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平成9年度研究計画

平成9年度

環境庁関連研究


【地球環境技術総合推進費】


PSCsキャラクタリゼーション及びハロゲンリザーバー分子との相互作用の解明
[担当部署]大気圏環境保全部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
 極成層圏雲を模擬した環境でのPSCs候補物質の水蒸気圧、温度、圧力、微量成分気体濃度の変化等の環境条件に対する応答について調査し、PSCsとして最も確実な候補物質を明らかにする。ADEOS衛星(みどり)から得られたスペクトルを再現するための模擬PSCsの組成及び性状について検討する。これらの物質のハロゲンリザーバー分子との相互作用について検討し、PSCsとして最も確からしい結晶相での不均一反応を光学的手段及び質量分析によって明らかにする。

(今年度の計画)
 前年度に引き続きPSCs候補物質の生成条件、存在条件及び相変化の起こる条件を極成層圏の環境下で検討し、環境条件と物質の遷移との関係を取りまとめる。 PSCs候補物質の光学的な定数(屈折率、反射率等)を実験的に求める。
 ハロゲンリザーバー分子(HCI及びCIONO)と模擬PSCsとの相互作用(反応生成物、模擬PSCsの性状の変化等の解析)について検討する。
 ADEOS衛星(みどり)のILAS機器で得られた極域のエアロゾルのスペクトルデータと模擬PSCsのスペクトルとの比較を行い、極域のエアロゾル組成の推定を行う。
臭素系化合物等分解技術の開発と評価に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部,温暖化物質循環制御部,企画室長
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
 触媒分解、プラズマ分解、光分解の各方法に関し、分解効率向上及び有害副生物の生成抑制を図るための基礎的、技術的検討を行い、臭素系化合物分解法としての適用性を評価する。

(本年度の研究計画)
 各方法について以下の研究を行う。
  1. 触媒分解法:触媒探索を引き続き行うと共に、触媒調製条件や反応条件を変化させて活性点や反応機構を検討し、適切な反応条件の指針を得る。
  2. プラズマ分解法:反応雰囲気ガス、反応ガスの滞留時間、二次電圧等の反応制御因子が臭化メチル等の分解効率、生成物分布等に与える影響を明らかにする。
  3. 光分解法:前年度に開発した光触媒を用いて臭化メチル等の分解実験を行い、反応中間体の同定等に基づいて光触媒の改良を図る。さらに、触媒形状や反応装置の最適化について検討する。
臭化メチル等の吸着回収技術に関する研究
[担当部署]熱エネルギー利用技術部,大気圏環境保全部,企画室長
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
臭化メチル等を吸着回収する技術を開発するために、各種原料からの高性能吸着剤の最適製造条件を明らかにするとともに、固定層の吸着装置を用いた、臭化メチル等の最適吸着、脱着技術の検討を行う。

(本年度の研究計画)
原料、製造条件等を変化させて炭素系吸着剤の製造試験を引き続き行い、賦活機構を検討するとともに、賦活時の高温反応に関するデータの蓄積を図る。
吸着剤の基礎物性および臭化メチル等の吸着特性の測定も継続して行い、各種ガスに対する吸着剤の最適製造条件の把握を行う。

【地球の温暖化(現象解明)】


森林生態系を含む局地気候モデルによる局地気候変動に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度

 資環研メソスケールモデルに水文過程、森林生態系モデル、都市モデ ルを組み込む。森林生態系モデルについては、その蒸散作用や光合成速度について気象条件や二酸化炭素濃度に対する応答を実測に基づきパラメタライズする。グローバル気候モデルの結果を分析し、局地気候モデルに組み込む外的条件についてのシナリオを設定する。シナリオに基づき、メソスケールでの水循環、森林生態系の変化、産業活動の森林生態への影響などについての分析を行う。
二酸化炭素フラックスと同位体比測定による冷温帯林生態系におけるモデル化と予測
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
 岐阜県高山市の冷温帯林に設営された観測タワーおよび調査区域に おいて、岐阜大学農学部と共同で調査研究を行う。同観測フィールド においてCO濃度・フラックス、気象の通年観測を継続して行い、長期データを蓄積する。並行して、土壌、地上および上空の空気を系統的に採取し、CO濃度およびCOの炭素・酸素同位体比の変化の関係を明らかにする。これら観測結果と数値モデルの計算結果を比較し、モデルのパラメータの最適化および一般化を図る。また、岐阜大学により実施されている森林生態学的な調査手法による結果と比較し、両手法の相互検証を行う。

