1.論文題名/要約
1.6.廃棄物
バイオマス廃棄物の燃焼性について (おが屑、ミカンの皮の見掛けの燃焼性状)
(資源と環境 4,(6), 443-449)
大柳富夫
乾燥したおが屑及び乾燥したミカンの皮を粉砕して粉状にしたものを燃料に用い,粒子径範囲をおが屑では0.075〜2.0mm迄のものを5段階に,ミカンの皮では0.15〜2.0mm迄のものを4段階に衝い分けして試料とした。これらを一定炉長の電気炉内で空間燃焼及び火格子上での燃焼を行わせ,見掛けの燃焼性状を実験的に調べた。
空間燃焼においては,炉温を700〜950℃,電気炉内空気流速を0、1及び2m/sに変化させ,燃え切り率及び燃焼速度係数の測定を行った。燃え切り率に及ぼす粒子径の影響は,粒子径が大きくなるほど燃え切り率が悪く,おが屑よりもミカンの皮の方が悪くなる度合いが大きい。また,炉温が高くなるほど燃え切り率が高くなるが,その上昇の度合いは小さい。燃焼速度係数の値は,おが屑及びミカンの皮共に粒子が大きくなるほど高くなる。燃焼速度係数に及ぼす炉温の影響はほとんど見られない。おが屑及びミカンの皮共に燃焼速度係数の値は,10-3〜10-2のオーダである。火格子上での燃焼ではその値は,10-5〜10-4のオーダである。さらにおが屑のみを対象として含有水分量の燃焼性状に及ぼす影響を調べた。
エアテーブルによるプラスチック混合物の分別
(資源と環境 4,(5), 391-396)
大井英節・荒井 怜・菊地英治・伊藤信一
回収されたプラスチック混合物中にポリ塩化ビニル(PVC)が含まれていると,プラスチックのマテリアルあるいはエネルギーリサイクルに支障をきたすことが多い。そこで,プラスチック混合物中のPVCを分別する方法が研究されてきた。しかし,プラスチック間の物理的性質には大きな差がなく,それらの分別は困難で,現在までのところ,その適切な分別法は確立されていない。以上のような理由から,本論文ではエアテーブルを使用することにより,プラスチック混合物中のPVCを分別する可能性を基礎的に検討した。この実験には,ABS樹脂(ABS),PVCペレットを各々80.0%,20.0%混合した模擬試料を使用した。この模擬試料中の両ペレットの形状と大きさは,ほとんど同じであるが,密度については,PVC (1,400kg/m3)の方が, ABS(1,100kg/m3)より僅かに大きい。このわずかな密度の違いがあれば,エアテーブルによりそれらを互いに分別できることが分かった。このエアテーブルの振動デッキの傾斜角,振動数および空気流速の,両プラスチック・ペレットの分別に対する影響を検討した結果,振動デッキの傾斜角を6.1度、振動数を550min-1、平均空気流速を0.5m/sに設定した場合,PVCの含有率が4.8%以下のABS産物を,98.0%に及ぶ回収率で分別できることが認められた。
先端産業廃棄物の処理に関する研究 −プリント已線基板廃棄物からの有価金属の回収−
(資源と環境 4,(5), 397-404)
斉藤 勇・田中幹也・坂本 宏
コンピュータ廃棄物中のプリント配線板(PWB)にはAu,Agなどの貴金属とCu,Fe,Pb,Zn,Al,Ni のベースメタルの他に種々の金属が含まれている。本報告は,PWB粉砕物の磁選処理および浸出処理の実験結果である。
PWBの乾式(粒径+149μm)および湿式磁選(-149μm)処理により,概してFe,Niは粗粒部分に,プラスチックス,Al,SiO2などは微細粒子の非磁性部分に分別された。粒度分布により違いがあるが比較的含有量の高いCuは弱磁性部分に分別された。
H2SO4,HCl,HNO3およびNH4SCNによるPWB (-74μm)の323Kにおける直接溶解性について検討した。H2SO4 (0.25mol・dm-3)により80%以上のCu,Niおよび95%以上のZnが浸出された。またHCl(0.5mol・dm-3)によりNi,Sn,Fe,Cu,Pb,Znはそれぞれ,その80%以上が浸出された。HNO3による浸出もH2SO4,HClと同じ傾向を示したが,Snは不溶性の水和酸化スズが生成するものと考えられ,見かけの浸出率は低かった。またFe(III)またはH2O2などの酸化剤を共存させるとNH4SCNによるCu,Zn,Niの錯体化浸出が可能であった。
形状分離技術による廃棄物処理
(資源と環境 4,(5), 383-390)
古屋仲茂樹・遠藤茂寿・大矢仁史・岩田博行
プリント基板廃材をスイングハンマー式の衝撃型粉砕機によって粉砕すると,砕製物中に含まれる銅成分粒子と非銅成分粒子の形状が異なることを見い出し,傾斜振動法および傾斜コンペヤー法の2種類の形状分離法を適用して,銅成分粒子の分離回収を試みた。銅成分の分離に対して最適粉砕条件,形状分離装置の最適操作条件を実験的に検討した。さらに,砕製物中の銅成分粒子の粒度,および形状分布の粉砕条件へ依存性について検討した。その結果,以下の事が明らかになった。
(1)傾斜振動法では,振動強度1〜2,傾斜角12°,傾斜コンペヤー法では,ベルトスピード30cm/s,傾斜角30°で効果的に銅成分は分離され,銅を高品位に濃集することが可能。
(2)砕製物中の銅粒子の形状は,粉砕条件に依存しており,スクリーン目開き1.0mmΦ,,ハンマー周速度50m/s程度で粉砕すると効率的に球形化される。また,スクリーン目開き1.0mmΦハンマー周速度70m/s程度の条件で形状の均質性が最も高く,銅成分の分離効率が最大となる。
形状分離によるプリント基板廃材からの銅のリサイクリング −傾斜コンペアを用いた場合−
(粉体工学会誌 32,(6), 378-384)
泉川千秋・佐々木 寿・大矢仁史・遠藤茂寿・岩田博行
形状分離技術を利用したプリント基板廃材のリサイクリング −傾斜振動法による銅成分の分離回収−
(粉体工学会誌 32,(6), 385-391)
古屋仲茂樹・遠藤茂寿・岩田博行
Printed wiring board scraps were pulverized by a swing hammer-type impact mill with a screen under several operating conditions. A particle shape-sorting technique using an inclined vibrating plate(IVP) was applied to recover copper particles from the pulverized product based on the shape difference of each component.
The optimum operating conditions for pulverizing and separation was investigated experimentally. Also, the effects of mill operating conditions, such as the hammer circumferential speed and screen aperture size, on the shape and size distribution of pulverized products were examined.
The results are summarized as follows :
(1) Maximal separation efficiency was obtained at a mill condition of 70.2 m/s hammer circumferential speed and 1 mm screen aperture size with an IVP condition of 1-2 vertical component of vibration intensity and an inclination angle of 12゜.
(2) There was a general tendency for pulverized non-copper components to be smaller than copper components. The highest sphericity of copper particles was obtained at 52.5 m/s hammer circumferential speed with a 1 mm screen aperture.
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