(電界強度、周波数、発生源の特定等)を調べ、各種電気機器の誤動作条件との関係について情報収集や意見交換を行う。さらに、電磁波発生環境下において動物や生物を使った体温変動(表面温度変動)、白血球の変動等について資料収集や情報交換を行う。
 共同研究の具体化についても討議し、研究体制、研究分担等を検討し、その予備的研究を行う。
ケミカルフラクチャリングによる岩盤破砕効率の向上に関する研究
[担当部署]安全工学部,地殻工学部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
[相手先機関]オーストラリア ニューサウスウェールズ大学

(全体計画)
 化学薬剤(ドデシルアンモニウムブロマイド、ポリエチレンオキサイド等)を添加した条件下で、岩石及び石炭のき裂成長に及ぼす効果を検討し、き裂進展を最も活性化させる条件を大気圧高温環境、高圧環境下で明らかにする。また、AE計測、ζ電位計測等によって溶液−鉱物系で発生する現象のメカニズムについても検討を行う。
 化学薬剤添加の条件下で岩石・石炭の切削実験、水圧破砕実験を行い、岩石破砕への効果を定量的に検討する。
 ケミカルフラクチャリングを炭層内ボーリング(in-seam drilling)に適用するための掘削試験を行う。

(平成9年度の研究内容)
  1. 国内研究
    常温から高温下で化学薬剤を添加した条件で堆積性岩石(砂岩)と結晶質性岩石(花崗岩)の破壊靭性試験(ダブルトーション試験)を実施し、き裂進展速度とアコースティックエミッションの計測から、岩石のき裂進展に及ぼす薬剤の効果を明らかにする。また、岩石構成鉱物と溶液界面で発生する流動電位との関係を検討する。
  2. 在外研究
     大気圧・高圧下で化学薬剤を作用させた条件で石炭の破壊実験を実施し、石炭のき裂進展に及ぼす薬剤の効果が、試験圧力条件によって発生する破壊モードの変化によって如何に影響されるかを明らかにする。
海洋環境中強毒性汚染物質の超高感度分析システムの開発
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成9年度〜平成12年度

 キール大学海洋研究所と共同で開発している現場ろ過/吸着型採水器 を日本海、北海、バルト海に適用し、その結果をフィードバックすることで、よりパフォーマンスの高い装置を開発する。同時に外洋海水中の超微量有害有機物質の基礎データを集め、海洋環境中での動態把握を試みる。また、これらの試料中のダイオキシン類の高精度分析を可能にするために、多次元ガスクロマトグラフを用いた特定成分の取・濃縮法を開発し、環境指標・リスクアセスメント上重要な強毒性成分の高感度測定法を確立する。さらに、ダイオキシン類の海洋動態分 を明らかにするために、モデルフィールドとなる閉鎖性水域として、日本海とバルト海を比較し、その汚染源及び挙動を支配する要因の解明を試みる。


【国際産業技術研究事業】



集じん技術の評価と迅速測定法に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部
[研究期間]平成8年度〜平成11年度
[相手先機関]中国 煤炭化学研究総院 抗州環境保護研究所

(全体計画)
 石炭燃焼に伴って生成するばいじん対策として重要な集じん装置の性能及び煙突からのばいじんの排出実態を迅速に評価するため、ろ過秤量法に基づく煩雑な現公定法(JIS Z 8808)の簡易化を図る。また、β線吸収法による比較的短時間の試料採取でばいじんの質量濃度を測定できる手法、排ガス希釈法と光検出法などを組合せることにより直ちに相対濃度が測定できる手法について検討する。これらの装置の開発に際しては、中国に適した固定発生源での環境対策に資する計測技術を、一方我が国においては今後普及が見込まれる高温集じん技術に適した評価法を考慮して検討する。