(今年度の研究計画)
  1. 観測タワーによるCOのフラックスの通年観測を継続して行いデ ータを蓄積する。
  2. 大気及び土壌空気のCO濃度及び同位体比測定を定期的に行う。
  3. CO濃度・フラックス・同位体比の季節変化と葉面積指数、土壌呼吸量、落枝・葉量等の季節変化の関係を調べる。
  4. タワー観測と数値拡散モデルの比較を行い、観測結果の代表性を調べる。
対流圏移流拡散モデルによる炭素循環の変動予測モデルの研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
 資源環境技術総合研究所の開発した全球大気微量成分の輸送拡散モデルを用いて大気圏を中心としたCO循環を調べる。
大気圏でのCOの収支には(1)化石燃料の燃焼と森林伐採による人為的な放出、(2)海洋との相互作用、(3)植物圏との相互作用が重要である。それらの発生・吸収量(フラックス)を本課題の研究成果をまとめたデータセットに取り入れて評価する。
 本研究ではヨーロッパ中期予報センターの客観解析データを使用して移流拡散モデルを運用する。

(本年度の計画)
  1. 定常状態を仮定した陸域生態系と大気との間のCOフラックスの月別全球分布の推定。
海洋表層二酸化炭素分圧と海洋パラメーターの定量化に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

(全体計画)
 本研究の目的である「北太平洋のCO吸収モデルを確立し、最終的には全海洋CO吸収モデルの開発を目指す」ために、現在の海洋表面水中の二酸化炭素分圧の分布を支配している物理・化学・生物過程を詳細に検討し、それらの過程を表すパラメーターと海水中二酸化炭素の関係を定量的に表現する関係式を見出す。

(平成9年度の研究内容)
 平成8年度に収集したデータを基に、北太平洋での水塊構造と二酸化炭素分圧との関係を調べる。さらに、特徴ある海域に分け、それぞれの海域毎に水温、塩分、クロロフィルa等、物理、生物過程を表すパラメーターとの比較を行う。
対流圏エアロゾルの組成と光学特性に関する研究
[担当部署]大気圏環境保全部究
[研究期間]平成8年度〜平成10年度
 本年度は組成分析のためのSCDや呈色反応検出器と粒径分析器をまとめてシステム化するための装置の設計と組立を行い、硫酸ミストを発生させ、検出限界濃度、ノイズを検討し、改良を図る。また、光学特性については対流圏エアロゾルを模擬したエレメンタリカーボンの含有量などを変化させた粒子を発生させ、散乱光の角度分布から屈折率の波長依存性などの光学特性を検討する。
 最終年度は実際の対流圏において浮遊する微粒子の組成と粒径分布の測定を行うとともに光学特性の解析を継続的に行う。
土地利用変化に伴う二酸化炭素等の収支に関する現地調査研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度
 資源環境技術総合研究所は森林の農地化・2次林化に伴う大気微量成分の収支測定を分担し、それらのデータセットを整備し、モデル化に資する。衛星データから農地化・2次林化した地域を選び、現地において二酸化炭素のフラックスと土壌の炭素と窒素の変化と関連した気象要素の測定を行う。土壌成分の分析と土壌から大気へのフラックスの測定には、チャンバー法を用いる。窒素収支では安定同位体比の測定により窒過代謝過程を調べる。二酸化炭素の被覆層から大気へのフラックスは観測塔を利用した渦相関法(点観測)と空気力学法(面観測)により測定する。現地共同研究相手機関と協力して長期的測定と気象条件等の環境条件の変化による長期的影響を調べる。
 これらの測定結果をもとに、各気体の発生・吸収に関する植生、土地利用状況を考慮したデータベースを作成し、温室効果気体の大気へのフラックスの評価モデルに資する。