(平成9年度の研究内容)
1.国内研究
  1. 集じん技術の実態調査及び評価手法の検討
  2. 現公定法の簡易化に際しての問題点等の検討
  3. ろ過秤量式迅速測定装置の現場性能試験
  4. 光検出式迅速測定装置の設計・試作
2.在外研究
  1. 中国炭及び燃焼ダストの性状に関する調査及び検討
  2. 中国における集じん装置の実態調査
  3. ろ過秤量式迅速測定装置の現地実用化試験
パルプ排水中の有害有機塩素化合物の除去に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部,環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
[相手先機関]コンセプション大学(チリ),華東理工大学(中国),ペンシルバニア州立大学(アメリカ)

 途上国に適した新しい処理法を開発するため、次の研究を行う。
  1. 国内研究
     各国のパルプ排水を分析し、含有する有機塩素化合物の濃度や組成を明らかにする。次に、種々のフェノール酸化酵素やリグニン分解酵素による有機塩素化合物の反応性及び反応生成物の構造と反応機構を明らかにする。次に、種々の凝集剤で酵素反応生成物を処理し最適凝集剤を明らかにする。
  2. 在外研究
     各国のパルプ排水処理の現状を調査するとともに、排水を採取し、簡単な分析を行い、日本での分析の前処理を行う。また、実排水の酵素と凝集剤による処理性を明らかにする。日米科学技術協定に基づく共同研究で、酵素による有害化学物質の処理の研究を行っているペンシルバニア州立大学と共同で処理性の評価を行う。
(平成9年度の研究計画)
  1. 日本側
    パルプ排水の分析を行うとともに、既存の凝集剤による処理効果を明らかにする。
  2. 相手国
    チリ及び中国のパルプ排水による汚染の現状を調査するとともに、排水の成分分析を行う。ペンシルバニア州立大学とは酵素処理について情報交換する。
東アジアにおける酸性雨に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成12年度
[相手先機関]中国環境技術研究院大気環境研究所,中国科学院大気物理研究所,韓国科学技術研究院
1.日本
2.相手国
(中国環境科学院大気環境研究所)
(中国科学院大気物理研究所)
(韓国科学技術研究院)
東欧における資源リサイクル技術に関する研究
[担当部署]素材資源部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
[相手先機関]ポーランド科学アカデミー環境技術研究所,チェコ工科大学,チェコ環境管理センター,チェコ科学アカデミー化学プロセス基礎研究所,ハンガリー科学アカデミー化学工学研究所

(全体計画)
 研究の対象は固体の産業廃棄物で、対象物の物性評価、有価物の回収に必要な前処理技術、物理的および化学的分離技術の検討を行い、各種の組み合わせにより対象に応じた最適プロセスの設計を行う。

(平成9年度研究計画)
  1. 国内研究
     それぞれの国情に基づく廃棄物の性状に応じた分離技術の選択とその最適システム化についての検討を行う。
  2. 在外研究
     ポーランド,チェコ,ハンガリーでそれぞれ異なった廃棄物の性状調査を行う。また、同時にその物性評価手法の確立と粉砕・単体分離などの前処理技術の方法を探る。
南米に賦存する重質炭化水素資源の分解技術に関する研究
[担当部署]エネルギ−資源部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
[相手先機関]ブラジル石油公社ペトロブラス

(全体計画)
  1. 国内研究
     マリム減圧残渣の水素化分解におけるコーキング機構、ドライスラッジのキャラクタリゼーションを調べ、コークやスラッジの生成を抑えた減圧残渣の水素化分解技術に必要な基礎データを提供する。
  2. 在外研究
     国内研究で得た研究データをもとにサオマテスドサル地区にあるペトロブラスのパイロットプラントを使用し、減圧残渣水素化分解試験を実施し、工業的データを得る。
(平成9年度研究計画)
  1. 国内研究
     マリム原油および減圧残渣の組成、性状分析を行うとともに、水素化分解で生じた、コーク、スラッジの組成分析を行い、原料減圧残渣の分解特性を把握する。
  2. 在外研究
     パイロットプラントによる減圧残渣の水素化分解運転条件とコーク生成、および生成油中のドライスラッジの関係を明らかにする。





はじめに
特別研究
指定研究
経常研究
環境庁関連
科学技術庁関連
特定調査研究


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平成11年度
平成10年度
平成 9年度

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