(本年度の計画)
 研究対象地域での通年観測の実施とモデル検証のためのデータ・セットの整備。
広域における温室効果ガスの収支のモデル化とその影響評価に関する研究
[担当部署]環境影響予測部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度

 資源環境技術総合研究所は森林の農地化・2次林化に伴う大気微量成分の収支測定を分担し、それらのデータセットの整備とモデル化を担当する。
 温室効果気体の収支の測定と同時にこれらに係る気象条件・土壌状態を測定し解析する。これらの測定結果をもとに、各気体の発生・吸収に関する植生、土地利用状況を考慮したデータベースを作成し、土地利用変化による温室効果気体の収支を評価する境界層輸送モデルを作成する。
 地上における点観測を人工衛星からの面的な測定に対応させて全球的な収支モデルの計算に必要なデータベースを作成する。
 これにより土地利用の変化が地球温暖化や大気化学過程・熱収支過程に与える影響の評価を行う。

(本年度の計画)
現地観測データを用いた全球拡散モデルの試算
微量ガス抑制のための燃焼システム対策技術
[担当部署]熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成7年度〜平成9年度

 廃棄物燃焼に多用される流動層燃焼、バイオマス・廃棄物燃焼に用いられる固定層燃焼における,NOおよび微量ガスの発生量を小型装置により測定する。
 燃焼条件を実燃焼装置の範囲を超える領域まで拡張し,NOおよび微量ガスの発生に対する効果を調べ、生成・消滅メカニズムをより詳細に調べる。
 これらの知見を総合し、燃焼装置におけるNOの低減化技術を見いだし、小型装置により実証する。
森林系バイオマスとバイオマスエネルギー利用による炭素固定機能に関する研究
[担当部署]温暖化物質循環制御部,エネルギー資源部
[研究期間]平成8年度〜平成10年度
 本研究では、森林バイオマスの利用による地球温暖化の軽減を計量的に評価する研究の一環として、バイオマスエネルギーの適用可能性評価を行う。そのために、エネルギー資源となるプランテーションバイオマスの植栽可能面積の検討、バイオマスの生産と供給のエネルギー収支、エネルギーへの各種変換利用技術の比較検討を行うと共に、バイオマスエネルギーの導入が環境に及ぼす影響を検討する。
 平成9年度は、前年に引き続き、植林によるバイオマスの生産、供給の可能性に関するデータの収集・整理を行う。これまで土地面積に一定のファクターをかけて機械的に算出されてきた植林可能面積について、各国ごとに可能面積を推定し、これから生産されるバイオマス量を見積もることを試みる。またバイオマスのエネルギーへの変換技術の現状調査を行い、変換効率に関するデータを収集する。
未来型小規模エネルギー供給技術に関する研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 都市の多様な特性と需給のバランスを考慮したシステム化を念頭におき、燃料の採掘、 技術的モジュールの製造などを考慮し、技術の導入によるCO排出削減効果をライフ サイクル的に評価する。
  1. 燃料電池とその周辺技術である熱電変換機器などの利用の温暖化抑制効果を評価する。
  2. 太陽光発電、太陽熱利用ケミカルヒートポンプなど小規模分散型の自然エネルギー供 給技術の都市内での将来的利用可能性を定量的に評価する。
平成9年度は、次の項目を実施する。
1.燃料電池の利用とその周辺技術の検討
2.都市内自然エネルギーの利用の検討
都市の熱エネルギーバランスの評価モデル開発
[担当部署]エネルギー資源部,環境影響予測部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 エネルギー消費の結果であり指標ともなる人工熱を中心として、都市の熱収支構造を観測的に解明し、都市構造に関する諸パラメータとエネルギー消費・熱収支を関係づけるシステムモデルを構築する。具体的には、
  1. 多様な土地利用や建造物が複雑に分布する市街地における熱収支の諸要素を野外観測によって実測し、実態の解析を行う。
  2. それらの解析結果に従って重要なパラメータを抽出し、都市を包括する熱・エネルギー・気象・大気汚染システムのモデルに結び付ける。このため、建築・市街地構造の熱収支モデルおよび局地気象モデルを整備するとともに、これらの仲立ちをする都市キャノピーモデルによってシステム化をはかる。
 平成9年度は、低層ビル街を中心に、街区の熱収支観測を行うとともに、エネルギー消費量・人工熱生成量などのデータを都市構造の関数として設定し、都市システムモデルの入力データの基礎を整備する。また、局地気象モデルを用いた都市効果解析の試みを進めつつ、都市キャノピーモデルの組み込みを検討していく。
高硫黄分炭を対象とした簡易脱硫技術に関する研究
[担当部署]統括研究調査官,熱エネルギー利用技術部
[研究期間]平成9年度〜平成11年度
 中国南西部で産出される高硫黄分炭(S分5%以上)をベンチスケール規模の循環流動層燃焼装置で燃焼させ、中国産の石灰石で炉内脱硫を行う場合の燃焼挙動、脱硫挙動を調べ、高硫黄分炭の炉内脱硫を行う場合の問題点を明らかにする。
また、中国産石灰石の脱硫特性を熱天秤等により詳細に検討し、中国産石灰石の脱硫剤としての特性を明らかにする。この結果を基に脱硫率向上の可能性を探索する。
 さらに、炉内脱硫以外の方法として、排ガスの低温脱硫を循環流動層により行う方式について検討する。本年度はまず、基本的な運転特性を明らかにする。
東アジア海域における有害化学物質の起源と蓄積に関する研究
[担当部署]水圏環境保全部
[研究期間]平成7年度〜平成9年度
 東アジア海域の底質試料やマッセル試料中の有機スズ化合物、有機ハロゲン化合物を分析する。これらのデータに基づいて、各海域に放出された有害化学物質の行方と起源を有害化学物質の種類と濃度、異性体パターンなどから推定する。また、現場ろ過により溶存態と懸濁態を分別して定量することにより、有害化学物質の海水から底質への除去過程と蓄積過程を明らかにする。
 平成9年度は、現場ろ過による調査地点を増やすことにより、海水から底質への除去と蓄積過程の一般化を図る。東アジア海域の底質試料やマッセル試料中の有機スズ化合物、有機ハロゲン化合物を分析する。これまでの東アジア海域各地の測定結果を基に各海域に放出された有害化学物質の行方と起源を有機ハロゲン化合物の濃度、異性体パターンなどから推定する。
中国の砂漠化土壌改良のための脱硫石膏の有効利用に関する予備的研究
[担当部署]エネルギー資源部
[研究期間]平成8年度〜平成9年度

(平成9年度計画)
  1. 情報の収集
     中国における大面積の圃場試験候補地の近傍を中心に、気象条件、農林業の実態、土壌等に関する文献等の情報をさらに収集する。
  2. 土壌改良の小規模試験
     昨年度に引き続きとうもろこしの連作試験、および小麦による輪作試験を実施し、脱硫石膏の効果の継続性を確認する。また、簡易型半乾式脱硫装置から得られる石膏のアルカリ土壌改良効果を確認する。
  3. 現地事業計画の作成
     中国における大面積の圃場試験のための現地事業計画を作成し、中国側の協力の確認を得る。





はじめに
特別研究
指定研究
経常研究
環境庁関連
科学技術庁関連
特定調査研究


平成12年度
平成11年度
平成10年度
平成 9年度

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